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第247話 王も虜①

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 ポーションの効果はさておき。

 エディが食べたいと豪語しているから、パンの説明をざっくりしますとも!


「ひとつひとつ、ご説明させてください」


 エディとルカリアちゃんはいいけど……ギルハーツさんやディルック様には相変わらず敬語だからね? ギルハーツさんは、様付けしたら……なんか泣かれちゃったのでさん付けになったのだ。

 とりあえず。


「んー? 揚げたメンチカツサンドはわかるが、他はわりかし地味な見た目だな?」


 エディがそう言うのも無理ないけどね?

 あんバターサンド以外は、ぱっと見シンプルな塊のパンにしか見えないから。


「エディ? こっちのパンの中身……『あんこ』を知っちゃうと、君でも虜になっちゃうかもよ?」

「ほー?」

「しかも、お師匠さんが作ってくれたコーヒー牛乳にも最高に合うんだ!」

「! そりゃ楽しみだな!! って、あんこってなんだ?」

「豆を甘く煮たものだね。今回の豆は、ラティスト達精霊さんの主食をお借りしたけど」

「「「「はぁあああああ!!?」」」」


 まあ、エディもだけど。小豆については皆さんも驚くよね?


「せ、精霊……以上に、大精霊様方の……主食をですの!?」

「うん。美味しい食べ方を伝えたら、ラティストが持って帰ってきてくれて」

「……美味だぞ」

「まあ!」


 あ、ルカリアちゃん間接的だけど、ラティストとちょっと会話出来たのが嬉しいみたい。

 恋する女の子は可愛らしいねぇ? 僕はエリーちゃんが当然一番だけど!


「け、ケントくん? そんな貴重な食材で……陛下へ献上されるポーションパンを??」

「はい。エディが許してくれるなら、お店でも売ろうかと」

「!?」

「そこはケントの自由だ。甘いパンか! 見ただけじゃわかんねぇな?」

「割ったらわかるよー」


 エディに許可もらえたから、あんぱんの販売は決定だ!

 まずは、ラティストとジェイドのご家族用に作んなきゃだけど。

 エディが普通のあんぱんを半分のすると、中身の色にびっくりしてた。


「……ケント。これこう言う色か?」

「そうそう。最初から赤黒いんだよ」

「ふーん?」


 で、パクッとすぐに食べてくれたら……面白いくらいに顔が輝いた。


「どう?」

「すっげ! あっま!! けど、豆なのに嫌じゃない……いつものパンと食べると、美味いな!」

「陛下。ここにすかさずこちらを」


 お師匠さんが、グラスに入れたコーヒー牛乳を渡し……エディはくぴっと飲めば。イケメンさんがさらにイケメンさんになった。


「なんだこれ! めっちゃ合う!!」

「ちょーっと苦いコーヒー味だけど、甘くした牛乳とのブレンドが合うでしょ?」

「甘いのに甘いもんだな! 紅茶よりいいぞ!!」

「ロイヤルミルクティーとの渋みじゃ違うだろうからねぇ?」


 エディには気に入ってもらえて何よりだ。
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