【完結】高級男娼の俺を一週間買った男は不能でした

華抹茶

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「ミリオ、今日から一週間頼んだぞ。倍額払ってもらってるんだ。お前の事だから大丈夫だと思うが、くれぐれも返金扱いになるなよ」

「俺を誰だと思ってんだ。上手くやるよ」

 そして夜。店の開店と同時にその客はやってきた。フードを深くかぶり顔は全く見えない。だがかなりの背丈に鍛え上げられた分厚い体躯であろうことはフードの上からでも伺える。

 もしかして騎士か? いい体してそうだな。これは俺も楽しめそうかな。

「旦那様、ようこそお越しくださいました。本日より一週間お相手を務めさせていただきますイルミリオと申します。どうぞよしなに」

「…あ、ああ、今日から世話になる。それと……」

「? なんでございましょう? 何なりとお申し付けくださいませ」

 デカい体のくせして何をもじもじしてんだ? はっきりスパッと言えばいいのに。

「あー…その…旦那様、ではなく名前を呼んで、もらえないか?」

「あ…かしこまりました。構いませんよ。それでお名前はなんとおっしゃるんです?」

「テオド…ごほっ…テオ。テオだ。そう呼んでくれ」

「テオ様でございますね。かしこまりました。私の事はお好きにお呼びください。…ではフードをお預かりいたします」

 そっと近づき深くかぶっているフードを脱がす。そこから出てきた顔に目を見張った。

 少し浅黒い肌に切れ長の金の目。
 漆黒の艶やかな髪。
 すっと伸びた高い鼻。
 薄いながらも色気のある口元。

 恐ろしく整った顔立ちだ。ここまでの美形は初めて見た。そして声は低く、落ち着きと深みのあるとてつもなく良い声。お耳が幸せだ。

「…どうした?」

「っあ、いえ。…あまりの美貌に見惚れておりました。不躾に眺めてしまい申し訳ございません」

 俺としたことが…。初めて見る美貌にぼーっとするなんて。だが、当たりだ。どんな奴と一週間過ごすのか不安だったけど、こんないい男なら願ったり叶ったりだ。醜い豚野郎じゃなくてラッキーだな。

「お食事はお済ですか? それとも先にご入浴いたしますか?」

「…そうだな。では先に食事をしよう。話をしながら」

「かしこまりました」

 ベルで小間使いを呼び食事の用意をさせる。テーブルの上には俺だって普段は食べられない高級料理が並べられた。やったぜ。一週間はこんな料理が食えるのか。

 用意が出来て揃って食べる。…さすがは貴族。食べ方が綺麗だ。俺だってテーブルマナーは仕込まれたけどテオ様に比べたらまだまだだな。

「…ふむ。イルミリオは所作が綺麗だな。しっかりと学んできたことが伺える」

「え? いえ、私などまだまだです。テオ様の美しさに比べたら…。正直お恥ずかしいです」

 所作が綺麗だと言われても、男娼としてみれば、だろう。それなりに厳しく躾られたし見ていても不快ではないはずだ。だけど上には上がいるんだと今日思い知った。

「謙遜しなくてもいい。貴族社会の中に入っても十分通じるレベルだ。…頑張ったんだな」

 『頑張ったんだな』って。その言葉を聞いて、心臓が一瞬きゅっとなった感じがした。ここを褒められたのなんて初めてだ。だってここに来る客はみんな、『俺は出来て当たり前』だという認識だから。

 食事も終わりお茶を淹れる。そっとカップをテオ様の前へ差し出した。

「茶も淹れられるのか。……ふむ、いい香りだ。美味い」

 ふと目を細めて優しい笑みを零していた。

「あ、ありがとうございます」

 やべ…。テオ様の微笑みが凄い。…俺も自分の容姿には自信があったけど、テオ様の前じゃ月とスッポンだな。スッポンなんて見た事ないけど。

「ところで一週間も私を買った理由をお伺いしても?」

「……まずは風呂にしよう」

「あ、はい。では直ぐに準備いたします」

 俺は浴室に行き風呂の準備を始めた。といっても湯を張って花を散りばめるだけだが。それ以外の準備は既に終えている。

 にしても。俺を買った理由を聞いたら思いっきりはぐらかされたぞ。言えないようなやばい理由なのか? ま、下手に聞いて機嫌を損ねても嫌だしな。俺は既に買われた身。俺のやることはテオ様に満足してもらう事だけだ。そう思って深く考えることを止めた。

 
「お待たせいたしました。どうぞこちらに」

 2人して浴室へ。俺はテオ様の服を脱がせる。うおっ。筋肉でがっちりしてて想像以上にいい体だ。それに下に付いてるモノもかなりご立派だ。通常時でコレだぞ。おっきくなったらさぞかし…。おっといかんいかん。そんな事より先にテオ様のお世話をしなければ。

 急いで俺も服を脱ぎ、浴室内へと歩みを進める。
 テオ様には長椅子に座ってもらい、ゆっくりと湯をかけていく。「熱くないですか?」と聞けば「ちょうどいい」と気持ちよさそうだ。そしてそのまま髪を洗い、軽く頭皮マッサージ。おや。テオ様ちょっと頭皮が固め。これならかなり気持ちよく感じてもらえるだろう。

 髪を洗い終われば体を洗う。泡を十分に泡立たせ、丁寧に優しくしっかりと隅々まで洗っていく。いつものようにペニスに手を伸ばして丁寧に洗っていく。そしてここで気持ち良くなってもらうためにしこしこと扱くのだが。

「イ、イルミリオっ…。そこは、それでいい。十分だ」

「あ、はい。かしこまりました。では泡を洗い流しますね」

 洗い終えたらテオ様は湯舟へ体を沈めた。その間に俺もさっさと体を洗う。そしてテオ様の隣へと移動。

「テオ様、申し訳ございません。先ほどはあまり気持ちよくありませんでしたか?」

 本来ならそこでしゃぶったり、俺の体を擦り付けて洗ったりいろいろするんだがそこまでいかずに終わってしまった。こんなことは初めてだ。それなりにテクニックにも自信があったからちょっと不安だ。気持ち良くなかったのかな。

「いや…。そうではない……」

 と言ったっきり黙ってしまった。困惑した表情を浮かべている。気持ち良くないわけじゃないけど、何か理由がある。だけど教えてくれない。

 なんなんだよもう。ま、ベッドへ行けばわかるか。

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