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初恋の味はチョコレート・アイス
〖第1話〗眩しい初恋
しおりを挟む人を好きになるって、奇跡だよね。それが両想いなんて、明日地球に隕石でも墜ちるんじゃない?っていう確率だと思うのよ。
私はあなたが頷くなら明日そうなっても構わない。
「神社の娘がそんなこと言ってたら、参拝者減るよ?」
「たまにはこんな巫女がいても、神様は許してくれるわよ」
でもね幸せは限りがあるの。一旦幸せの味を知ると、失うのが怖くなる。
あなたを失くした夢を見るくらいに。
皆の幸せを祈ることが仕事なのに、私、幸せを信じることはできない。
──────────
私の家は神社だ。行く大学は決まってる。
神職の資格が取れる大学。
両親が、先祖が守ってきた神社をつがなければならない。 普通なら反抗する。
けれど、流石に五百年という伝統は、私は絶やしたくなかった。
母さんの巫女装束も、
父さんの神主の装束も、
よく解らない呪文も、私には小さな頃から近くにあった。
そして、私の大きな小さな頃から言われてきたミッション。
『婿を連れてくること。同業種なら尚良し』
それが必須条件だ。後は自由にして善し。
大学に行ったらガタガタ言わない。学業、資格獲得、婿ゲット。
だから、せめて高校生でいる時間だけは自由に誰かを好きでいたかった。
けれど、あの瞳が記憶に焼きついている。
色褪せず鮮明に、
哀しく、
変わることなく、
私を呼ぶ。
あまりにも眩しいくらいの
『初恋』と『別れ』
あの声が染み付く。
もう恋はしなくてもいいと思った。
私はこれから誰かを本気で好きになることはあるのだろうか。彼との思い出があまりにも鮮やかすぎた。
だから、婿探しのミッションを言い渡された時は気が楽だった。
形だけでも、セオリー通りに家庭を作ればそこから生まれてくるものがあるかもしれない。
恋でなくていい。優しくなれる気持ちくらいでいい。子供と夫として迎える人を慈しめられればいい。
──────────
でも私の心はあの時でとまっている。
あの夏のまま。
転んでも、発作を起こしながらも、私を乗せた遠ざかる軽トラックに、手を伸ばしたあの瞳が忘れられないの。
あの千切れるような痛みは、別れは、もう味わいたくない。
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