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第九章 想う相手に向けて
274.熱々天津炒飯-④
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わーい、わーい!!
皆さんの協力もあって、天津炒飯の完成だ!!
薄っすら茶色のとろとろのあんかけに沈んでいる、レストラーゼさんお手製の卵焼きが神々しく見える!!
中のヴィラカダ炒飯も味付けは抜群だし、これをエディオスさん達に持って行けば驚く以上に美味しいと言ってくださるはず!!
今ここで、熱々出来立てを試食したいけど……我慢だ。
とりあえず、天津炒飯などのご飯は給仕の皆さんに運ぶのをお願いして、僕達は席に着くことにした。レストラーゼさんは、フィーさんの隣に着くことになったよ。
「は? スープ? 卵が浮かんでんのか??」
エディオスさんには最初に出されたからか、思いっきり首をひねっていらした。
セヴィルさんやアナさんももちろん。
なので、僕から説明させていただきます!!
「卵焼きの下には、炒めたウルス米が入っているんです。刻んだヴィラカダとかハムがあるのでボリューム凄いですよ!」
「は? こん中に??」
「ほっほ。ウルス米の方を仕上げたのは儂じゃ。そちらの味見をしたが、実に美味じゃったのぉ」
「僕はスープの面倒見たよ!」
「まあ、そうですの??」
「んじゃ、食おうぜ!」
と、エディオスさんが号令をかけてくださったので僕らは食べ始めることになった。
(油淋鶏っぽいのに、棒棒鶏サラダみたいなのに、卵入りコーンスープも!! とっても美味しそう!!)
僕の提案じゃなくて、レストラーゼさんの提案って事にしてマリウスさん達に作っていただいたけど……全部が全部見た目は完璧!!
メインの天津炒飯の前に、まずは棒棒鶏サラダをクラウと一緒に食べる事になった。
「ふゅゆぅううう!!」
「美味しいー!!」
蒸し鶏はふわふわで、ちょっとつるんとしてて。ドレッシング代わりのタレはさっぱりなのにコッテリもしている。細切りきゅうりことリットってお野菜もシャキシャキで歯応え良し!!
クラウと一緒にもぐもぐぱくぱく食べた後には、油淋鶏っぽい唐揚げにネギダレのダバダバかけ!!
フォークで刺した時のカリッと感に、染み染みのネギダレがさっぱりこってりでたまんない!! お肉もふわふわジューシーで、僕の好きな部位のモモ肉が使われていた。
「お!? うっめ!!」
僕がおかずとかを堪能していたら、エディオスさんから声が上がった。
そっちを見ると、ちょうどスプーンで天津炒飯を食べているとこでした。
「スープのトロトロと、卵が喧嘩してなーい!! ウルス米にも絡めると美味しいー!!」
「だよな!? 全部浸かっていねーけど、ウルス米の部分だけ食っても美味い!!」
などと、フィーさんにも大絶賛だった。
「本当に美味しゅうございますわ!! ウルス米はあまり食したことはございませんでしたが、柔らかくて食べ応えがありますわ。ヴィラカダともとても相性がいいです」
「ほっほ。カティアちゃんの的確な指示があったお陰じゃよ」
そう言いながら、長い髭を汚さずに召し上がられるレストラーゼさんは健啖家さんのようだ。
「これは……美味い。優しい味わいだ」
セヴィルさんも辛くないけど、喜んでくださったみたい。ちょっと口が緩んでいるのが見えると、やっぱりドギマギしちゃう。
その気持ちを誤魔化すのに、僕も天津炒飯を口に入れた。
「美味しい!!」
フィーさん監修のあんかけはトロトロで優しい味わい。
レストラーゼさんが手がけてくださった卵焼きに、海鮮炒飯は文句なしに美味!! パラパラなお米にヴィラカダのコクとタンシャが……中華出汁の味付けがしっかりうつっていて、すっごく食べやすい。
炒飯をあんかけと卵といっしょくたに食べれば、オムライス以上の快感が!!
「ふーゆぅ、ふゆゆぅうう!!」
僕が堪能していたら、クラウがぺちぺちって僕のほっぺを叩いてきたので、慌ててクラウ用の天津炒飯を上げれば……すぐにご機嫌さんになって手足と翼をぴこぴことさせていった。
応援ありがとうございます!
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