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第12話 ここが生産ギルド?

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(……わ!?)


 声に出そうだったけど、なんとか堪えた。

 だって、大声なんか出したらこっちに変な注目を集めちゃうんじゃないかと思ったんだもん!


「はい! こちらのアイテムには1800ダイス!! 他は? 他はいねぇか!!」


 中に入ったら、どこかの市民ホールくらい広い舞台があったんだ。観客スペースには外で見てきた人達のように、人種のサラダボウル状態だった。ざっと見ても、百人くらい居ておかしくはない。

 舞台に立っているのは、いわゆるナイスミドルな人間の男性。口にしたように、アイテムらしい魔法のステッキのようなのを持って会場の人達に叫んでいた。


「……オークション??」

「なんでやんすか?」


 そうと思えない会場だったんだ。

 カウルにはわからないからか、僕の顔を見るのにパチパチお目目を上に向けていたけど。


「ここの名物オークションよ? あそこの壇上にいるのが、ギルマスのロイズ=マッグワイヤーさんよ」

「え? あの人が??」


 同じ男なのに、なんてかっこいいんだろう!!

 口調は荒っぽい感じだけど、逆にいい!

 丁寧語よりも親しみを感じ取れるようだったから。

 ちょっと独特な片眼鏡ぽいのしてるけど……なんか、チャームポイントにも見える。すっごく親近感が湧くなあ!


「あとで話せるように、受付に話通すわよ。あたし達はとりあえずこっち」


 と、オークション会場から少し離れた場所に……市役所とかの受付場所があったんで、そこには移動。受付のお姉さんがエリーちゃんと顔見知りだから……あっという間に奥の執務室へと通されて。


「……僕はどう話せばいいの?」


 担当してくれたお姉さんが入れてくれた、美味しい紅茶を飲みながら……エリーちゃんと打ち合わせすることにした。


「まず。最初は君の素性は伏せておくけど……あの人は勘が良いから、君のパンの効果を知ればすぐに追求すると思う。ギルマスだから、真実を知りたいのもあるけど……単純に興味津々になると思うのよね」

「……良い方面で?」

「そう。んで、例の件が解決するとわかれば……絶対君をこの街から逃がさないと思うわ。あ、監禁とかじゃないから」

「……よくわかんないよ」

「姐さん説明下手でやんすか?」

「う。よく言われる……」


 なので、もう少し詳しく聞こうとしたんだけど。


「悪い、エリー。俺に会わせたい奴らがいるんだって?」


 早くも、ご本人の登場となったんです。


「……あ、はじめまして」

「お? 細っこいガキだな? こいつか?」


 ちょっと失礼な言い方だけど、エリーちゃんが言っていたように……赤い瞳には僕にもう興味を持っているって色がよくわかった。


「そうよ、ロイズさん。とんでもないお宝持ちの男」

「男? お前さんより歳下だろ?」

「残念ながら、タメ」

「は?」

「……ケント、と言います。こっちは相棒のカウルです」

「でやんす! ケン兄さんを悪く言わんでほしいでやんすよ!!」

「…………言葉話せる、スライムだとぉ!?」


 んでもって、カウルがプンスコなったらそっちにも興味が移っちゃった……。
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