75 / 129
幼少期
75 ハーレム?純愛?
しおりを挟む
「マックス様、お呼びですか?」
「レナ、フィッシャー嬢とのお茶会は無事に済んだみたいだね。……友人にはなれたのかな?」
「……まだ考え中のようです」
「だろうね。バルディ家は男爵家だし、レナも騎士爵の娘として育ったから平民と同じように感じるだろうけど、次期伯爵夫人だからね。フィッシャー嬢もしり込みするだろう」
ま、それは俺にも言えることで、領民は気さくに接してはくれているものの、やはり一線を引かれているところはあるからな。
逆にフィッシャー嬢がしり込みせずに、レナに対して友人になりますと即座に応えていたらびっくりするよ。
「で、レナ。どうして急にフィッシャー嬢に友人になろうなんて言い出したんだい?」
「……お友達になりたいと思ったからです」
うん、レナの目線が若干泳いでるし、友人なりたいのは本当だろうけど、それ以外にも目的がありそうだな。
「友人になるだけなら応接室で……俺やトーマス叔父さん、ヨーゼフの前で話すだけで十分だろう?」
「……威圧したくなかったので」
「レナ……上位の者が下位の者に友人になろうと言い出すなんて、どんな状況でも威圧にならないわけがないってことはレナもわかっているよね?」
他でもないローズマリー嬢から友達になりたいと言われて、戸惑っていたレナがそれをわからないはずはない。
「何か、目的があったんだろう?」
「……マ、……マックス様を共に支えてほしいと……願いました」
ん? ドユコト? 共に支えてほしい?
「…………え? どういうこと?」
「ですから! 私と共にマックス様を支えてほしくて……だから、お友達になりたかったのです!」
「? 支えて? え? 別にレナが傍にいればそれで十分だけど?」
「私では……私では次期領主としてのマックス様しか支えられません」
え? 別にそれでよくない?
「次期領主としてのしか……とか言われても、別に領主にしかなるつもりはないけど?」
「でも、マックス様はこれまでのように色々な商品を考えるのでしょう?」
ん? ん~、まあ、そう言われたらそうか? この世界はゲームの世界で日本の物がありふれているけど、それでもないものもなくはないからいろいろ作りたいのは本当か。
「まあ、そうだけど、それはユリア叔母さんとかトーマス叔父さんがいればなんとかなるよ?」
「でも、お二人はマックス様よりも前に引退なされるでしょう?」
「それはそうだけど……」
「だからこそ、アイリーンに支えてほしいと思ったのです」
筋は……通るか? 確かにフィッシャー商会は新興ではあるものの、勢いがある商会だし、俺が作り出す商品を扱うには十分だ。
フィッシャー嬢に対しても、サブヒロインとかそういうのは抜きにしても、即座にアンドレ商会と繋ぎを作ってゲルハルディ家にきたのは良い判断だったと思う……多少、勇み足感はあったが。
「……御用達商会をアンドレ商会からフィッシャー商会に変えようと?」
「いいえ、いずれアイリーンにはマックス様の第二夫人になってもらおうかと。そうすれば、御用達商会にフィッシャー商会を加えても問題はないでしょう?」
あー、そうね。第二夫人ともなれば、身内だから御用達にしても問題はないわなー。
……って第二夫人? 誰の? 俺の?
「…………え? 第二夫人? 嫌だけど?」
「マックス様のためでもあるのです」
「いやいや、レナと結婚もしてないのに、もう第二夫人の心配? え? 普通に伴侶は一人が良いんだけど」
この世界は美少女ゲームの世界だけあって、ハーレムが認められている……というか、そもそもハッピーエンドがハーレムエンドってゲームだったからな。
だから、一夫多妻も問題はないが、現在のトレンドは一夫一妻だ。
国王陛下もそうだし、父上と母上もそう。
ま、裏で愛人を囲っているなんていうのは貴族にはありがちだろうが、それでも現在の主流を離れて第二夫人を娶るというのはかなりの覚悟がいる。
「いずれです! 私と婚姻をして、その後にアイリーンを第二夫人として娶るのもありでしょう?」
「いやいや、商品なんて、そんなポンポン思いつくもんじゃないし、別に第二夫人にする必要はないだろ?」
「マックス様のお考えは分かりました。……ですが、私はマックス様を支えるのは一人では難しいと考えています」
「……えー? ……うん、まあレナの考えは分かった。でも、俺は自分の妻は一人が良い」
うん、レナの考えは分かる。そもそも伯爵夫人というだけでも大変なのに、俺は商品の開発を行って陛下たちにプレゼンをしているからな。
後々のことを考えたら、策を張り巡らすというのもわかる。
だけどな! だけど、それでも、俺は結婚相手は一人が良いんだよ!
「レナ、フィッシャー嬢とのお茶会は無事に済んだみたいだね。……友人にはなれたのかな?」
「……まだ考え中のようです」
「だろうね。バルディ家は男爵家だし、レナも騎士爵の娘として育ったから平民と同じように感じるだろうけど、次期伯爵夫人だからね。フィッシャー嬢もしり込みするだろう」
ま、それは俺にも言えることで、領民は気さくに接してはくれているものの、やはり一線を引かれているところはあるからな。
逆にフィッシャー嬢がしり込みせずに、レナに対して友人になりますと即座に応えていたらびっくりするよ。
「で、レナ。どうして急にフィッシャー嬢に友人になろうなんて言い出したんだい?」
「……お友達になりたいと思ったからです」
