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第二十章 説明だらけ
第1話 説明……と
しおりを挟む「……ダンジョンコアを破壊せずに済んだ結果、でしたが」
リクシアの街に、また馬車で戻った僕らは……エクレアさんの執務室に通された。僕とジェフさん以外に、マシュさんとレイザーさんだ。
だいたいの説明を……僕もだけど、ジェフさんがしっかり話した後に、エクレアさんは頭を抱えたのだ。
【ヒトの子は抱え込み過ぎじゃのぉ?】
移動の時は隠れていたけど、コウシャさんも同席している。僕の頭を撫でてくれるんだけど……子供扱いしているんだろうなあ? 実際、ここに居る中だと一番歳下だからね……。
「抱え込みと言いますか……あなた方に、トラディス君は気に入られた。その上で、あなた方には都合の良い結果になったんです。ギルドマスターとは言え、すぐに『はい、そうですか』と納得させるわけにはいきません」
エクレアさんの立場のこともあるから、たしかに『大丈夫』だけで終わらせるわけにはいかない。あんまり賢くない僕にも、なんとなくわかったけど。
【ほぉ? よく考えておる】
「あなた方ほどではありませんが、少しばかり長く生きていますから。しかし……ダンジョン破壊とならずに、ダンジョンコアからの願いを叶えて……むしろ元に戻した。であれば、トラディス君達『シリウスの風』には称号報酬を与えねばいけませんね?」
「称号……報酬??」
「コンビとして適切な報酬だなあ?」
ジェフさんが喜んでいると言うことは、いいことなのだろう。ランクとは別でも、チームとしてふさわしい報酬になるのなら僕も何も言わない。
コウシャさんには相変わらずなでなでされっぱなしだけど。
「レイザー君達には、討伐応援としての報酬を追ってお渡ししますね? マシュにも」
「わかりましたの」
「……おう」
「レイザーさん?」
ちょっと、いやだいぶレイザーさんに不満があるように見える。どうしたのだろうか??
「……レイザー? 報酬とかについてじゃねぇだろ?」
「……ああ」
ジェフさんが何故か、笑いながらレイザーさんの肩を強く叩いた。やっぱり、前から知っている者同士……ジェフさんには、レイザーさんの考えていることがわかるのかも。
「? 報酬ではない?」
「ですの?」
エクレアさん達にもわからないようなので、少し首を傾げちゃった。
【ほっほ。そこな、童は羨ましいのであろう? 見たところ、パーティーやチームを組んでおらぬ。トラディスらのところに加わりたいのじゃろうて】
「え!?」
「……ああ。ジェフが気にいるだけある。俺も混ぜさせろ!!」
A級冒険者で知名度の高い、レイザーさんが興味を持つとこだなんてないと思ってたのに!?
ジェフさんを見ても、苦笑いされただけだった。
「こいつが気にいることを、お前があのダンジョンでやった。俺としては……まあ、こいつなら大丈夫だと思う」
「……上から目線だなあ?」
「一応、リーダーは俺だしなあ?」
「……そーかよ」
「であれば……討伐応援の報酬は通常。レイザー君本人は『シリウスの風』に加入したいと?」
「おぅ!」
「なるほど。……トラディス君の顔が面白いことになっていますが?」
「ですの」
だって……僕の周りに、どんどん有名人が集まってくるから!?
混乱しないわけないです!!
応援ありがとうございます!
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