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第538話 爺の感動
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何故、私めは陛下に平謝りされているのでしょうか?
「爺、頼む! 手を貸してくれ!!」
帰城されるなり、陛下は私めが片付けようとしていた縁談関連の書簡の山に待ったをかけられました。いつもは無視されますのに、いかが致したのでしょう?
しかも、手を貸して欲しいと言うのは? いよいよ縁談について本気で向き合うことになったのでしょうか!!
「陛下。もしや……」
「フォンベルト家のだけあったら、そこはきちんと受ける!!」
「……フォンベルト家、ですか?」
限定とは珍しい。しかも、そこのご令嬢はイシュラリア家のルカリア嬢と同じように、腕の立つ方とは伺っています。数年留学のために、友好国のバッカス国へ行かれていましたが……ここ最近戻られたのでしょうか?
そうでなければ、陛下のこの発言はないでしょうし。
「正直に言う! ケントのとこで再会したんだ!! んで、惚れた!!」
「なんと!?」
これは由々しき事態ですぞ!?
今まで女性に見向きもしなかった、陛下が!! 女性に好意を抱かれた!? しかも、お相手は昔馴染みの方!?
フォンベルト家のご令嬢は今どのようにお姿が変わられているのでしょうか!? ただ美しい方だけでは陛下の御心はぴくりとも動きませんから!!
「んで、爺! あるか!?」
「少しお待ちを」
少々投げる勢いで書簡の山を探しに探しましたが……それらしいご家名はすぐに見つかりません。今回の中にはないのでしょうか? と少し諦めそうになりましたが、一番下を開くと……ありました!!
「あったか!?」
「ええ。こちらに!」
中の肖像画を拝見しますと……昔の勇ましさがかけらもなく、まるで砂糖菓子のように美しい御令嬢のお姿がありました。これは……たしかに陛下が心を奪われても無理ありませんな。
「……やっぱ、可愛い」
物凄く好みなのですな!? しかし、肝心の中身は好みの方なのでしょうか? 御二方の昔を思い出してみますが、稽古に明け暮れてまるで兄弟のようなご関係でいらっしゃいましたが。
「陛下。失礼ですが、内面にも?」
「まあ、昔そのままじゃねぇが……ルカ見てっと、そう言うのも可愛く見えてな。稽古再開の約束もしたし……ダメか?」
「いえいえ。陛下御自らのご希望であれば、私めもお手伝い致しますぞ」
うまくいけば、王妃になられる御方。内面は勇ましくとも、この方が陛下の横に並ぶとなれば美しい絵のようになりますからな!
早速、フォンベルト家への通達を準備致しましょうぞ!!
陛下は、それから仕事を手際良く片付けられるようになり、リリア嬢との稽古日に向けて政務にも意欲的になられましたが……果たして、リリア嬢の方はどうなのでしょう?
少なくとも、稽古を申し込むのですから好意がないわけではないでしょうが。
「爺、頼む! 手を貸してくれ!!」
帰城されるなり、陛下は私めが片付けようとしていた縁談関連の書簡の山に待ったをかけられました。いつもは無視されますのに、いかが致したのでしょう?
しかも、手を貸して欲しいと言うのは? いよいよ縁談について本気で向き合うことになったのでしょうか!!
「陛下。もしや……」
「フォンベルト家のだけあったら、そこはきちんと受ける!!」
「……フォンベルト家、ですか?」
限定とは珍しい。しかも、そこのご令嬢はイシュラリア家のルカリア嬢と同じように、腕の立つ方とは伺っています。数年留学のために、友好国のバッカス国へ行かれていましたが……ここ最近戻られたのでしょうか?
そうでなければ、陛下のこの発言はないでしょうし。
「正直に言う! ケントのとこで再会したんだ!! んで、惚れた!!」
「なんと!?」
これは由々しき事態ですぞ!?
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フォンベルト家のご令嬢は今どのようにお姿が変わられているのでしょうか!? ただ美しい方だけでは陛下の御心はぴくりとも動きませんから!!
「んで、爺! あるか!?」
「少しお待ちを」
少々投げる勢いで書簡の山を探しに探しましたが……それらしいご家名はすぐに見つかりません。今回の中にはないのでしょうか? と少し諦めそうになりましたが、一番下を開くと……ありました!!
「あったか!?」
「ええ。こちらに!」
中の肖像画を拝見しますと……昔の勇ましさがかけらもなく、まるで砂糖菓子のように美しい御令嬢のお姿がありました。これは……たしかに陛下が心を奪われても無理ありませんな。
「……やっぱ、可愛い」
物凄く好みなのですな!? しかし、肝心の中身は好みの方なのでしょうか? 御二方の昔を思い出してみますが、稽古に明け暮れてまるで兄弟のようなご関係でいらっしゃいましたが。
「陛下。失礼ですが、内面にも?」
「まあ、昔そのままじゃねぇが……ルカ見てっと、そう言うのも可愛く見えてな。稽古再開の約束もしたし……ダメか?」
「いえいえ。陛下御自らのご希望であれば、私めもお手伝い致しますぞ」
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早速、フォンベルト家への通達を準備致しましょうぞ!!
陛下は、それから仕事を手際良く片付けられるようになり、リリア嬢との稽古日に向けて政務にも意欲的になられましたが……果たして、リリア嬢の方はどうなのでしょう?
少なくとも、稽古を申し込むのですから好意がないわけではないでしょうが。
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