13 / 32
13話 クジャク獣人ロマナ
しおりを挟む
エーヴァの朝は、マリトと一緒に朝食を取るところから始まる。
そこへ、たまにディミトリスが加わり、3人になることもあった。
完全にエーヴァの食の好みはマリトに把握されていて、朝食には、必ずライ麦パンが出るようになっていた。
この街で出されるのは、ほとんどが白パンだったので、エーヴァは故郷の味を懐かしんだ。
ゆっくり食事をした後、マリトと一緒に選んで購入した少し華やかな通勤着に着替え、徒歩で数分のバス停まで出る。
バスは便数が多いので、焦ることはない。
小学校までの距離も、ずいぶんと短くなったので、定期代が助かっている。
少しだけメイクを変えて、色味のある服をまとうようになったエーヴァを、良く似合っていると校長先生が褒めてくれる。
エーヴァの新生活は順調だった。
おかげで心も落ち着き、恒例になりつつある週末の夜の談話室ワイン会で、エーヴァはマリトにあの日のことを打ち明けることにした。
冷静に話せるかどうかは分からない。
それでも誰かに聞いて欲しかった。
「マリトさん、長くなりますが、私の話を聞いてもらえますか?」
そう切り出したエーヴァは、すでに白ワインを1本空けて頬を染めているマリトに、田舎から上京して一人暮らしを始めたところから、決定的なラーシュとの別れになったあの夜までを、ぽつりぽつりと語ったのだった。
話し終わるころには、エーヴァも赤ワインを1本空けていた。
慟哭することもなく、淡々と己の悲劇をつまびらかにするエーヴァ。
その話に、じっと耳を澄ませていたマリトは、エーヴァの心が流した血の涙を思って胸を痛めた。
「つらかったでしょう。よく前向きになれたわね。偉いわ、エーヴァさん」
「私がこうしていられるのは、マリトさんのおかげです。それと、ディミーさんも。……あの夜、あの場所でディミーさんに会わなければ、私は、生きていなかったかもしれないから……」
「そんな……っ!」
最後の叫び声は、ディミトリスだった。
談話室の扉が少し開いて、そこからディミトリスとロマナとニコラが、こちらを見ていた。
「話は立ち聞きさせてもらったわ!」
ロマナが堂々と宣言して中に入ってくる。
どかりとエーヴァとマリトの前のソファに腰を下ろすと、新しいワイングラスに手を伸ばした。
するとニコラが慌ててロマナの横に来て、そのワイングラスにピッチャーからたっぷりの水を注ぐ。
お酒は駄目! とニコラに叱られて、ロマナが残念そうに口をとがらせていた。
一人で取り残されたディミトリスだったが、そろりそろりとエーヴァたちに近づいてくる。
そして両手で持っていたワイン瓶を、エーヴァに差し出した。
「これを、ワイン会で一緒に飲もうと思って、談話室に来たんだ。そうしたら、深刻なエーヴァの声が聞こえたから……」
声をかけきれずに、扉の前で佇んでいたのだという。
そこへ、ディミトリスに話があったロマナとニコラが合流し、結局はみんなでエーヴァの話を立ち聞きしてしまったというわけだ。
「運命の番に出会えて、正直うらやましいと思ったけど、そういう訳でもないのね」
水をがぶがぶ飲みながら、ロマナが呟いた。
これまで何度か屋敷内ですれ違ったときに、エーヴァから会釈をしたことがあるので、ロマナやニコラとは顔見知りであった。
だが、こうしてロマナと正面を切って話をするのは初めてだ。
エーヴァの話を立ち聞きしてしまったロマナは、話しかけずにはいられなかったのだろう。
ディミトリスの妻たちは皆、心に傷を負っている。
そして誰もが、そこから立ち直りたいと願っている。
ロマナも、もがいている一人だ。
「私ね、何かに依存してしまうみたい。元夫から暴力を振るわれても、『愛してる』って言われたら許してしまって、ズルズル繋がっていたわ。だけどディミトリスに助けてもらって、元夫じゃなくてもいいんだって分かって、それからはディミトリスに依存していた。ディミトリスはそれを受け入れてくれたし、私も幸せだったから、このままでいいと思ってたの。だけど……ディミトリスが、『僕は今、初めて恋をしているのかもしれない』なんて、キラキラした眼で言うから、腹が立ったわ。これだけたくさんの妻をめとっておきながら、初めてですって。だから思いっきり、引っ叩いてやったの」
