スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ

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第429話 弟子の修行①

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 エリーちゃんや、ギルアさん達がしばらく来れない。

 寂しいけど、内容が内容なので仕方がないと思った。

 ラティストの恋人の座を奪おうって計画しているのが……女の人達だけじゃないから、対処するためなんだって。異世界でも人間とかで、そういう性対象を持つのは普通みたい。

 たまたま、僕の周りにそういう人が少なかっただけで。

 エリーちゃん達が危ない目に遭わないか心配だったけど、エリーちゃん達は強い冒険者さんだ。きっと大丈夫だと信じて……僕は、僕が出来ることをしようと思ったんだ。

 そのひとつが、ポーションパンの差し入れ。エリーちゃん達の無事を祈って、たくさん気持ちの込めたパンを作った。


『絶対帰るから!』


 エリーちゃんは、元気いっぱい笑ってたけど……僕はすっごく非力だから手伝えない。モンスターが相手じゃなくて、生身の人間相手だから……万が一、得意のサーブで殺した場合、僕は一生後悔するだろう。おまけに、それ以外じゃ特に役に立たないからね。

 だから、皆が安心してここの店に戻って来られるのも願って……また新しいポーションパンを作ることにしたんだ。

 リトくんの修行も兼ねて、今日はコッペパンから作っていく。


「ししょー? これなんですか?」


 ミキサーでどんどん出来上がっていく生地を見て、リトくんは不思議そうに首を傾げたのだ。


「これはね? パンの生地。布じゃないよ? 材料を混ぜて、色々順番を守ったらパンになるんだ」

「! パンに!? これが!?」

「そうだよ。今からリトくんにも手伝ってほしい……ううん、パン屋さんへの特訓を始めるよ?」

「はい!」


 と言ってもいきなり最初から特訓するわけじゃない。手順を見てもらって、見学っていうのも大事だから。僕も専門学校に入学した時、いきなり作れっ言われたわけじゃないしね。

 カウルのドウコンに入れる作業、発酵の待ち時間がすごく長い事。その間に作らなきゃいけないフィリングだったり、やることはたくさんあるんだ。意外とのんびり出来ないのがパン作りなんだよね?


「さて、リトくん。パン屋さんの大事なことってなんだと思う?」

「……だいじなこと?」

「それはね。味見」

「! ししょーたちがこの前、うんうんしてた!?」

「あんな風じゃないけど、お客さんには美味しいパンを食べてもらいたいでしょう? だから、味見は大事なんだ」

「……たくさん食べるんですか?」

「ちょっとだけかな? 人によるけど、僕はそうしてる」


 あんまり食べすぎちゃ……ぽちゃぽちゃになっちゃうからね? 僕よりもリトくんが。彼のご両親から預かっているに代わりないから、しっかり鍛えて上げようとは思ってる。肉体労働も適度に。

 とりあえず、フィリングの味見からだ!
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