元構造解析研究者の異世界冒険譚

犬社護

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《シャーロットが帝王となった場合のifルート》第2部 8歳〜アストレカ大陸編【ガーランド法王国

間章−2 アッシュの選択

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○○○ アッシュ視点

やった、僕の求めている場所を見つけたぞ!

「こちらがお部屋203号室の鍵となります。朝食は7~9時、昼食は11~13時、夕食は17時~20時までとなっております。外は内乱で色々と混乱していますが、宿内では何も起こりませんので、ごゆっくりとお寛ぎくださいませ。」

僕と同年代くらいの可愛らしい獣人の女の子が、笑顔で話しかけてくれる。なんか、凄く癒される。魔鬼族の大人達は、なんでこんな可愛い種族を奴隷にするのか、僕には理解できそうにない。

「あ…ありがとうございます」

獣人の可愛い女性と話したことがないから、妙に緊張する。とりあえず、2階に上がって部屋に入ろう。

「へえ~ジストニス王国の王都の宿屋とそう変わらない。ここでなら、4日間ゆっくりと休めそうだ」

ここは2階だから、窓から誰かに見られることもない。部屋の入口となるドアも鍵を閉めておいたから、さっきの女の子がここに来る場合、必ずノックをするだろう。うん、僕にとって、ハズレメダルを試す絶好の場所だ。ヘキサゴンメダルの魔力は、ベッドの横に置かれている小さな引き出し収納から感じる。

「よし、確認するぞ!」

まず、間違いなくハズレメダルだろう。
どんな仕掛けが待ち受けているのだろうか?

僕は、引き出しの取っ手に手をかけ、そっと引くと……

「え、なんだこれ?」

引き出しの中にあったものは、カクさんから見せてもらったヘキサゴンメダルではなかった。でも、一応六角形の形をしているのだけど、中央にはシャーロットの顔が刻まれていた。これが仕掛けなのか? こんな程度で、挑戦者達は怒らないぞ? とりあえず、貰っておこう。

「けっけっけ、ざ~んねん、これはハズレのシャーロットメダルだよ。けっけっけ、ざ~んねん、これはハズレのシャーロットメダルだよ」

「メダルがシャーロットの声で喋った!?」

メダル中央にあるシャーロットの口が、パクパクと動いている。
なんか気持ち悪いぞ!

「アッシュさん、獣人の可愛い女の子にデ~レデレ、リリヤさんに言いつけちゃお~っと!アッシュさん、獣人の可愛い女の子にデ~レデレ、リリヤさんに言いつけちゃお~っと!」

は、なんだって!?

「や……」
『ふざけるな~~~シャーロットちゃんは、こんなこと言わね~~~~!!』

え!? 誰かが、すぐ近くでシャーロットのことを叫んだぞ!

そういえば、このすぐ近くにも、もう1件宿屋があった。あの宿屋にも、メダルの反応が2階の部屋にあったけど、既にお客さんが入っていたんだ。僕と同じ挑戦者の人だろう。

ここまで聞こえる程の大声だから、多分何か碌でもないことを言われたに違いない。このクックイスクイズにおいて、シャーロットは挑戦者達の前では、大きなやらかしを殆どしていない。むしろ簡易温泉施設の建設方法を教えたりと、慈善活動に重視していたから、僕達仲間以外からは、癒しキャラとして聖女のような扱いを受けていた。だから、さっきの挑戦者は、こんな人のことを小馬鹿にするような発言に怒ったんだ。シャーロットに怒ったというよりも、『こんなことに俺達の癒しキャラでもある彼女を使うな!』という精霊達への怒りだろう。

「ざ~んねん、もうリリヤさんに言いつけちゃった。ざ~んねん、もうリリヤさんに言いつけちゃった。リリヤさん、カ~ンカン、リリヤさん、カ~ンカン」

今なんて言った!?

