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第104話 行く意味

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 学校が始まる。

 前は学校の友だちと会えるから楽しみにしていたんだけど……学校が始まったら、おうちにいられない。

 だから、美濃みのさんといっしょにいられないの。それが、すっごく嫌。

 学校も大事なのは、しょーらいのためにひつよーだからわかってる。わかってるから、もんもんするのもしょーがない。


『ほほ。桜乃さくのは学校での学びが退屈のようじゃな?』

「……だって、さんすうとかこくごってむずかしいし」


 べんきょーはがんばってる。ドリルの宿題はおじいちゃんに聞きながら終わりかけだし、じゆーけんきゅーもあとちょっと。今日はじゆーけんきゅーに書くことをいろいろ美濃さんにおしえてもらっているの。

 こーぼをどう使うとか、いろいろなの。

 駿しゅんやなっちゃんはいないけど、みおちゃんはいっしょ。


「わかるー。義務教育の内容って、本当に役に立つかわかんないもんね? そう言っちゃうと大学も必要かどうかわかんないのもあるけど」

「? そうなの?」


 澪ちゃんは、おとーふ屋さんのためにべんきょーしてるって聞いたけど、それだけじゃないみたい。


「食品加工関係……えっと、桜乃ちゃんにもわかりやすく言うと、パン作りとかに必要なお勉強は学校もいいけど。実際にお店に修行に入ってから作り出す人もいるし、絶対学校に行く必要もないんだよね?」

「へー……」

「特に桜乃ちゃんは、おじいさんや美濃さんがいるから最高の環境よ」

『しかし、知識は偏っておるからなあ。それに必要な資格は学校に行って取得した方が実際楽じゃ』

「……そうですね」


 いいことを澪ちゃんが言ってくれたけど、美濃さんがすぐに注意してた。多分だけど、ここでべんきょーしてるだけじゃダメだって言ったのかな?

 学校行きたくないけど、行く理由はちゃんとあるんだって。だったら、もんもんしてたダメなのね!


「うん。学校がんばる!」

『その調子じゃ。さて、酵母によっては余分に温めて発酵させる必要がある。それで、今日はカレーパンを作ろうぞ』

「「はーい」」


 おじいちゃんいないけど、美濃さんと澪ちゃんがいるからあげパンも作れるんだー!!

 今日の生地はたまごを入れた黄色の生地で、ふんわり甘くできるんだって!! 楽しみ!!
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