ロマナは、シュッと右手を振り下ろして見せた。
それを横目でとらえたディミトリスが、ビクッと尻尾を跳ね上げさせる。
初めて一緒に昼食をとったとき、ディミトリスの左頬が赤く腫れていたことを、エーヴァはおぼろげに思い出した。
「妻の意味も知らないディミトリスに呆れて、それからはアルコールに依存するようになってしまって――今じゃニコラが、常に私の横で目を光らせているわ。……私だって、何にも頼らずに生きていけるなら、そうしたいのよ」
「だから、治療を受けようって決心したんでしょ? ディミトリスさま、ロマナさんにはお医者さまの力が必要です。どうか手配してもらえませんか?」
ニコラはロマナのことを心配して、ずっとロマナに進言していた。
依存症は、誰もがかかる可能性のある病気なのだと。
ロマナの心が弱いせいではないと。
ディミトリスとの性行為からアルコールへと依存が移り、ニコラが監視することで随分とロマナは改善してきた。
ここで、駄目押しに治療をすれば、ロマナは苦しみから抜け出せるのではないか。
ニコラに言われて、ロマナも希望を抱くようになり、二人でディミトリスに相談をしたかったのだそうだ。
「エーヴァさん、私にニコラがいたように、あなたにも手を差し伸べてくれる人がいるわ。だから諦めないでね。私たちは、私たちの人生を、もっと楽しく生きていいのよ」
最後は照れくさそうに言うと、ロマナはそそくさと水を飲み干し、談話室から出て行った。
ニコラも、「ロマナさんに必要なのはお医者さまです」と再度ディミトリスに念押しをしてから、ロマナの後を追って出て行った。
これまでのロマナの視線には、エーヴァへの苛立ちが感じられた。
急にディミトリスの運命の番が現れて、いい顔をしない妻もいるだろうと思っていたので、エーヴァはあたりさわりのないよう受け流していた。
だが、今夜からはそれもなくなるだろう。
あれはロマナからエーヴァへの励ましだ。
男に傷つけられた心を持つ女同士、通じ合った瞬間だった。
「ロマナも頑張っているのねえ。ニコラにしっかり指導されて、いい方へ向かっているじゃない」
すっかり酔いも覚めたらしいマリトが、ディミトリスが持ってきたワインの栓を、手際よく開けながら嬉しそうに言った。
3つの新しいワイングラスを並べ、濃い赤ワインを等しく注ぎ終わると、そのうちの1つを手に取りソファから立ち上がる。
「酔ったことだし、そろそろお暇するわね。あとはお二人で、ごゆっくりどうぞ」
手をひらひらと振ると、まったく酔いを感じさせない足取りでマリトが退室した。
急に二人きりになってしまって、残されたエーヴァはディミトリスのことを意識してしまう。
エーヴァの隣に立っていたディミトリスが、マリトが座っていたソファへゆっくりと移動した。
そして、テーブルの上に並んでいたグラスを1つ持ち上げて、エーヴァに勧めてきた。
「赤が好きだと聞いたから。これ、僕の好きなワインなんだ。よかったら感想を聞かせてくれる?」
エーヴァから番の香りが漂っているだろうに、ディミトリスはあくまでも紳士的だ。
それに勇気をもらって、エーヴァはグラスを受け取り、そっと鼻先に持っていく。
瑞々しいベリーと、ぎゅっと濃縮されたチョコレートのような馥郁とした香りが、ふくらんだグラスに満ちていた。
思わず一口、そっと飲み込むと、豊潤な香りが鼻に抜け、舌の上には旨みがじゅわっと拡がる。
「はぁ……なんて、美味しい」
溜め息とともに感想を漏らしたエーヴァに、ディミトリスは浮かべていた笑みをさらに深めた。
そんなディミトリスからは、この極上の赤ワインよりも、もっと芳しい香りがしている。
エーヴァは、ずっと不思議に思っていたことを、この機会に聞いてみることにした。
「どうして私と一緒にいても、平気なんですか? ディミーさんは、間違いなく運命の番ですよね?」
そこへ、たまにディミトリスが加わり、3人になることもあった。
完全にエーヴァの食の好みはマリトに把握されていて、朝食には、必ずライ麦パンが出るようになっていた。
