異世界のんびり料理屋経営

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第7章 魔境村の日常生活

第177話 エルフの国王様とだし巻きときんぴらごぼう!

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私は、エルフの国の国王をしているバイエルンというんだけどねぇ。覚えているかい?
まぁ、覚えていようがいまいが些細なことだよ。それよりも、そろそろドリア様の和食が恋しくなってきたんだよねぇ。なんだか、最近宰相や将軍の目が厳しいんだよ。でも、和食の為なら後々怒られても気にしないね。さぁ、ドリア様の元に行こう。

「そう言って転移してきたはいいけど、この場所の防衛力と総合戦力...化け物ばかりじゃないかぁぁぁ」

転移してきて、見た壁の凄さと暮らしている住人のオーラのようなものを感じて叫んでしまった。

「エルフの国と友好条約を結んでくれないかなぁ?この戦力が助けてくれるなら百人力なんだけどねぇ」

国王として自国の利益だけを考えた発言をするバイエルンだったが、後ろからある人物が声をかける。

「拓哉が望んでいない事が聞こえたんだが、どういうことかな?」

ちょうど、魔境周辺の見回りを終えて帰ってきたグラデュースであった。

「え?へ?あ!望んでいないなら無理強いはできませんねぇ~アハハ」

まさか、真後ろを取られたばかりか、あり得ない魔力量と強大なオーラにバイエルンは思わず敬語になり、何も言い返せないのであった。

「そうだな。もし、拓哉の意にそぐわないことをしたら、どうなるかわかるな?では、俺は飯が待っているから憩い亭に行かせてもらう」

脅すグラデュースを見たバイエルンは、冷や汗をダラダラとかいて見送るのであった。

「ふぅ~怖い怖い...無闇なことを口走ると命は無さそうだねぇ。ここでは、大人しくしないと。私も、そろそろ憩い亭に行こうかな」

憩い亭がどれかはわからないが、強いオーラが幾人も集まる場所があり、そこが憩い亭だろうと思い歩みを進める。

カランカラン

「いらっしゃいませなの。バイエルンさんなの」

「おっ!久しぶりだねぇ。お酒と和食をくれるかい?」

「わかったの。適当に座って待っていてほしいの」

王様になっていつ振りだろうか?この適当に扱われる感じはと怒るどころか嬉しくなるバイエルン。そして、適当に空いているところに座る。

「サリア君のところと同じで居心地がいいねぇ。みんな笑顔で食べているからいいお店だよ」

そんなことを呟いていると、アニカが料理を持ってやってくる。

「お待たせしましたなの。だし巻き卵ときんぴらごぼうと冷酒なの」

来た料理は優しい香りと綺麗なガラスの酒器に入った透明なお酒であった。すぐさま、酒器からお猪口に入れて呑む。

「ほぅ~これはキリッと澄んだ味わいだねぇ。体に染み渡る感じが堪らないよ。酒を冷やすとこんなにおいしいのかな?いや...ミードやエールでは、この複雑な味わいは無理だねぇ。この容器の精巧な作り...これを芸術品としてほしいけどエルフの鍛冶師には荷が重いだろうねぇ」

ゆっくりと冷酒を味わいながら、酒器を持ち上げて眺める。自分の世界にどっぷりと入るバイエルンだった。

「次は、卵かい?ん~!これは!?なんという優しい味わいと口いっぱいに広がる出汁の風味...冷酒ともよく合うねぇ。これだから和食はやめられないんだよ」

一気に半分くらい食べ進めるバイエルン。そして、きんぴらごぼうに手をつけ始めている。

「これもザクザクして香ばしく、甘辛く煮られておいしいねぇ。うん!冷酒にも合う。でもこれは、ライスだろうねぇ。アニカ、ライスをお願いするよ」

「は~いなの」

暫くして、茶碗に入ったライスがやってくる。

「この熱々のライスいいねぇ。ん~いい香り。早速、きんぴらごぼうをライスに乗せて頂こうかなぁ。おっ!やっぱり!この濃い甘辛なタレとザグザグの食感のごぼうとライスがよく合うねぇ。おいしい」

きんぴらごぼうご飯をこれでもかと口に掻き込んで幸せな気分になるバイエルン。
やっぱり戴冠式を早めて早く移住計画を進めないとなと思うのであった。
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