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Ⅱ 魔王国の改革
エピローグ:節目
しおりを挟む妖精達との会合を終え、翌日早朝。会議室、円卓部屋に幹部ら魔王国の主要人物達が集まっていた。
「よし、全員集まったようだな。それでは閣議を始めよう」
魔王ベリアルが上座にて、会議の開始を宣告した。
「いやしかし、斯くも早くこの国を整え、他種族との和平条約を結べるとは。これも偏えに、我らが誇らしき宰相のおかげだ」
「いえいえそんな。私は大した働きはしていませんよ」
「いいや、素晴らしい働きだとも。お前のおかげで魔王城の仕事効率が上がり、明確に改善すべきであった点、そして我らの気づかなかった潜在的な問題。これらを解決して見せたであろう」
「いえ、魔王国は元が良かったので、非常にやりやすかったんです。それは陛下の功績です」
「いやいやそんな__」
「いえいえ、ですから__」
「もう終わりにしてもらっていいか?」
互いに讃えたり謙遜したりで、褒め合戦が起こりかけた。レイヴンが止めなければもっと白熱していただろう。
「……すまないな。さて、気を取り直して。我らが宰相のおかげで様々な問題が超短期間で片付いた。これで魔王国は安泰、と言いたいところだが、まだ終わらないそうだ」
「ええ、それがあなた方を呼び出した理由でもあります。さて、私はこの国の機関の役職を確立し、国の現状を把握し、不穏分子を抑制してきました。これが何のためなのか、分かりますか?」
突然の問いに戸惑う幹部達。しかし全員ではない。先日から会議していた数名は知っていたため、落ち着き払いゆっくり頷いていた。
「ふうむ……帝国と戦争でもするかな?」
いち早く答えに辿り着いたのはエリゴスであった。
「その通りです! そろそろ我らの悲願、安住の地を求め、帝国に侵攻する時です‼︎」
今こそ機は熟した。宰相が就任してから行ってきたことは、全てこのことを見据えていたのだ。魔王国の行く手を阻む最大の敵であるジグラド帝国を打倒し、魔王国民が安心して充実した豊かな暮らしを送れるよう、次は大国間の戦争が始まるのだ。
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