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第134話 友達とショッピング

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 エディとお昼ご飯もとい、飲み会を終えた後は。

 彼が僕のペースに合わせてくれたので……ゆっくりおしゃべりした後にお店を出た。次は、服屋に行きたいってエディが言い出したんだよね?


「服屋に行ってどうするの?」

「当然、ケントの服を買うためだ」

「へ?」

「ケントは今日も前も似た服装だったろ? だから、見繕ってやりたい」


 たしかに……作業着以外は、普通のシャツとズボンだ。

 日本と違って、そんなおしゃれする必要ないから~と思っていたけど、エディにはダメ出しを出されてしまった。

 僕の顔は日本人の童顔でしかないのに、もったいないんだって。


「……そんな変な顔してる?」

「逆、逆! ケント、いい顔立ちしてるぜ? そこそこ服装変えれば、女にモテるぞ?」

「……モテても意味ないと思うけど」

「んだよ。惚れてる女とかいねぇのか?」

「……特に?」


 一瞬、エリーちゃんが浮かんだけど……すぐに片隅から追い払った。


「ふぅん? まあ、服は無いよりいいぞ? 万が一に……ケントが王宮に呼ばれたりしたらどーすんだよ」

「お、お城?」

「ヴィンクスの弟子だろ? 国王だって、ケントのこと知ってるはずさ」

「……ディルック様には、たしかに言われたけど」

「だろ? なら、行こうぜ?」


 流されるがままに、エディと服屋さんに行くことになった。

 ちょっと高級なブティックみたいに見えたけど……エディが言ってた内容も内容だし、すぐに王様とかに呼ばれることはないだろうが、選ばないわけにはいかない。

 けど、マネキンとかを見ても、自分なんかに似合わないものばっかりだった!


「……この中から?」

「んー? ケントには派手だな……。店主~、もちっと地味めとか無いかー?」

「はい。落ち着いた雰囲気をお探しで?」

「俺じゃなくてこっちだけど」

「かしこまりました」


 エディが店長さんと色々やり取りしてくれたおかげで……もっとおとなしめの色合いや刺繍のある服装が次々に出て来て。

 何回か試着したけど、自分に似合っているか……鏡を見ても自信がなかった。


「じゃ、これとこれは決定。ケント、君の好きなものも選びな?」

「う、うん」


 エディは慣れた感じで選んでくれたけど……お金、まさか飲み会と同じように払ってくれるのかな?

 それはいけない、と選ぶ前に僕は彼に詰め寄った。


「へ? ダメか?」

「お金は僕も困って無いくらいあるから! ここは自分のだし、ちゃんと払うよ!!」

「……わかった」


 僕の気迫が凄かったのか、エディは首を何回か縦に振ってくれた。

 ちょっとだけ、ホッと出来たよ。
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