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第218話 のんびりしていると
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静かでやんす。
「……のんびりでやんすねぇ、兄さん」
「…………そうだな」
あっしは、しゃべれるスライムのカウルでやんす。
普段は、ケン兄さんが作れる『ポーションパン』の手伝いをしているでやんすよ。
ただ、今はケン兄さんがエリーはんとお出かけしてるんで……創始の大精霊であるラティスト兄さんとのんびりお茶してますー。
お茶菓子に、あっしが手製で作った普通のクッキーが合うでやんすねぇ。ケン兄さんに『獣魔』にしてもらわなきゃ……あっしは、あの森でくたばっていたでやんす。
まさか、人里に来て……店を手伝うとか予想外過ぎでやんすよ。
「……エリーはんとうまくいくでやんすかねぇ?」
「……時間の問題だろう」
あっしのことはさておき、ケン兄さん達でやんす。
どう見ても、お互い想い合っているのに……本人達が気づかないと言う鈍感ぷりでやんす。
エリーはんも風邪だったようでやんすけど、ケン兄さんと同じポーションパンを食べたことで全快。
今は、エリーはんの提案でピクニックに出かけられたでやんすけど……店は静かでやんす。
もちろん、営業してないでやんすけど……ケン兄さんがいないだけで、ここまで静かとは。
あのお方は、いつも笑顔が絶えないでやんすから。
「……告白出来るでやんすかねぇ?」
「…………たしかに。二人とも、かなり奥手だが」
忘年会の時は、エリーはん寝ちまったでやんすし。
シェリーはんの打ち上げん時は、エリーはんが酔い潰れそうになったでやんすし。
なんだかんだ……ケン兄さんよりも、エリーはんの空振りが多いでやんす。今回は素面と言え……大丈夫でやんすかねぇ?
「にぃさーん、カウルー!」
またお互いに茶を啜っていると、裏口からジェイド兄さんの声が。ジェイド兄さんはラティスト兄さんの弟はんで、同じ創始の大精霊様でやんす。
あっしが扉を開けると、ジェイド兄さんは何故か興奮気味でやんした。
「どうしたでやんす?」
「や! 聞いたよ、エリーとケントがデートしてるんでしょ?」
「……どこでそれを」
「ん? リオーネのほとんどで噂になってるけど?」
「……ジェイド。置いていくな!」
兄さんの後ろから、お師匠はんも来たでやんす。お師匠はんは体動かすの苦手ではないでやんすけど、魔法でささっと移動出来るジェイド兄さんらとは違うでやんすから。
「お師匠はん、いらっしゃいでやんす」
「……ああ。…………ケントは本当に出かけているのか?」
「あい」
「……そうか」
お師匠さんはズレかけていた眼鏡を直し、思いっきり息を吐いたでやんす。
「……街中で噂に?」
「……ああ。エリーが冒険者の格好をせずに、風邪で寝込んでいたはずのケントと仲良さげに出歩いていたと。衛兵らの目撃情報から広まって……まあ、私のとこまで問い合わせが来た」
「……ヴィンクスのところに?」
「師匠だからな。バカな女どもが、『ケントさん、エリザベスと付き合ってるの!?』とか、わざわざ聞きにくるくらいだ!」
面倒だー! と、お師匠はんは苛立ちから髪をかきまくったでやんすけど。
あっしとラティスト兄さんは顔を合わせ、息を吐くしか出来なかったでやんす。
今頃はわからないでやんすけど、街出るまではまだ二人は付き合ってないはずでやんすから。
「……のんびりでやんすねぇ、兄さん」
「…………そうだな」
あっしは、しゃべれるスライムのカウルでやんす。
普段は、ケン兄さんが作れる『ポーションパン』の手伝いをしているでやんすよ。
ただ、今はケン兄さんがエリーはんとお出かけしてるんで……創始の大精霊であるラティスト兄さんとのんびりお茶してますー。
お茶菓子に、あっしが手製で作った普通のクッキーが合うでやんすねぇ。ケン兄さんに『獣魔』にしてもらわなきゃ……あっしは、あの森でくたばっていたでやんす。
まさか、人里に来て……店を手伝うとか予想外過ぎでやんすよ。
「……エリーはんとうまくいくでやんすかねぇ?」
「……時間の問題だろう」
あっしのことはさておき、ケン兄さん達でやんす。
どう見ても、お互い想い合っているのに……本人達が気づかないと言う鈍感ぷりでやんす。
エリーはんも風邪だったようでやんすけど、ケン兄さんと同じポーションパンを食べたことで全快。
今は、エリーはんの提案でピクニックに出かけられたでやんすけど……店は静かでやんす。
もちろん、営業してないでやんすけど……ケン兄さんがいないだけで、ここまで静かとは。
あのお方は、いつも笑顔が絶えないでやんすから。
「……告白出来るでやんすかねぇ?」
「…………たしかに。二人とも、かなり奥手だが」
忘年会の時は、エリーはん寝ちまったでやんすし。
シェリーはんの打ち上げん時は、エリーはんが酔い潰れそうになったでやんすし。
なんだかんだ……ケン兄さんよりも、エリーはんの空振りが多いでやんす。今回は素面と言え……大丈夫でやんすかねぇ?
「にぃさーん、カウルー!」
またお互いに茶を啜っていると、裏口からジェイド兄さんの声が。ジェイド兄さんはラティスト兄さんの弟はんで、同じ創始の大精霊様でやんす。
あっしが扉を開けると、ジェイド兄さんは何故か興奮気味でやんした。
「どうしたでやんす?」
「や! 聞いたよ、エリーとケントがデートしてるんでしょ?」
「……どこでそれを」
「ん? リオーネのほとんどで噂になってるけど?」
「……ジェイド。置いていくな!」
兄さんの後ろから、お師匠はんも来たでやんす。お師匠はんは体動かすの苦手ではないでやんすけど、魔法でささっと移動出来るジェイド兄さんらとは違うでやんすから。
「お師匠はん、いらっしゃいでやんす」
「……ああ。…………ケントは本当に出かけているのか?」
「あい」
「……そうか」
お師匠さんはズレかけていた眼鏡を直し、思いっきり息を吐いたでやんす。
「……街中で噂に?」
「……ああ。エリーが冒険者の格好をせずに、風邪で寝込んでいたはずのケントと仲良さげに出歩いていたと。衛兵らの目撃情報から広まって……まあ、私のとこまで問い合わせが来た」
「……ヴィンクスのところに?」
「師匠だからな。バカな女どもが、『ケントさん、エリザベスと付き合ってるの!?』とか、わざわざ聞きにくるくらいだ!」
面倒だー! と、お師匠はんは苛立ちから髪をかきまくったでやんすけど。
あっしとラティスト兄さんは顔を合わせ、息を吐くしか出来なかったでやんす。
今頃はわからないでやんすけど、街出るまではまだ二人は付き合ってないはずでやんすから。
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