【完結】一番腹黒いのはだあれ?

やまぐちこはる

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ジュルガーとリーリルハ

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パートルム公爵家次男ジュルガーの婚約者は、シューリンヒ侯爵令嬢リーリルハだ。

ルング王国では男性が爵位を継ぐと決められているため、ジュルガーはシューリンヒ家の養子となり、いずれ侯爵を継ぐ予定だ。

しかしジュルガーは約束された未来に胡座をかき、リーリルハを蔑ろに、侯爵家の金で遊ぶうつけに成り果てていた。表向きはリーリルハとの交流費としてうまく流用していたのだ。

友人に食事をご馳走するくらいのことなら目を瞑ろうと思っていたリーリルハだが。

一年経ち、二年も過ぎよう頃には使い込まれる金額も増えて、我慢も限界を迎えつつあった、そんなときのことだ。
リーリルハはある女生徒を知った。



リーリルハたちが通う貴族学院は、王族が在席する学年には特別なルールが適用される。
王族を守るために最上位のAクラスは公・侯爵、辺境伯と、旧伯爵と呼ばれる一定以上の代を重ねた伯爵の子息子女のみで編成されることが決められていた。
同学に第二王女リュスティリアがいるジュルガーとリーリルハも級友として王女をお守りする役目を担い、ルールどおり入学から卒業まで、高位貴族の同じ顔ぶれで過ごすことになっている。

目的があって集められるこのクラスの生徒は、子爵以下の生徒と交流することはめったになく、他のクラスのことはほとんど知らずにいたのだが。



リュスティリア王女とリーリルハは生徒会の活動で、何人もの生徒から同じ相談を耳にした。



下位のクラスに半年前に編入してきたロトン男爵令嬢コリールのことである。

容姿は良いもののマナー知らずなうえになかなかあざといらしく、何人かの男子生徒に取り入り、婚約破棄の遠因となったというもの。
女生徒たちは糾弾の声を上げたが、男子生徒たちが挙って彼女を庇ったため、二つのクラスが男子と女子に分断してしまい、とても困っているというものだ。

その噂に興味を惹かれたリュスティリア王女の指示で、リーリルハは密かにコリールを見に行った。

確かに可愛らしい容姿をした令嬢だった。

生徒会副会長を務めるリュスティリア王女は、卒業を控えた現生徒会長の第二王子デリオから、学内トラブルや対処は任せると言われたばかりで張り切っていた。
そこで学内交流会をしてはどうかとリーリルハが一計を提案した。

腹に思うことがあっても冷静に社交を行う貴族らしさを学ぶため、男爵令嬢では普段接する機会の少ない高位貴族の子息子女たちが手本を見せてやってはどうかと。

「それ、いいわね。さすがリルハ!」

リュスティリア王女に褒められたリーリルハは、頑張って企画の詳細まで考えた。
交流会の準備も勿論リーリルハが率先して手配した。

特に噂の男爵令嬢には厳重な監視が必要だと、リュスティリア王女とリーリルハで相談の上、王女の次に爵位が高い婚約者同士ジュルガーとリーリルハの間に挟むように席順を配置。

ジュルガーにはリュスティリア王女がその意味をよく説いて聞かせていた。
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