うん、レナの目線が若干泳いでるし、友人なりたいのは本当だろうけど、それ以外にも目的がありそうだな。
「友人になるだけなら応接室で……俺やトーマス叔父さん、ヨーゼフの前で話すだけで十分だろう?」
「……威圧したくなかったので」
「レナ……上位の者が下位の者に友人になろうと言い出すなんて、どんな状況でも威圧にならないわけがないってことはレナもわかっているよね?」
他でもないローズマリー嬢から友達になりたいと言われて、戸惑っていたレナがそれをわからないはずはない。
「何か、目的があったんだろう?」
「……マ、……マックス様を共に支えてほしいと……願いました」
ん? ドユコト? 共に支えてほしい?
「…………え? どういうこと?」
「ですから! 私と共にマックス様を支えてほしくて……だから、お友達になりたかったのです!」
「? 支えて? え? 別にレナが傍にいればそれで十分だけど?」
「私では……私では次期領主としてのマックス様しか支えられません」
え? 別にそれでよくない?
「次期領主としてのしか……とか言われても、別に領主にしかなるつもりはないけど?」
「でも、マックス様はこれまでのように色々な商品を考えるのでしょう?」
ん? ん~、まあ、そう言われたらそうか? この世界はゲームの世界で日本の物がありふれているけど、それでもないものもなくはないからいろいろ作りたいのは本当か。
「まあ、そうだけど、それはユリア叔母さんとかトーマス叔父さんがいればなんとかなるよ?」
「でも、お二人はマックス様よりも前に引退なされるでしょう?」
「それはそうだけど……」
「だからこそ、アイリーンに支えてほしいと思ったのです」
筋は……通るか? 確かにフィッシャー商会は新興ではあるものの、勢いがある商会だし、俺が作り出す商品を扱うには十分だ。
フィッシャー嬢に対しても、サブヒロインとかそういうのは抜きにしても、即座にアンドレ商会と繋ぎを作ってゲルハルディ家にきたのは良い判断だったと思う……多少、勇み足感はあったが。
「……御用達商会をアンドレ商会からフィッシャー商会に変えようと?」
「いいえ、いずれアイリーンにはマックス様の第二夫人になってもらおうかと。そうすれば、御用達商会にフィッシャー商会を加えても問題はないでしょう?」
あー、そうね。第二夫人ともなれば、身内だから御用達にしても問題はないわなー。
……って第二夫人? 誰の? 俺の?
「…………え? 第二夫人? 嫌だけど?」
「マックス様のためでもあるのです」
「いやいや、レナと結婚もしてないのに、もう第二夫人の心配? え? 普通に伴侶は一人が良いんだけど」
この世界は美少女ゲームの世界だけあって、ハーレムが認められている……というか、そもそもハッピーエンドがハーレムエンドってゲームだったからな。
だから、一夫多妻も問題はないが、現在のトレンドは一夫一妻だ。
国王陛下もそうだし、父上と母上もそう。
ま、裏で愛人を囲っているなんていうのは貴族にはありがちだろうが、それでも現在の主流を離れて第二夫人を娶るというのはかなりの覚悟がいる。
「いずれです! 私と婚姻をして、その後にアイリーンを第二夫人として娶るのもありでしょう?」
「いやいや、商品なんて、そんなポンポン思いつくもんじゃないし、別に第二夫人にする必要はないだろ?」
「マックス様のお考えは分かりました。……ですが、私はマックス様を支えるのは一人では難しいと考えています」
「……えー? ……うん、まあレナの考えは分かった。でも、俺は自分の妻は一人が良い」
うん、レナの考えは分かる。そもそも伯爵夫人というだけでも大変なのに、俺は商品の開発を行って陛下たちにプレゼンをしているからな。
後々のことを考えたら、策を張り巡らすというのもわかる。
だけどな! だけど、それでも、俺は結婚相手は一人が良いんだよ!
94
お気に入りに追加
284
あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。

宝箱の中のキラキラ ~悪役令嬢に仕立て上げられそうだけど回避します~
よーこ
ファンタジー
婚約者が男爵家の庶子に篭絡されていることには、前々から気付いていた伯爵令嬢マリアーナ。
しかもなぜか、やってもいない「マリアーナが嫉妬で男爵令嬢をイジメている」との噂が学園中に広まっている。
なんとかしなければならない、婚約者との関係も見直すべきかも、とマリアーナは思っていた。
そしたら婚約者がタイミングよく”あること”をやらかしてくれた。
この機会を逃す手はない!
ということで、マリアーナが友人たちの力を借りて婚約者と男爵令嬢にやり返し、幸せを手に入れるお話。
よくある断罪劇からの反撃です。


ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・

過程をすっ飛ばすことにしました
こうやさい
ファンタジー
ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。
どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?
そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。
深く考えないでください。

魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる