必然ラヴァーズ

須藤慎弥

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 聖南の綺麗な指先が、二本も入ってるなんて信じられない。

 クチュ、クチュ、といやらしい音がするから聞いてられなくて、聖南とのキスを無理やりやめて耳を塞いだ。


「あ、離れやがったな」
「……だって……んっ……あっ……」


 一瞬感じてしまった毎回の寂しい気持ちも重なって、俺は枕に顔をこすりつけた。

 いじくられてるけど、痛みなんかない。

 聖南がトロトロにほぐしてくれてるから、指を出し入れされて掻き回されると自然と腰が揺れてしまう。


「葉璃のいいとこどこだったかなー。 ……そうそう、この辺だ……」
「あぁぁっ……! やっ……やめてっ……やめて、……!」
「ここだろ? いい? ここ好き?」


 背中に覆い被さってきた聖南は、俺の耳元でみんながメロメロなカッコイイ声でそう囁いた。

 ぐにゅ、とそこを押されるとついお尻を引いてしまうほどの快感が全身に走るのに、ぐりぐりって何回も刺激してくるから涙が出て来た。

 気持ち良すぎて、何も考えられない。

 おかしくなっちゃいそう……っ。


「ん? ……葉璃、泣いてない?」
「……あっ……も、そんな……っ……押さないでっ……やめ……! あぁぁん───っっ……」
「……かわいー……」


 いやいやと枕に顔を擦り付けてたのに早い動きでそこを擦られて、また、イっちゃった……。

 指先までビリビリする。

 全身が小刻みに震えてしまう。


「葉璃、舌」
「ん……っ」


 膝がプルプルして体を支え切れなくなってきて、俺は力無くベッドにうつ伏せになった。

 そんな俺の震える体を抱き締めてくれた聖南は、背後からキスをねだってきて朦朧としながら舌を出す。

 挿入された指は変わらずほぐそうと蠢いてるし、どっちにも意識を集中させなきゃだから大変だ。


「……今日もうまそー……♡ 葉璃、挿れてい?」
「……や、でもまだ……っ」


 握って咥えてみて知ったけど、聖南のはいつもあんなに大きいんだから、もう少し時間ちょうだいって振り向きざまに縋るように聖南を見た。

 よっぽど不安そうな顔してたみたいで、聖南が「安心しろ」と言うようにふっと微笑む。

 ぐちゅぐちゅと音を立てて穴をいじくりながら、だけど。


「三本でトロットロにしたから大丈夫。 心配なら両手使って二本ずつ拡げようか? アソコ見ながらやんなきゃだから、俺の顔跨いでもらわねぇと……」
「そ、そんなの無理……っ!!」
「だろ。 かわいーかわいー葉璃ちゃんにはまだ早いって。 シックスナインはもっと先でいいよ」


 聖南の顔を跨ぐって、先でいいよって、後にも先にも絶対にそんな事できない……!

 オロオロしてたら体を反転させられて、聖南が先端を押し当ててきた。

 ものすごい存在感が迫ってきている。


「んんんっっ……んっ……!」


 両腕で枕を掴んで喉を仰け反らせて、その質量から気を散らそうと無意味なの承知で瞳を瞑った。

 目の前から聖南が居なくなってしまったけど、一番大きな部分を挿入される時はどうしても力が入ってしまう。

 聖南が少しずつ入ってくる度に、ギチ、ギチ、とローションの擦れる音が響いてまた耳を覆いたくなった。


「はるー、目開けて。 そんな力入れて俺を遮断すんなよ。 俺の、ぜんぶやるから」
「…………っっ!!!」


 真っ暗闇の中での優しい声にうっとりしてたら、急にあの歌詞を持ち出されてドキッとした。

 聖南……ちゃんと受け止めてくれたんだ……!!


「あ、かわいー瞳みつけた」
「……むっ……ん、んっ、ふっ……ん……」


 嬉しくて目を開いたら、眼鏡聖南が満面の笑みで俺を見詰めていた。

 視線が合った瞬間、嵐のように口付けられる。

 聖南の舌が俺の舌を散々弄びつつも、じわじわと腰を押し進めてきてるのが分かってたまらなかった。

 唾液を飲んで、奪われて、を繰り返すうちに挿入される時の緊張はいつの間にか薄れていた。

 ゆっくり時間をかけて挿れてくれてるから、どんなに大きくて固くてもその感触はだんだん慣れてくる。

 いつもの聖南だ…って、逆に安心すら覚えるほどに。


「……葉璃。 俺達つながってるよ。 見て」
「……ん、あっ……」


 必死で聖南の舌を追ってたら、グッと最後まで押し込まれて背中がゾクゾクした。

 見て、って……無理だよ……。

 早くも朦朧としかけた俺を、聖南は抱き起こして足の間に座らせる。

 これお腹いっぱいになるやつだ───っ。


「……ぁぁぁあっ……やっ……これ深い……っ」


 体重がかかるせいで、内壁を容赦なく擦られるから抑えたくても大きな声を上げてしまった。

 聖南の首に掴まって息を整える。


「あー……さいこー。 ……葉璃、締めんなって」
「締めてなっ……! やっ……待って、うごかないで……っ」
「下見て。 つながってんの見えるだろ」
「んんっ……ぁんんっ……いや、見れな……っ、……恥ずかし……!」


 な、なんでそんなに見せたがるの。

 つながってるのなんか、お腹の中いっぱいに聖南の存在がある今、それは俺が一番実感してる。

 俺の腰を持って上下に揺さぶってくる眼鏡聖南は、いつもより理知的だからか無表情だとちょっと怖い。

 下を向くとそのつながった所が見えちゃうから、俺は少し見上げる位置にある綺麗な聖南の顔を見詰めた。

 するとそれは聖南も一緒だったみたいで、すぐに視線が交わった俺達は二人同時に唇を重ねた。

 抱き締めてくる力が強くなって、思わず中に居る聖南を締めてしまう。

 キスをしながら、聖南が苦しそうに片目を細めたその表情すらもドキドキを生んだ。

 聖南……ブレザー脱いでない。

 カッターシャツだけ前が開いてて、着痩せする筋肉質な胸元は触れるとほんのり汗ばんでる。

 スラックスも前だけしかはだけさせていないし、そんな状態で俺と聖南はつながっていた。

 聖南の言う通り、ほんとにいけない事してるみたい。

 恥ずかしいけど……なんて興奮するんだろう。



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