この街で出されるのは、ほとんどが白パンだったので、エーヴァは故郷の味を懐かしんだ。
ゆっくり食事をした後、マリトと一緒に選んで購入した少し華やかな通勤着に着替え、徒歩で数分のバス停まで出る。
バスは便数が多いので、焦ることはない。
小学校までの距離も、ずいぶんと短くなったので、定期代が助かっている。
少しだけメイクを変えて、色味のある服をまとうようになったエーヴァを、良く似合っていると校長先生が褒めてくれる。
エーヴァの新生活は順調だった。
おかげで心も落ち着き、恒例になりつつある週末の夜の談話室ワイン会で、エーヴァはマリトにあの日のことを打ち明けることにした。
冷静に話せるかどうかは分からない。
それでも誰かに聞いて欲しかった。
「マリトさん、長くなりますが、私の話を聞いてもらえますか?」
そう切り出したエーヴァは、すでに白ワインを1本空けて頬を染めているマリトに、田舎から上京して一人暮らしを始めたところから、決定的なラーシュとの別れになったあの夜までを、ぽつりぽつりと語ったのだった。
話し終わるころには、エーヴァも赤ワインを1本空けていた。
慟哭することもなく、淡々と己の悲劇をつまびらかにするエーヴァ。
その話に、じっと耳を澄ませていたマリトは、エーヴァの心が流した血の涙を思って胸を痛めた。
「つらかったでしょう。よく前向きになれたわね。偉いわ、エーヴァさん」
「私がこうしていられるのは、マリトさんのおかげです。それと、ディミーさんも。……あの夜、あの場所でディミーさんに会わなければ、私は、生きていなかったかもしれないから……」
「そんな……っ!」
最後の叫び声は、ディミトリスだった。
談話室の扉が少し開いて、そこからディミトリスとロマナとニコラが、こちらを見ていた。
「話は立ち聞きさせてもらったわ!」
ロマナが堂々と宣言して中に入ってくる。
どかりとエーヴァとマリトの前のソファに腰を下ろすと、新しいワイングラスに手を伸ばした。
するとニコラが慌ててロマナの横に来て、そのワイングラスにピッチャーからたっぷりの水を注ぐ。
お酒は駄目! とニコラに叱られて、ロマナが残念そうに口をとがらせていた。
一人で取り残されたディミトリスだったが、そろりそろりとエーヴァたちに近づいてくる。
そして両手で持っていたワイン瓶を、エーヴァに差し出した。
「これを、ワイン会で一緒に飲もうと思って、談話室に来たんだ。そうしたら、深刻なエーヴァの声が聞こえたから……」
声をかけきれずに、扉の前で佇んでいたのだという。
そこへ、ディミトリスに話があったロマナとニコラが合流し、結局はみんなでエーヴァの話を立ち聞きしてしまったというわけだ。
「運命の番に出会えて、正直うらやましいと思ったけど、そういう訳でもないのね」
水をがぶがぶ飲みながら、ロマナが呟いた。
これまで何度か屋敷内ですれ違ったときに、エーヴァから会釈をしたことがあるので、ロマナやニコラとは顔見知りであった。
だが、こうしてロマナと正面を切って話をするのは初めてだ。
エーヴァの話を立ち聞きしてしまったロマナは、話しかけずにはいられなかったのだろう。
ディミトリスの妻たちは皆、心に傷を負っている。
そして誰もが、そこから立ち直りたいと願っている。
ロマナも、もがいている一人だ。
「私ね、何かに依存してしまうみたい。元夫から暴力を振るわれても、『愛してる』って言われたら許してしまって、ズルズル繋がっていたわ。だけどディミトリスに助けてもらって、元夫じゃなくてもいいんだって分かって、それからはディミトリスに依存していた。ディミトリスはそれを受け入れてくれたし、私も幸せだったから、このままでいいと思ってたの。だけど……ディミトリスが、『僕は今、初めて恋をしているのかもしれない』なんて、キラキラした眼で言うから、腹が立ったわ。これだけたくさんの妻をめとっておきながら、初めてですって。だから思いっきり、引っ叩いてやったの」
ロマナは、シュッと右手を振り下ろして見せた。
それを横目でとらえたディミトリスが、ビクッと尻尾を跳ね上げさせる。
初めて一緒に昼食をとったとき、ディミトリスの左頬が赤く腫れていたことを、エーヴァはおぼろげに思い出した。
「妻の意味も知らないディミトリスに呆れて、それからはアルコールに依存するようになってしまって――今じゃニコラが、常に私の横で目を光らせているわ。……私だって、何にも頼らずに生きていけるなら、そうしたいのよ」
「だから、治療を受けようって決心したんでしょ? ディミトリスさま、ロマナさんにはお医者さまの力が必要です。どうか手配してもらえませんか?」
ニコラはロマナのことを心配して、ずっとロマナに進言していた。
依存症は、誰もがかかる可能性のある病気なのだと。
ロマナの心が弱いせいではないと。
ディミトリスとの性行為からアルコールへと依存が移り、ニコラが監視することで随分とロマナは改善してきた。
ここで、駄目押しに治療をすれば、ロマナは苦しみから抜け出せるのではないか。
ニコラに言われて、ロマナも希望を抱くようになり、二人でディミトリスに相談をしたかったのだそうだ。
「エーヴァさん、私にニコラがいたように、あなたにも手を差し伸べてくれる人がいるわ。だから諦めないでね。私たちは、私たちの人生を、もっと楽しく生きていいのよ」
最後は照れくさそうに言うと、ロマナはそそくさと水を飲み干し、談話室から出て行った。
ニコラも、「ロマナさんに必要なのはお医者さまです」と再度ディミトリスに念押しをしてから、ロマナの後を追って出て行った。
これまでのロマナの視線には、エーヴァへの苛立ちが感じられた。
急にディミトリスの運命の番が現れて、いい顔をしない妻もいるだろうと思っていたので、エーヴァはあたりさわりのないよう受け流していた。
だが、今夜からはそれもなくなるだろう。
あれはロマナからエーヴァへの励ましだ。
男に傷つけられた心を持つ女同士、通じ合った瞬間だった。
「ロマナも頑張っているのねえ。ニコラにしっかり指導されて、いい方へ向かっているじゃない」
すっかり酔いも覚めたらしいマリトが、ディミトリスが持ってきたワインの栓を、手際よく開けながら嬉しそうに言った。
3つの新しいワイングラスを並べ、濃い赤ワインを等しく注ぎ終わると、そのうちの1つを手に取りソファから立ち上がる。
「酔ったことだし、そろそろお暇するわね。あとはお二人で、ごゆっくりどうぞ」
手をひらひらと振ると、まったく酔いを感じさせない足取りでマリトが退室した。
急に二人きりになってしまって、残されたエーヴァはディミトリスのことを意識してしまう。
エーヴァの隣に立っていたディミトリスが、マリトが座っていたソファへゆっくりと移動した。
そして、テーブルの上に並んでいたグラスを1つ持ち上げて、エーヴァに勧めてきた。
「赤が好きだと聞いたから。これ、僕の好きなワインなんだ。よかったら感想を聞かせてくれる?」
エーヴァから番の香りが漂っているだろうに、ディミトリスはあくまでも紳士的だ。
それに勇気をもらって、エーヴァはグラスを受け取り、そっと鼻先に持っていく。
瑞々しいベリーと、ぎゅっと濃縮されたチョコレートのような馥郁とした香りが、ふくらんだグラスに満ちていた。
思わず一口、そっと飲み込むと、豊潤な香りが鼻に抜け、舌の上には旨みがじゅわっと拡がる。
「はぁ……なんて、美味しい」
溜め息とともに感想を漏らしたエーヴァに、ディミトリスは浮かべていた笑みをさらに深めた。
そんなディミトリスからは、この極上の赤ワインよりも、もっと芳しい香りがしている。
エーヴァは、ずっと不思議に思っていたことを、この機会に聞いてみることにした。
「どうして私と一緒にいても、平気なんですか? ディミーさんは、間違いなく運命の番ですよね?」
16
お気に入りに追加
1,465
あなたにおすすめの小説
NTR動画を彼氏の浮気相手♀から送られてきたので〜──浮気する男はいりませんので──
ラララキヲ
恋愛
突然鳴ったスマホ。
そこに届いた動画。
大学で初めてできた彼氏。
告白されて付き合って半年。彼は私を大切にしてくれていたなのに知らない女から送られてきた動画には、私の知らない彼の乱れた姿が映っていた……
決定的な浮気の証拠……
どうする? 許せる?