「お馬鹿なアッシュさん、リリヤさんは鞭を持って、あなたの帰りを待ってま~~す。お馬鹿なアッシュさん、リリヤさんは鞭を持って、あなたの帰りを待ってま~~す」

「なんだって~~~~~!!!」

なんなんだ、このシャーロットメダルは!?
シャーロットの声で、僕の心を読んでいるのか!?

「お客様、お客様、どうされましたか!?」

あ、やばい! 僕の声が大きかったせいか、さっきの獣人の女の子が、入口のドアをドンドンと叩いている。

「あ、いえ、なんでもありません。マジックバッグの中身を整理をしていたら、おかしな手紙が入っていて、つい叫んでしまったんです」

「そうなんですか? 他のお客様のご迷惑にもなりますから、大声を出さないでくださいね」

「はい、申し訳ありません」

ふう~、あの子が1階に下りていったか。シャーロットメダルが、何も言わなくなった。多分、30秒経過したからだ。

挑戦者を怒らせる言葉を、30秒間言い続けるお仕置きか。しかも、起こった出来事を正確に言い当ててくるし、僕の心も読んでくるから、つい叫んでしまった。

さすがに、リリヤには言いつけていないよな? ここからハーモニック大陸まで、通信できるわけがない。でも、シャーロットなら……

「て、いけないいけない。カクさんの術中に嵌るところだった。シャーロットは、この大陸……の何処かにいるんだから、カムイのように精霊に協力してるかもしれない。うん、大丈夫大丈夫。これは、決して浮気とかではない。ちょっと可愛いな~癒されるな~と思っていただけなんだ」

なんか思考が、泥沼に入っていくぞ。トキワさんは、スミレさんのことで何か言われているはずだけど大丈夫かな?

とにかく部屋を出て、気分を一新させよう。1階に下りると、さっきの獣人の女の子が食事場所でもある小さな食堂を掃除していた。僕は騒がせたことを謝罪してから、外に出た。

「とりあえず、さっき感じ取った道具屋の方に行ってみるか」

5分程で店に到着して中に入ってみたけど、今度のメダルは……棚に置かれている小さな魔導具の横に、堂々と置かれていた。見た感じは、本物のヘキサゴンメダルだ。けど、どう見ても怪しすぎる。これは幻で、メダルを手にした瞬間、シャーロットメダルに切り替わり、何か暴言を言われそうな気がする。でも、本物の可能性もある。

こういったメダル捜索作業を4日間も延々と繰り返すのか。店内にいる客は僕だけだし、これならハズレであっても大丈夫かな。僕がメダルを入手しようと手を伸ばした瞬間…突然入口の扉がバアアァァーーーンと乱暴に開いた。

「ハアハアハアハアハア」

あぶね~~~! もう少しで、メダルに触れるところだった!
店に乱入してきたのは、12歳くらいの……え!?
魔鬼族の女の子じゃないか!? 
僕達以外にも、魔鬼族がいたのか!

髪が短く、何処か気の強そうな顔付きだけど、可愛い女の子だ。息もかなり乱れている。アストレカ大陸では、魔人族はいないとされているから、何か事情がありそうだ。ここで、彼女を見捨てるわけにはいかない。

「幻夢」

よし、彼女のツノが消えた。僕が声をかけようと思ったら、今度は1人の警備兵達が道具屋に乗り込んできた。この男性警備兵も獣人か。ガーランド法王国は、獣人によって統治されているとみて間違いないだろう。

「小娘、曲がり角を利用して俺を巻こうと思わないことだ!」
「いや、離して!?」

こいつ、女の子の髪を鷲掴みに!? 随分、乱暴な警備兵だな! アストレカ大陸では、魔人族全体が忌み嫌われているとシャーロットから聞いてはいたけど、ここまでとは。

「お取り込み中、すいません。その女の子が何かしたんですか?」

「小僧、この子は魔人族だ! どうやってこの国に入り込んだのかしらんが、魔人族である以上、即奴隷行きだ!」

斬り殺されないだけマシだけど、その扱いはないだろう!
店主でもある獣人の男性も、僕達のところにやって来た。

「おいおい警備兵、うちの店で暴れないでくれ。そもそも、この女の子は人間だぞ」
「あ、何言って……え…ツノが…ない?」

警備兵が女の子を見て、呆然としている。頼むから、彼女自身も警備兵も額周辺を触らないでくれよ。幻夢でツノを見えないよう誤魔化しているだけなんだ。僕も、何か言っておいた方がいい。

