76 / 203
第4章 新たな出会いと充実していくスローライフ
第73話 憩い亭営業再開!いつの間にか仲良くなっている仲間達!
しおりを挟む
18時
桜花が、外に看板を出しに行く。
久しぶりの営業再開である。
バルト 小次郎 シャーリー ビーチェは、開店直後から入ってくる。
「「いらっしゃいませ」」
お客さんがくるのと、いらっしゃいませの一連の流れが久々で楽しくなる拓哉。
「まずは、桜花以外全員のビールを持ってくるんじゃ」
「えっ?俺たちも一緒にか?」
「当たり前じゃ。 誰の為に集まったと思っとるんじゃ」
お~やっと我が家に帰ってきたみたいだなと思う拓哉。 こうやって、誰かが待ってくれているのは幸せだなと実感する。
「すぐ用意するから待っててくれ」
そう言って、ジョッキにビールを注ぎに行く。 桜花は、ジンジャーエールだ。
ホールに戻りみんなにビールを配る。 バルトは早く呑みたいのか、早く持たんかとみんなを急かす。
そりゃ、キンキンに冷えたビールの方が、うまいけど怒鳴らなくてもと思う拓哉。
「行き渡ったようじゃな。 では、無事拓哉達が帰ってきたことを祝して乾杯じゃ」
「「「「「乾杯」」」」」
みんなの喉を鳴らすゴクっゴクっという音だけが、店内に響き渡る。
「ぶはぁ~これじゃこれじゃ。 入れ立てのキンキンに冷えたビール。 ビールは、入れ立てが1番じゃな。 仕事終わりのこの一杯目が最高だのぅ」
うまそうに呑むバルトとその言葉を聞いて、拓哉も同じ意見であった。
確かに、缶ビールとジョッキに入れたビールだと味が違うんだよな。 容器の問題だろうけど、ジョッキの方が明らかにうまいのだ。
「やはり、この店で呑む酒は格別だな。 日常が戻ってきた感じだ。 誰かと呑む酒もうまい」
1人で、ゆっくり晩酌するのもいいけど、こうやって仲間と呑むのも、酒をよりうまくする要因なんだよなと。 そして、シャーリーが近寄ってくる。
「国では、果実酒ばかり呑んでいましたが、ここに移り住んでから甘い以外のお酒や食べ物がこんなにおいしいんだと思いました。 家も国にいるより豪華ですし、仕事も楽しいし、料理もお酒もおいしくて、もうここを離れたくありません」
離れたくないと豪語するシャーリー。
それを聞いた拓哉は、満足してくれて嬉しいけど、仕事しない性格や食に対する好みまで変えてしまってよかったのだろうかと思ってしまう。 もし、精霊女王から帰還命令が来たらどうするのだろうかと。
ビーチェも話に加わる。
「シャーリーの言う通りです。 精霊の国で住めない体になりました。 使徒様、責任取って面倒みてくださいね」
誤解される冗談を平気でかましてくる。拓哉は思わず笑ってしまう。 てっきり桜花は怒ると思っていたが、冗談だとわかるようで、見向きもせずにジンジャーエールを飲んでいた。
「本当にみんなと久しぶりに、こうやってワイワイ出来て嬉しいよ。 魔国も色々あって楽しかったけど、やっぱり我が家が1番だ。 追加の酒と料理を持ってくるからな。 今日は、揚げ物だから酒は1番合うビールな」
厨房に、串カツを揚げに行く。
桜花は、その間ビールをみんなとこに運んでくれている。
ちなみに、今回の串カツは、牛とれんこんとえびとアジフライと豚とうずらの卵と玉ねぎとアスパラとしし唐と銀杏としいたけと餅と大阪名物の紅しょうがだ。
拓哉が、揚がった串カツを運ぶ。
「みんな今日は、串カツです。 この入れ物に入ったソースにつけて食べてください。 もし2度漬けしたら、その人の大好物1週間禁止です。 もし、追加で漬ける場合は、横にあるキャベツでソースを掬って漬けてください。 では、どんどん揚げていきますので思う存分食べてください」
そう言って拓哉は、厨房に追加を揚げにいく。 桜花も、どんどん呑んでいくバルトの酒を運ぶ。
「どれもこれもうまいのぅ。 この油の含んだ衣とソースに食材の味が相まって、ビールによく合うんじゃ。 2度漬けできんのが、面倒じゃが、うまいのぅ。この赤い(紅生姜)のピリ辛でシャクシャクしていて気に入ったのじゃ。 桜花ビールを頼むわい」
「うまいな。 ゴクっゴクっぷはぁ~バルトの言う通りビールに合う。 このプリプリした甘いエビと甘辛いソースがよく合うな。 この豆(銀杏)か?キュキュとした歯応えに不思議な味だが、病みつきになる。 俺もビールを頼む」
