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第217話『ダブルチーズバーガー』

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「え? うわ……凄!!」


 収納魔法の中から取り出した、たくさんのポーションパン。


 変わり種デニッシュ数種。


 ハンバーガー数種。


 チョコクリームパン。


 クリームパン。


 フルーツサンド。



 とりあえず、二人だけだからこんなところで。

 エリーちゃんと僕は、さっきグラタンコロッケのハンバーガー食べたけど……まだまだ食べ盛り。

 ちょっと歩いたし、ちょっと小腹空いているし。

 エリーちゃんは、食べたいからか……さっきの寂しそうな笑顔は無くて、代わりに顔が緩んでいた。


「収納魔法に入れてたから、心配しないでたくさん食べて?」

「い……いいの?」

「もっちろん。今日はピクニックだし、どうぞ?」


 緩んでいる顔も可愛いなあ……と思っていると。

 エリーちゃんは、どれを食べていいのか迷っているようだ。

 たしかに、甘いのも塩っぱいのも……だいたいエリーちゃんの好みぽいのを意識して出したしね?

 ここにお師匠さんとかがいたら、遠慮なく貪り食べるだろうけど。その心配はないのに、可愛いなあと僕も顔が緩んじゃいそうだ。


「じゃ、これ! チーズバーガー!」

「召し上がれー」

「ええ!」


 僕の作るチーズバーガーは、お師匠さんの提案もあって『ダブルチーズバーガー』にしている。パティは少し薄めにして、チーズはゴーダとチェダーのスライスが一枚ずつ。

 結構人気の商品だけど、基本的に取り置き予約を受け付けていないので……購入は生産ギルドのオークション以外は早い者勝ち。

 従業員少ないし、予約の注文多いと営業が大変だから。

 この案は、ロイズさんからなんだよね? さすがはギルドマスターさんだ。

 エリーちゃんは、包み紙を開けて……カプッと可愛らしく食べ始めた。

 チーズバーガーは傷回復以外だと……疲労回復だから、あんまり疲れていないエリーちゃんには効果が出なかった。僕の作るポーションパンは、効力が対象者の状態によっては発揮されない場合もあるんだ。

 だから、パンとしても美味しく食べられるわけで。

 エリーちゃんはもぐもぐしながら、幸せそうな笑顔になってくれたよ。


「どう?」

「めちゃくちゃ美味しい!! パンもだけど、肉とチーズがこんなに合うの……このパン知らなきゃ、考えもしなかったわ!! ケントやヴィンクスさんの世界は凄いのね?」

「うふふ……僕は薄めのパティ作るけど。もっと大きなの作ろうと思うんだ」

「え、もっと?」

「ポーションパンになるかわかんないけど……ステーキ肉挟んだのとか。一枚じゃなくて、何枚も!」


 チェーン店の限定メニューだったような。

 お師匠さんが、グレービーソースとかを……ジェイドにも協力させて作るって言ってたから、提案に乗ったけど。

 上手くいけば、絶対美味しいと思う!

 数量はいつも以上に限定するけど。


「た……食べ応えありそう」

「上手く出来たら、エリーちゃんにも試食お願いしたいなあ?」

「いいの!?」

「うん。冒険者さんでも女の子の意見聞きたいし」


 ルゥさんは大喰らいだから、絶対美味しいで終わりそうだしね?

 とりあえず……話題変えたから、寂しい空気は取っ払えたようだ。
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