「この子は、人間ですよ。内乱で緊張しているのもわかりますけど、見間違えて人間の子供を追いかけ回す行為は、警備兵の評判を落としかねませんよ」

「う…確かにツノが…」

この子、テレパスを使えるかな? 一か八か、試してみるか。

『君、テレパスを使える?』
『え? この声は?』

『隣にいる僕だよ。僕は君と同じ魔鬼族だ。今は、魔導具で人間に変異している。魔法【幻夢】で、君のツノを一時的に消した。ただし、ツノ自体は君の額にあるから、絶対に触っちゃダメだ。とりあえず、ここは君が人間ということにして、話を進めていこう』

『…わかったわ。あなたを信じる』
ほ、素直に従ってくれて良かった。

「私は人間よ! どうして追いかけて来たの?」
「そりゃあ、お前が逃げたからだよ!」

この子、結構気が強いな。

「なあ警備兵の坊主、そこの子供の言う通りだ。これ以上、この女の子を追い回すな。お前さんが急にこの子を捕まえようとしたから、この子自身も怖がって逃げんたんだろうよ」

店主の獣人さんが、僕達の意見を擁護してくれている。さすがの警備兵も、無理に彼女を捕まえないだろう。

「おっかしいな~? 確かに、ツノが生えていたんだが? えっと…すまん…追いかけて悪かった。店主も騒がせてすまなかった」

警備兵の獣人は、女の子と店主に謝罪してから店を出て行った。

「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「災難だったな、嬢ちゃん。内乱のこともあって、警備連中もかなりピリピリしている。落ち着くまで、あまり外をうろつくな」

「はい」

王都全体が、奇妙な緊張感に覆われているのか。

「良かったら、僕が家まで送るよ。また、追いかけられるかもしれないからね」
「ははは、そうしてもらえ」

彼女が僕と店主にお礼を言ってから出て行くと、僕もすぐに店を出た。すると、店のすぐ横で、女の子はいた。

「あの……さっきはありがとう。あなたも同胞なの?」

「うん、その魔法の効果時間は短いから、とりあえず人通りの少ない場所に行こう。僕はここに来たばかりで、土地勘がない。案内してもらえないかな?」

「わかったわ。こっちよ、ついてきて」

道具屋のヘキサゴンメダルは、後回しでいいかな。店主とも話せたし、次の来店では気を使わず、メダルを取れそうだ。

路地裏に案内されたのはいいけど、それでも獣人達がチラホラいるな。何処まで行くのだろうか?

「ここは空家よ。誰もいないから入って」
「わかった」

家の中に入ると、家具とかが一切なく、一目で空家なのがわかる。

「路地裏でも、私の仲間や本物の獣人達もいるから、迂闊に話せないのよ。ここまできたら、誰もいないし遠慮なく話せるわ」

彼女の言う通り、周囲から人の気配を感じない。ここでなら正体を明かしても問題なさそうだ。魔導具の指輪を外して、まずは彼女からの信頼を得よう。

「あ、本当に魔鬼族なんだ。ツノを触っていいかな?」
「ああ、いいよ」

「……本物だ。よかった~。これで人間だったら、あなたの心臓にコイツを埋め込むところだったわ」

僕に話しかけながら、ベルトに固定されている短剣を躊躇なく、僕の心臓付近に突きつけてきた!? 完全に意表を突かれた! もし僕が人間だったら、間違いなくここで……! この地に住む魔人族達は、子供でも容赦なく、4種族を殺す覚悟を持っているのか。

とにかく、彼女が僕のツノに触れたことで、彼女の緊張感が解れたようだ。これで、こちらの魔人族とも関わることができる。

「どうして変異もせず、街をうろついていたの?」
僕が尋ねると、彼女は痛いことを突かれたせいか、すぐに口を尖らせた。

「買い物しようと表通りを歩いていたら…【変異の指輪】が壊れたのよ」

そうか、指輪に付けられている魔石の耐久度が無くなったんだ。魔導具に付けられている魔石には、耐久度が存在する。魔石のランクが高ければ高いほど、耐久度も高くなる。この耐久度に関しては、魔導具を装備した時点で、装備者のステータスに数字として表示される。これが0になると、魔石が割れてしまい、魔導具としての効果を消失してしまう。

「管理ミスだね。その様子だと、替えの指輪もなさそうだ。危険だから、君の家まで送るよ。それまでは、僕の魔法で誤魔化そう」

僕の場合、以前シャーロットが製作した【幻夢の指輪】を持っているのだけど、これを渡すわけにはいかない。なにせ、耐久度が999となっているから、渡した時点で何か突っ込まれることは明白だ。

「……悪いわね。そうしてくれると助かるわ。私は、マデリンよ」
「僕はアッシュ。仲間や精霊様と共に、ハーモニック大陸から来た」

先に、こちらの事情を説明して、信頼度を上げておこう。僕は、仲間と共にハーモニック大陸にあるクックイス遺跡のイベントで、クックイスクイズに参加していることを明かした。そして、精霊様の転移魔法により、一時的にアストレカ大陸にいることや、この王都で行われているイベント【ヘキサゴンメダルを探せ】についても説明しておいた。

「ヘキサゴンメダルの捜索…ね。精霊が関わっているのなら、アッシュの話も信じられるけど、一応200年前の戦争について、あなたの知っていることを話して」

いきなり信じろというのも無理な話か。
ハーモニック大陸側で伝わっていることを全て話そう。

まず、こちらの4種族が大陸間の貿易を築こうという名目で、魔鬼族の統治するルドウィーク王国に上陸してきたこと、獣人の裏切りでルドウィーク王国が滅亡、隣国のジストニス王国が壊滅的被害を受けたことを詳細に話した。そして現在のジストニス王国において、4種族達の扱いは奴隷扱いとなっているものの、現女王であるクロイス様が差別撤廃を訴え、近い将来、4種族の扱いを他国同様、魔人族と同じ扱いにすることを話した。すると、彼女知る真実と概ね同じであったことから、僕のことを信用してくれたのだけど……

「差別撤廃ですって!? 甘いわ! アストレカ大陸、特にガーランド法王国の連中は、未だに私達を奴隷扱いしている。おまけに歴史を改竄して、魔人族がこの大陸に攻め込んだことにしているのよ!」

歴史を改竄したのは、ガーランド法王国、つまり獣人連中が実行したことなのか! シャーロットは、この事実を知らないはずだ。

「歴史を改竄、魔人族への忌避感か。そのことについては、聖女シャーロットから聞いているよ」
「へ、聖女シャーロット? なんで、そこにシャーロット様が出てくるの?」

そうか、シャーロットが帰還して、まだ間もない。情報が、ここまで伝わっていないのか。

「聖女シャーロットはイザベルの所為で、ハーモニック大陸ジストニス王国へ転移されたんだ」
「なんですって!?」

「僕はジストニス王国の王都ムーンベルトで、彼女と知り合った。その彼女は、このクックイスクイズを利用して、もうエルディア王国へと帰還している。彼女は、魔人族に対して忌避感を持っていなかった。それに、シャーロットがジストニス王国を救ったこともあって、クロイス女王はこれを機に、差別撤廃に動いたのさ」

まだマデリンの情報も少ないし、転移魔法で帰還したことは、黙っておこう。

「シャーロット様が帰還した? 私達への差別意識も持っていない?」
戸惑うのも無理ないけど、情報もすぐ伝わってくるだろう。

「僕は、真実しか言っていないよ。君達がエルディア王国に行き、シャーロットに会えば、少なくともガーランド法王国のような扱いを受けない。まさかとは思うけど、この内乱って、君達が実行しているのかな?」

僕はシャーロットから、【ガーランド法王国が、ヒール系魔法を隠匿していた】ことを聞いている。それがバレてしまった所為で、国内でも大混乱が起こり、内乱が発生した。むしろ、【魔人族達がこの内乱を誘発させたのでは?】と考えるのが自然だ。

「私も、詳しく知らない。長はこの内乱を利用して、ガーランド法王国だけは必ず滅ぼすと言っていた。まずは、私達の悲願の1つを叶えると言ってくれたわ」

「君達の悲願?」

「私達……アストレカ大陸に住む魔人族達の願いは2つある。1つ目は、ガーランド法王国を滅ぼすこと、2つ目が故郷でもあるハーモニック大陸に帰ることよ」

聞いた瞬間、僕の身体に戦慄が走った。やばい、シャーロットの力を借りれば、どっちの願いも叶うぞ!? しかも、ガーランド法王国の滅亡だけなら、王都にいるトキワさんの力を借りれば、絶対確実に叶うじゃないか! 

でも、何故ガーランド法王国だけを滅ぼすことに拘るのだろうか?

【歴史を改竄した】、【魔人族を奴隷扱いしている】、これだけでこの国の獣人達が悪いのは明白なんだけど、滅ぼすのではなく、何らかの方法で王族達を懲らしめ、王族達自らが他国に対し、自国の隠匿している大罪を明かさせた方が、復讐として成り立たないか?

「ガーランド法王国以外は?」

「ここから遥か南西にあるミルバベスタ皇国も、私達を奴隷扱いしているらしいの。だから、長はそこも壊滅的被害を与えるとは言っていたけど、それ以外の国に関しては恨みもないから、どうでもいいと言っていたわ」

よかった~~。ここの魔人族達が、下手にエルディア王国に手を出せば、シャーロットが黙っていない。彼女は自分の仲間が傷ついた場合、相手が誰であろうとも、容赦なく心を折る。

「既に内乱が起こっていることを考慮すると、近日中にでも、この王都で何かが起こるかもしれないのか」

カクさんは、どうしてこんな危険地帯をチェックポイントに選んだんだ? ナルカトナ遺跡の土精霊様が、シャーロットにお仕置きされたことを知っているはずだ。シャーロットは自分や仲間達に理不尽なことをされたら、相手が誰であろうとも問答無用でお仕置きする。

……これは何かある。

カクさんには何か目的があって、ここをチェックポイントに選んだんだ。おそらく、この4日間のうちに、何か大きな事件が発生する。その事件に僕達を関わらせようとしているのか、それとも事件が起こっても、ヘキサゴンメダルを捜索させようとしているのか、彼の真意はわからないけど、僕はどう行動する?

「仲間に知らせるの?」

あ、黙っていたからか、僕が悩んでいるように思えたのか。

「無理だ。僕以外に9名の仲間がいるけど、全員が王都内で単独行動しているから、連絡を取りようがない。それに、クックイスクイズのことしか考えていないだろうから、何か大きな騒動が起こっても、それを利用してメダル捜索にあたると思う」

マデリン達にトキワさんの存在を知らせるか? いや、そんなことしたら、本当に国が滅びるかもしれない。魔人族によって、1国が滅んだら、周辺諸国も黙っていない。彼を動かせば、彼の動き次第だけど、最悪シャーロットも動く。そんな事になったら、シャーロットはフランジュ帝国だけでなく、この国の王になる可能性もありうる。

それなら、このまま何も手出しせず、ヘキサゴンメダルの捜索に集中するか?

どの選択肢が、最善なんだ?

1) マデリンに、キーパーソンとなるトキワさんの存在を知らせる
2) 簡易型通信機でトキワさんだけに、魔人族の存在を知らせ判断を仰ぐ
3) 全てを無視して、ヘキサゴンメダルの捜索に集中する

どうしてだろう?
僕の選択次第で、未来が大きく変化すると思えてならない。
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