私は許せない。
だから私は…………──
〔※男女の絡みのフワッとした描写有り。フワッとしてます〕
〔※友人に大らかな男性同性愛者が居ます〕
◇ふんわりゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げてます。
※※男性同性愛者は居ますが、作中に『男性同士の恋愛描写』はありません(無い)。
仲間を庇って半年間ダンジョン深層を彷徨った俺。仲間に裏切られて婚約破棄&パーティー追放&市民権剥奪されたけど婚約者の妹だけは優しかった。
蒼井星空
恋愛
俺はこの街のトップ冒険者パーティーのリーダーだ。
ダンジョン探索は文字通り生死をかけた戦いだ。今日も俺たちは準備万端で挑む。しかし仲間のシーフがやらかしやがった。罠解除はお前の役割だろ?なんで踏み抜くんだよ。当然俺はリーダーとしてそのシーフを庇った結果、深層へと落ちてしまった。
そこからは地獄の日々だった。襲い来る超強力なモンスター。飢餓と毒との戦い。どこに進めばいいのかも分からない中で死に物狂いで戦い続け、ようやく帰っていた。
そこで待っていたのは、恋人とシーフの裏切りだった。ふざけんなよ?なんで俺が罠にかかって仲間を危険に晒したことになってんだ!?
街から出て行けだと?言われなくてもこっちから願い下げだよ!
と思ったんだが、元恋人の妹だけは慰めてくれた。
あのあと、元仲間たちはダンジョンを放置したせいでスタンピードが起こって街もパーティも大変らしい。ざまぁ!!!!
と思ってたら、妹ちゃんがピンチ……。
当然助けるぜ?
深層を生き抜いた俺の力を見せてやるぜ!
破鏡悲歌~傾国の寵姫は復讐の棘を孕む
無憂
恋愛
下級官吏の娘であった蔡紫玲は、不遇の皇子・伯祥の妃に選ばれる。互いに比翼連理を誓った二人の蜜月はわずか数か月。紫玲の美しさに目をつけた皇帝は権力を振りかざして紫玲を奪い、後宮に入れた。伯祥の死を知った紫玲は、復讐を決意する――
玉匣清光不復持、菱花散亂月輪虧。
秦臺一照山鶏後、便是孤鸞罷舞時。
(唐・李商隠「破鏡」)
割れた鏡に込められた夫婦の愛と執着の行き着く先は。中華復讐譚。
王太子さま、側室さまがご懐妊です
家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。
愛する彼女を妃としたい王太子。
本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。
そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。
あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。
オオカミの旦那様、もう一度抱いていただけませんか
梅乃なごみ
恋愛
犬族(オオカミ)の第二王子・グレッグと結婚し3年。
猫族のメアリーは可愛い息子を出産した際に獣人から《ヒト》となった。
耳と尻尾以外がなくなって以来、夫はメアリーに触れず、結婚前と同様キス止まりに。
募った想いを胸にひとりでシていたメアリーの元に現れたのは、遠征中で帰ってくるはずのない夫で……!?
《婚前レスの王子に真実の姿をさらけ出す薬を飲ませたら――オオカミだったんですか?》の番外編です。
この話単体でも読めます。
ひたすららぶらぶいちゃいちゃえっちする話。9割えっちしてます。
全8話の完結投稿です。
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる