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11-4.渇き(呪怨視点)
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何処だ。
何処だ、何処だ。
霊力がある人間どもよ。
我が腹の足しにもならないが。
あの万乗の女を喰らうには、力が必要だ。
喰らえ。
喰らえ。
喰らえ。
喰らって腹を満たして、霊力を取り込もう。
そして、天津神らに対抗するためにも。
喰らうが、喰らう。
すると、居た。
居た、居た。
旨そうな霊力を持っている人間。
番が居ようが居まいが関係ない。
この呪怨の糧となれ。
【喰らう……!】
さあさあ。
この呪怨の糧となるべく、散れ。
肉を魂を、我が糧となるべく寄越せ。
騒ごうが、喚こうが知らぬ、知らぬ。
命乞いをしたところで遅い。
【お前達は、我の『餌』だ】
餌が、呪怨に抵抗する意味がわからない。
そして、呪怨は騒がしくなった街中で次々と喰らい続けていく。
渇きを、飢えを満たすためにも。
そうして、いつのまにか辺りは血潮の川となり。呪怨はその血潮をすすっていた。
味はするが、霊力は大したものではなかった。狙っていたのは、騒ぎに紛れて何処かへと逃げて行ったから。
口惜しい、口惜しい。
あれを喰らえば、満たされたのに。
だが、必要以上に追いかけてはいけない。
何処にいるかわからない、天津神らに見つかっては元も子もない。
だから、探そう。
もっともっと、霊力がある人間を喰らうために。
呪怨は空を駆けた。
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