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初恋の味はチョコレート・ケーキ
〖下〗
しおりを挟む「僕は死なないよ。解ってる。でも足に死神が絡まりついて。闇に引摺りこもうとしている影を見る。過去の発作を思い出すと不安にはなるよ。でも、過去の不安に怯えて幸せを、今を失いたくない。今、僕はしあわせだから、僕はこの幸せを手離せない」
泣くオミは悲しい。私はベッドから降り、オミを抱き締めた。
「冷めちゃう、たべよう?オミのご馳走」
皆美味しかった。自分が作るより美味しくて私は少し悔しくて、暖かくて笑った。
「私、今幸せ。隕石が落ちてきて地球が木っ端微塵になっても、神様に文句は言わない。それくらい、オミが好き。私の未来をオミにあげる。オミだけを見て、ついていく。生きていく。なのにさ、切ないの。ねえ、オミ。幸せを完結させるには何が必要なのかなあ。今しあわせなの。『今』が永遠ならいいのに。どうすればいいのかなあ」
死ぬこと?なのかしら。幸せへのドアは開いているのに。オミは無意識に涙を流す私を抱き締めた後言った。
「カレンダーだよ。日めくりでもマンスリーでも。季節限定のこのチョコケーキ、来月はベリーになるってコンビニのチラシに書いてあった。一歩一歩歩いていこう。もし僕に何かあったら、先に君を置いていったなら、おばあさんになってから来てよ。何があったか詳しく教えて。恨み言もなんでも聴くよ。だから死神の誘惑に負けないで」
キスをする。生命の味がする。
──────────
境内を箒で掃くのは私の仕事。あなたは、社務所でお守りと破魔矢を売って。
毎日私は神様に祈る。私の大切な人たちの健やかなることを。
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