バルトと小次郎は、お互いが食べた串カツのレビューを言い合っている。 完全に居酒屋にいる親父達だ。
シャーリーとビーチェはというと。
「バルトさん、食べ方が汚いですよ。 せっかくおいしい料理なのに台無しです。ってビーチェも、口の周りソースと衣だらけで汚い。 早く2人とも拭いてください」
シャーリーは、お母さんと化していた。
「うるさいのぅ。 せっかくうまいもん食っとるのに水を差しよって。 のぅ?そう思わんかビーチェさん?」
「そうよ。 シャーリー。 3日振りの使徒様の料理よ。 そんなこと言ってないで食べましょ!? ん~このお肉にこの野菜(アスパラ)おいしい。 絶対、太るってわかっているのに止まらない。 シャクシャクした野菜がソースと絡まっておいしい」
右手に牛串カツ 左手にアスパラ串カツを持って交互に食べるビーチェ。
「はぁ~だめだわ。 元々こんなに食い意地の張った子じゃなかったのに...」
頭を抱えるシャーリー。
「あの2人は、放っておいて食べるぞ。 こいつなんて不思議な食感だ。 食べてみろ」
優しい小次郎が、せっかくならおいしい物は楽しく食べようという意味で話す。 素直に言えないので、ちょっと遠回しではあるが。それも小次郎の良さである。
「なにこれ!? ビヨーンて伸びますよ。 凄いもちもちしてて、噛んでるとライスの味がしてきます。 おもしろいしおいしいですね」
シャーリーは、餅串カツを食べている。ビヨーンと伸びた餅に驚くシャーリー。
「うまいだろ? それに、ライスの味がするくせに伸びる食べ物とは不思議だ。 これもうまいぞ」
それを見ていた拓哉は、いつの間に、こんな仲良くなったんだと思い見ている。
でも、一緒に住む仲間が、差別なく仲良く暮らしているのは嬉しい気持ちになる拓哉であった。
桜花が、外に看板を出しに行く。
久しぶりの営業再開である。
バルト 小次郎 シャーリー ビーチェは、開店直後から入ってくる。
「「いらっしゃいませ」」
お客さんがくるのと、いらっしゃいませの一連の流れが久々で楽しくなる拓哉。
「まずは、桜花以外全員のビールを持ってくるんじゃ」
「えっ?俺たちも一緒にか?」
「当たり前じゃ。 誰の為に集まったと思っとるんじゃ」
お~やっと我が家に帰ってきたみたいだなと思う拓哉。 こうやって、誰かが待ってくれているのは幸せだなと実感する。
「すぐ用意するから待っててくれ」
そう言って、ジョッキにビールを注ぎに行く。 桜花は、ジンジャーエールだ。
ホールに戻りみんなにビールを配る。 バルトは早く呑みたいのか、早く持たんかとみんなを急かす。
そりゃ、キンキンに冷えたビールの方が、うまいけど怒鳴らなくてもと思う拓哉。
「行き渡ったようじゃな。 では、無事拓哉達が帰ってきたことを祝して乾杯じゃ」
「「「「「乾杯」」」」」
みんなの喉を鳴らすゴクっゴクっという音だけが、店内に響き渡る。
「ぶはぁ~これじゃこれじゃ。 入れ立てのキンキンに冷えたビール。 ビールは、入れ立てが1番じゃな。 仕事終わりのこの一杯目が最高だのぅ」
うまそうに呑むバルトとその言葉を聞いて、拓哉も同じ意見であった。
確かに、缶ビールとジョッキに入れたビールだと味が違うんだよな。 容器の問題だろうけど、ジョッキの方が明らかにうまいのだ。
「やはり、この店で呑む酒は格別だな。 日常が戻ってきた感じだ。 誰かと呑む酒もうまい」
1人で、ゆっくり晩酌するのもいいけど、こうやって仲間と呑むのも、酒をよりうまくする要因なんだよなと。 そして、シャーリーが近寄ってくる。
「国では、果実酒ばかり呑んでいましたが、ここに移り住んでから甘い以外のお酒や食べ物がこんなにおいしいんだと思いました。 家も国にいるより豪華ですし、仕事も楽しいし、料理もお酒もおいしくて、もうここを離れたくありません」
離れたくないと豪語するシャーリー。
それを聞いた拓哉は、満足してくれて嬉しいけど、仕事しない性格や食に対する好みまで変えてしまってよかったのだろうかと思ってしまう。 もし、精霊女王から帰還命令が来たらどうするのだろうかと。
ビーチェも話に加わる。
「シャーリーの言う通りです。 精霊の国で住めない体になりました。 使徒様、責任取って面倒みてくださいね」
誤解される冗談を平気でかましてくる。拓哉は思わず笑ってしまう。 てっきり桜花は怒ると思っていたが、冗談だとわかるようで、見向きもせずにジンジャーエールを飲んでいた。
「本当にみんなと久しぶりに、こうやってワイワイ出来て嬉しいよ。 魔国も色々あって楽しかったけど、やっぱり我が家が1番だ。 追加の酒と料理を持ってくるからな。 今日は、揚げ物だから酒は1番合うビールな」
厨房に、串カツを揚げに行く。
桜花は、その間ビールをみんなとこに運んでくれている。
ちなみに、今回の串カツは、牛とれんこんとえびとアジフライと豚とうずらの卵と玉ねぎとアスパラとしし唐と銀杏としいたけと餅と大阪名物の紅しょうがだ。
拓哉が、揚がった串カツを運ぶ。
「みんな今日は、串カツです。 この入れ物に入ったソースにつけて食べてください。 もし2度漬けしたら、その人の大好物1週間禁止です。 もし、追加で漬ける場合は、横にあるキャベツでソースを掬って漬けてください。 では、どんどん揚げていきますので思う存分食べてください」
そう言って拓哉は、厨房に追加を揚げにいく。 桜花も、どんどん呑んでいくバルトの酒を運ぶ。
「どれもこれもうまいのぅ。 この油の含んだ衣とソースに食材の味が相まって、ビールによく合うんじゃ。 2度漬けできんのが、面倒じゃが、うまいのぅ。この赤い(紅生姜)のピリ辛でシャクシャクしていて気に入ったのじゃ。 桜花ビールを頼むわい」
「うまいな。 ゴクっゴクっぷはぁ~バルトの言う通りビールに合う。 このプリプリした甘いエビと甘辛いソースがよく合うな。 この豆(銀杏)か?キュキュとした歯応えに不思議な味だが、病みつきになる。 俺もビールを頼む」
バルトと小次郎は、お互いが食べた串カツのレビューを言い合っている。 完全に居酒屋にいる親父達だ。
シャーリーとビーチェはというと。
「バルトさん、食べ方が汚いですよ。 せっかくおいしい料理なのに台無しです。ってビーチェも、口の周りソースと衣だらけで汚い。 早く2人とも拭いてください」
シャーリーは、お母さんと化していた。
「うるさいのぅ。 せっかくうまいもん食っとるのに水を差しよって。 のぅ?そう思わんかビーチェさん?」
「そうよ。 シャーリー。 3日振りの使徒様の料理よ。 そんなこと言ってないで食べましょ!? ん~このお肉にこの野菜(アスパラ)おいしい。 絶対、太るってわかっているのに止まらない。 シャクシャクした野菜がソースと絡まっておいしい」
右手に牛串カツ 左手にアスパラ串カツを持って交互に食べるビーチェ。
「はぁ~だめだわ。 元々こんなに食い意地の張った子じゃなかったのに...」
頭を抱えるシャーリー。
「あの2人は、放っておいて食べるぞ。 こいつなんて不思議な食感だ。 食べてみろ」
優しい小次郎が、せっかくならおいしい物は楽しく食べようという意味で話す。 素直に言えないので、ちょっと遠回しではあるが。それも小次郎の良さである。
「なにこれ!? ビヨーンて伸びますよ。 凄いもちもちしてて、噛んでるとライスの味がしてきます。 おもしろいしおいしいですね」
シャーリーは、餅串カツを食べている。ビヨーンと伸びた餅に驚くシャーリー。
「うまいだろ? それに、ライスの味がするくせに伸びる食べ物とは不思議だ。 これもうまいぞ」
それを見ていた拓哉は、いつの間に、こんな仲良くなったんだと思い見ている。
でも、一緒に住む仲間が、差別なく仲良く暮らしているのは嬉しい気持ちになる拓哉であった。
26
お気に入りに追加
3,740
あなたにおすすめの小説

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~
舞
ファンタジー
かわいい精霊さんと送る、スローライフ。
異世界に送り込まれたおっさんは、精霊さんと手を取り、スローライフをおくる。
夢は優しい国づくり。
『くに、つくりますか?』
『あめのぬぼこ、ぐるぐる』
『みぎまわりか、ひだりまわりか。それがもんだいなの』
いや、それはもう過ぎてますから。

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる