62 / 230
第五章 恋情編
浴室の情事☆
しおりを挟む
実際、マルスは飽くことなく毎夜ファーリアを抱いた。
「やぁ、ああ――――…………」
ファーリアを絶頂に導き、同時に精を注ぎ込んで、それでも尚屹立したままの陰茎を抜かずに更に責め立てる。マルスの精とファーリアの蜜が混じり合って、閨にはぐちゅぐちゅと淫猥な音が満ちる。
「ああ……あぁん……や……あああ……!」
もう数十分間いきっぱなしのファーリアは、甘やかな嬌声を上げ続けている。それが更にマルスを欲情させた。
「……っは……っ……ファーリア……っ」
マルスはファーリアの片脚を高く持ち上げると、奥深く挿入して激しく腰を打ち付ける。
「やあぁあ!マルスさま、もう……ああっ!」
「もっと……もっとだ、ファーリア、もっと昇りつめろ――!」
「――――っ………」
何度目かの絶頂の後、ようやく荒い息を吐きながらマルスは寝台に突っ伏した。
敷布は二人の体液でぐっしょりと濡れている。
「……失礼致します。お取替えいたしましょうか」
薄く開いた扉の向こうから、下女が声を掛けた。
「ああ、頼む」
マルスは短く答えると、ガウンを羽織ってファーリアを抱き上げ、浴室へと向かった。
温かい湯を掛けられて、ファーリアは微睡みから覚めた。温められた大理石の上に寝そべっていると、下女が身体を洗い流していく。
同じく汚れを落としたマルスが浴槽に浸かり、ファーリアの手を取って湯の中へ引き入れた。
大理石の浴槽はゆったりと広く、絶えず湯が流れている。
マルスは自分の上にファーリアを乗せた。たっぷりの湯とマルスの腕に包まれると、心地良すぎてまるで現実ではないような気がしてくる。
「……夢みたい……」
思わず口をついて、そんな言葉が出てしまう。
「私は眠い。夢など見ないで眠りたい」
マルスは背後からファーリアの胸をやんわりと揉みしだきながら言った。
「眠ってください……夜が明けてしまう……」
そう言うファーリアも眠かった。連日、明け方まで交わることが続いていた。
「眠らせてくれぬのはそなたであろうが」
言っているそばから、ファーリアの双丘に硬いものが当たる。
「あ……っ」
先程まで散々蕩けていたそこが、マルスをやすやすと受け入れる。
「ああ……っ」
ファーリアは浴槽の縁を掴んだ。下からマルスが緩急をつけて突き上げてくる。
(――いかんな)
ファーリアのしなやかな背中が飛沫を上げて上下するのを眺めながら、マルスは思った。
(いい女だとは思っていたが――これほど溺れるとは)
結局、体を拭いた二人が乾いた敷布の上で眠れたのは、一時間もなかった。
起きて身支度をするマルスに気付いて、ファーリアも慌てて起きて近衛兵の制服を着る。
「良い。疲れたであろう、寝ているが良い」
「いえ、そういうわけには」
寝ぼけまなこをこすってファーリアは言った。何のための護衛だというのだ。マルスが後宮を出て政庁に無事に着くまでが、ファーリアの仕事だ。
別れ際、中庭の棕櫚の葉陰でマルスはファーリアに口づけた。
「ではな。行ってくる」
微笑みを見せて、軽い足取りで去っていく姿は、まるで仕事に出掛ける夫のようだったが、生憎と家族に縁がなかったファーリアにはその機微はわからない。ただ、冷徹なはずの国王が見せる意外な一面に、名状しがたい感情が芽生えるのを自覚していた。
「……ねぇ、わたくし、今朝方ずっとご寝所を伺っていたんですのよ。でもやはり、どなたもお出でになりませんでしたわ」
「陛下はいつもどおり、朝の七時半にはお出かけになりましたわよね……その時も、いつもどおりアトゥイー様お一人しかお連れではなくて」
「でも確かに、ご寝所付きの下女が今朝、汚れ物を洗っていましたわよ?」
「夜中、姫君の声を聞いた、という者もいましたわ」
「その下女を問い詰めましょうよ。もう我慢できないわ」
女官たちの間でそんなことが囁き交わされているなど知る由もなく、ファーリアは自室で短い眠りに落ちていった。
「やぁ、ああ――――…………」
ファーリアを絶頂に導き、同時に精を注ぎ込んで、それでも尚屹立したままの陰茎を抜かずに更に責め立てる。マルスの精とファーリアの蜜が混じり合って、閨にはぐちゅぐちゅと淫猥な音が満ちる。
「ああ……あぁん……や……あああ……!」
もう数十分間いきっぱなしのファーリアは、甘やかな嬌声を上げ続けている。それが更にマルスを欲情させた。
「……っは……っ……ファーリア……っ」
マルスはファーリアの片脚を高く持ち上げると、奥深く挿入して激しく腰を打ち付ける。
「やあぁあ!マルスさま、もう……ああっ!」
「もっと……もっとだ、ファーリア、もっと昇りつめろ――!」
「――――っ………」
何度目かの絶頂の後、ようやく荒い息を吐きながらマルスは寝台に突っ伏した。
敷布は二人の体液でぐっしょりと濡れている。
「……失礼致します。お取替えいたしましょうか」
薄く開いた扉の向こうから、下女が声を掛けた。
「ああ、頼む」
マルスは短く答えると、ガウンを羽織ってファーリアを抱き上げ、浴室へと向かった。
温かい湯を掛けられて、ファーリアは微睡みから覚めた。温められた大理石の上に寝そべっていると、下女が身体を洗い流していく。
同じく汚れを落としたマルスが浴槽に浸かり、ファーリアの手を取って湯の中へ引き入れた。
大理石の浴槽はゆったりと広く、絶えず湯が流れている。
マルスは自分の上にファーリアを乗せた。たっぷりの湯とマルスの腕に包まれると、心地良すぎてまるで現実ではないような気がしてくる。
「……夢みたい……」
思わず口をついて、そんな言葉が出てしまう。
「私は眠い。夢など見ないで眠りたい」
マルスは背後からファーリアの胸をやんわりと揉みしだきながら言った。
「眠ってください……夜が明けてしまう……」
そう言うファーリアも眠かった。連日、明け方まで交わることが続いていた。
「眠らせてくれぬのはそなたであろうが」
言っているそばから、ファーリアの双丘に硬いものが当たる。
「あ……っ」
先程まで散々蕩けていたそこが、マルスをやすやすと受け入れる。
「ああ……っ」
ファーリアは浴槽の縁を掴んだ。下からマルスが緩急をつけて突き上げてくる。
(――いかんな)
ファーリアのしなやかな背中が飛沫を上げて上下するのを眺めながら、マルスは思った。
(いい女だとは思っていたが――これほど溺れるとは)
結局、体を拭いた二人が乾いた敷布の上で眠れたのは、一時間もなかった。
起きて身支度をするマルスに気付いて、ファーリアも慌てて起きて近衛兵の制服を着る。
「良い。疲れたであろう、寝ているが良い」
「いえ、そういうわけには」
寝ぼけまなこをこすってファーリアは言った。何のための護衛だというのだ。マルスが後宮を出て政庁に無事に着くまでが、ファーリアの仕事だ。
別れ際、中庭の棕櫚の葉陰でマルスはファーリアに口づけた。
「ではな。行ってくる」
微笑みを見せて、軽い足取りで去っていく姿は、まるで仕事に出掛ける夫のようだったが、生憎と家族に縁がなかったファーリアにはその機微はわからない。ただ、冷徹なはずの国王が見せる意外な一面に、名状しがたい感情が芽生えるのを自覚していた。
「……ねぇ、わたくし、今朝方ずっとご寝所を伺っていたんですのよ。でもやはり、どなたもお出でになりませんでしたわ」
「陛下はいつもどおり、朝の七時半にはお出かけになりましたわよね……その時も、いつもどおりアトゥイー様お一人しかお連れではなくて」
「でも確かに、ご寝所付きの下女が今朝、汚れ物を洗っていましたわよ?」
「夜中、姫君の声を聞いた、という者もいましたわ」
「その下女を問い詰めましょうよ。もう我慢できないわ」
女官たちの間でそんなことが囁き交わされているなど知る由もなく、ファーリアは自室で短い眠りに落ちていった。
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説
【R18・完結】蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない〜
花室 芽苳
恋愛
契約結婚しませんか?貴方は確かにそう言ったのに。気付けば貴方の冷たい瞳に炎が宿ってー?ねえ、これは大人の恋なんですか?
どこにいても誰といても冷静沈着。
二階堂 柚瑠木《にかいどう ゆるぎ》は二階堂財閥の御曹司
そんな彼が契約結婚の相手として選んだのは
十条コーポレーションのお嬢様
十条 月菜《じゅうじょう つきな》
真面目で努力家の月菜は、そんな柚瑠木の申し出を受ける。
「契約結婚でも、私は柚瑠木さんの妻として頑張ります!」
「余計な事はしなくていい、貴女はお飾りの妻に過ぎないんですから」
しかし、挫けず頑張る月菜の姿に柚瑠木は徐々に心を動かされて――――?
冷徹御曹司 二階堂 柚瑠木 185㎝ 33歳
努力家妻 十条 月菜 150㎝ 24歳
【R18】幼馴染な陛下は、わたくしのおっぱいお好きですか?💕
月極まろん
恋愛
幼なじみの陛下に告白したら、両思いだと分かったので、甘々な毎日になりました。
でも陛下、本当にわたくしに御不満はございませんか?
性欲の強すぎるヤクザに捕まった話
古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。
どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。
「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」
「たまには惣菜パンも悪くねぇ」
……嘘でしょ。
2019/11/4 33話+2話で本編完結
2021/1/15 書籍出版されました
2021/1/22 続き頑張ります
半分くらいR18な話なので予告はしません。
強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。
誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。
当然の事ながら、この話はフィクションです。
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
一夜限りのお相手は
栗原さとみ
恋愛
私は大学3年の倉持ひより。サークルにも属さず、いたって地味にキャンパスライフを送っている。大学の図書館で一人読書をしたり、好きな写真のスタジオでバイトをして過ごす毎日だ。ある日、アニメサークルに入っている友達の亜美に頼みごとを懇願されて、私はそれを引き受けてしまう。その事がきっかけで思いがけない人と思わぬ展開に……。『その人』は、私が尊敬する写真家で憧れの人だった。R5.1月
【R18】隣のデスクの歳下後輩君にオカズに使われているらしいので、望み通りにシてあげました。
雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向け33位、人気ランキング146位達成※隣のデスクに座る陰キャの歳下後輩君から、ある日私の卑猥なアイコラ画像を誤送信されてしまい!?彼にオカズに使われていると知り満更でもない私は彼を部屋に招き入れてお望み通りの行為をする事に…。強気な先輩ちゃん×弱気な後輩くん。でもエッチな下着を身に付けて恥ずかしくなった私は、彼に攻められてすっかり形成逆転されてしまう。
——全話ほぼ濡れ場で小難しいストーリーの設定などが無いのでストレス無く集中できます(はしがき・あとがきは含まない)
※完結直後のものです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる