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第十二章
『魔族の島』
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大陸側の総決算を行えば、いよいよ魔族の島を攻略する段階になる。
グズグズしてるとイル・カナンが戦力にもならない戦力を送って来て、『俺たちも魔族を倒す名誉に参加させろ』とか『いや、主導した俺たちこそがこの名誉を受け取るに相応しい』とか言いかねないのだが、そういう訳にもいかない。中間報告を兼ねて各方面の功績や、問題を起こした者への罰則が必要だからだ。
あまり言いたくない事だが、不祥事が山盛りなのでこれを始末しないと次には進めない。
「まずはこの壮挙を成し遂げた皆の成功を祝おうではないか。各方面軍の報告ならびに、調整を行ったゴルビー伯の主導と裁可を認める。ゴルビー伯への報酬は、この件を持って済ませる」
「ありがとうございます。総司令官」
ヨセフ伯の第一声は宴会での祝辞で、理由としては正しく罰せられない。
これだけの浪費を行うなら前もって皆に通達するとか、壮行会とかやれば良いのだが、彼とその派閥が数日に渡って愉しんでた宴会を認める口実にさせられてしまった。ついでに俺が主導して成功させた作戦も、追認を持って終了言う……一見して不思議な采配である。
ただ、賄賂や派閥人事が横行していた中世では『お前のやったマイナス込みで功績だと認めてやるよ』という事になるので褒賞扱いなのだろう。
「総司令官の裁可を受けましたので、以前に私が送って置いた賞罰を基本的にはそのまま採用します。適用が後日になるものもありますが、それは今後の活躍を期待しての物だと……」
「馬鹿な! なぜ私が処罰されねばならんのだ!」
「……極刑で無いだけありがたいと思ってください」
「ありえん! 私は名門だぞ! それにお前の役にも立ってやっただろう!」
不祥事を起こした者は複数居るが極刑は珍しい。
たいていは開闢以来の功臣であるとか、昔から良くある慣例であるとか、功績と相殺することでちょっとした罰則で済まされてしまうからだ。判り易い例で先陣争いで味方の足を引っ張とかがよくある例である。他にも兵糧など物資の一部をちょろまかして勝手に売買するとか、領地に送ってしまうのも良くある話で、中世では領主が物資輸送を下請けした扱いになる事が多いので、御駄賃として多少チョロまかすのはよくある事なのだ(下請けが数回に渡った挙句、半減とか三分の一になっても困るが)。
マジックアイテムをちょろまかした奴がそれなりの罪なのに対し、この人物はかなり酷い。
「最新鋭で機密扱いのオロシア級三胴艦はイル・カナン海軍も所持していませんし、何処の国も領主も突き止めて居ませんよ。それをイル・カナンの貴族に自慢して詳細な所まで見せるなどあり得ません。想像だけなら二十年、金を費やして縮めて十年はあったはずの優位を、『こんな機能があった』と言う報告があれば十年から五年に縮まってしまうでしょうね。オロシャ優位の十年が消し飛んだわけです」
「が、外交上の事は一概には言えぬ! 国家の友好を取り持ったのだぞ!」
「旧イラ・カナンでオロシャ軍が使い潰されようとした事実をご存じないと?」
「「……」」
イル・カナンの使節を接待するのは良いのだが、機密を見せられても困る。
おだてられて自慢がしたかったのか、それとも裏で金を積まれて見せたのかは分からない。だが、彼がやったのはイル・カナン海軍が政府と話を付けてスパイを送り込み、数年かけて秘密を探り出す労力をこちらから渡してやっただけである。国家に永遠の友好などありえないし、実際にイル・カナン国は他人の褌で相撲を取り、まんまと領地を増やす行為をを平然とやっている。その癖にこちらには領地を切り取らせないし、時間稼ぎをして不快にさせているのだ。
そんな奴らを利して、自分はお前の代わりに友好関係を築いてやったとか、他の貴族が認める筈もなかった。
「もう良い。ワシはゴルビー伯に裁可を出して居る。それに……今後に期待して、賞罰を相殺してやるのだろう? 命懸けて領地と家門を守れば良いではないか。なんなら今その首を差し出すなら、お前の家には何も無いとワシが保証してやっても良い」
「なっ……ヨセフ伯。それはあまりにも……」
「酒がまずくなる。連れていけ」
「「はっ!!」」
中世のコンプライアンスなんてこんな物でしかない。
だが、そこで注意喚起をしておかないと、魔族を倒した後の話で困るのだ。イル・カナンは無能な味方ではなく、潜在的な敵として行動しているし、こちらに付いている国家もいつ敵にあるか判らない。パワーバランスでこちらが上で、同じ大国でもイル・カナンよりも友好的な姿勢をとっているから協力してくれているだけなのだ。
とりあえず、罰則その他に関してはここまでで終了としよう。
「茶番は此処までだ。本題に移れ」
「はい。現段階で投入戦力の半分が集結しつつあり、現地で後衛以外の全軍が集結します。現地の情報は一番近い島から見える範囲と、水棲種族経由で購入した情報が幾らか。それと過去の交易や協力要請の話から手前が湿原であり、島の何処かに火山ないし鉱山があると判って居ます」
表現的に微妙だが、ここでは投入戦力と称する。
全軍を連れて行くわけでもないし、船の問題でそんな余裕はない。基本的には精鋭部隊主体で、有力諸侯が対面もあって連れて行く歩兵が大半だ。その殆どが諸島群に集まっており、筏型であり雲梯にもなるゴーレム船三隻と大小の三胴艦で上陸することになる。残念ながら海洋船は移動力の問題で、大陸側の締めに必要だった精鋭部隊を後から連れて行く役目である。
この時点で勇者軍の三分の一の規模で、戦闘力としては十分の一。主に勇者たちが居ない事が、総合的な戦闘力を下げている(だから魔将が居るとヤバイ)。
「湿原か。通常ならば面倒だな、特に中洲の城で守られると」
「はい。筏型ゴーレムは雲梯にもなりますので、その辺りは無力化できます。リザードマンと蛙や鰐型の魔物レベルの集団ならばそう苦労はしないでしょう」
筏型ゴーレムは百足列車の発展形なので、勝手に歩く。
あまり人数は乗せられないが、適正人数なら戦場ごと移動できるので、湿地だと土台に向こうから上がって来るところを迎え討てるのだ。その上で雲梯として城壁に寄り掛かれるので、基本的には湿原地帯での戦闘には困らない。よって、現段階で見えている困難はないと言えるだろう。
むしろ潜在的な問題としては、これまでは雑魚しかなかった魔物のレベルが上がる事である。
「リザードマンはゴブリンより一回り二回り強いですが、所詮は敗者です」
「追い立てられ中央部から辺境に、更に島からも追い出された存在です」
「オーガやトロルと戦えて普通、雑魚専門でもゴブリンの集落を壊滅できる」
「そのくらいの能力を持っていると見るべきでしょう。もちろん、不利と成れば逃げ出して洞穴や森の中に隠れる程には名誉に固執することはありません。戦いそのものが厄介、掃討戦も厄介と見えるべきでしょう」
この段階で『話が違う』とか言うアホどもは放置しておこう。
魔族の島に渡るのだからそのくらいは当然見ておくべきだ。もちろんそんな奴らが沢山いるわけではないだろうが、主力としてメイン火力に位置していると見えるべきだろう。後は本来ならば数にも入れられない有象無象共が、かつての住人たちの代わりに敗者復活戦をしてくる可能性はある。例えばこの間出会ったスライムもどきのように。
もちろん戦争だから被害が出るのは当然で、想定していなかったアホどもが馬鹿なだけである。
「対策はあるのだろうな?」
「まずはストーンゴーレムを囮にジュガス2やソブレメンヌイを相性に合わせて投入します。それで情報がハッキリしたところで、諸侯の抱える騎士たちに魔法の品を戦う事になるでしょう。危険は命の無いゴーレムが負うべきなのですから。当然ながら洞窟や林などの危険に合わせるのもゴーレムの仕事です」
当たり前ながらこれまでの戦術が変わるはずもない。
戦闘用のストーンゴーレムを出せば楽勝だったものが、いつ破壊されておかしくないレベルに戦況が悪化するだけの話である。各方面軍に持たせたマジックアイテムはこの日の為であり、各地での掃討戦で使うべきではなかったと言える。もし玩具を使うつもりであそんだのであればそいつの程度が知れると同時に、信じて送り出した俺が馬鹿なだけであろう。
ともあれ、基本戦術に変わりない事は諸侯を安心させた。
「ここから先、重要なのは情報です。魔族も先ほど述べた一人前は希少になっているでしょう。相手の能力を持ち帰り、どんな厄介だったのかという情報には功績と呼ぶべき価値があります。逆に優位だからと言って、本部の制止も聞かずに突撃する様な連中は痛い目に合うでしょうね」
「よろしい。では魔族の島を攻めるとしようではないか」
こうして最終作戦が発動された。
諸侯が望むにしろ望まないにしろ、ここからは戦死ありきのちゃんとした戦争である。
大陸側の総決算を行えば、いよいよ魔族の島を攻略する段階になる。
グズグズしてるとイル・カナンが戦力にもならない戦力を送って来て、『俺たちも魔族を倒す名誉に参加させろ』とか『いや、主導した俺たちこそがこの名誉を受け取るに相応しい』とか言いかねないのだが、そういう訳にもいかない。中間報告を兼ねて各方面の功績や、問題を起こした者への罰則が必要だからだ。
あまり言いたくない事だが、不祥事が山盛りなのでこれを始末しないと次には進めない。
「まずはこの壮挙を成し遂げた皆の成功を祝おうではないか。各方面軍の報告ならびに、調整を行ったゴルビー伯の主導と裁可を認める。ゴルビー伯への報酬は、この件を持って済ませる」
「ありがとうございます。総司令官」
ヨセフ伯の第一声は宴会での祝辞で、理由としては正しく罰せられない。
これだけの浪費を行うなら前もって皆に通達するとか、壮行会とかやれば良いのだが、彼とその派閥が数日に渡って愉しんでた宴会を認める口実にさせられてしまった。ついでに俺が主導して成功させた作戦も、追認を持って終了言う……一見して不思議な采配である。
ただ、賄賂や派閥人事が横行していた中世では『お前のやったマイナス込みで功績だと認めてやるよ』という事になるので褒賞扱いなのだろう。
「総司令官の裁可を受けましたので、以前に私が送って置いた賞罰を基本的にはそのまま採用します。適用が後日になるものもありますが、それは今後の活躍を期待しての物だと……」
「馬鹿な! なぜ私が処罰されねばならんのだ!」
「……極刑で無いだけありがたいと思ってください」
「ありえん! 私は名門だぞ! それにお前の役にも立ってやっただろう!」
不祥事を起こした者は複数居るが極刑は珍しい。
たいていは開闢以来の功臣であるとか、昔から良くある慣例であるとか、功績と相殺することでちょっとした罰則で済まされてしまうからだ。判り易い例で先陣争いで味方の足を引っ張とかがよくある例である。他にも兵糧など物資の一部をちょろまかして勝手に売買するとか、領地に送ってしまうのも良くある話で、中世では領主が物資輸送を下請けした扱いになる事が多いので、御駄賃として多少チョロまかすのはよくある事なのだ(下請けが数回に渡った挙句、半減とか三分の一になっても困るが)。
マジックアイテムをちょろまかした奴がそれなりの罪なのに対し、この人物はかなり酷い。
「最新鋭で機密扱いのオロシア級三胴艦はイル・カナン海軍も所持していませんし、何処の国も領主も突き止めて居ませんよ。それをイル・カナンの貴族に自慢して詳細な所まで見せるなどあり得ません。想像だけなら二十年、金を費やして縮めて十年はあったはずの優位を、『こんな機能があった』と言う報告があれば十年から五年に縮まってしまうでしょうね。オロシャ優位の十年が消し飛んだわけです」
「が、外交上の事は一概には言えぬ! 国家の友好を取り持ったのだぞ!」
「旧イラ・カナンでオロシャ軍が使い潰されようとした事実をご存じないと?」
「「……」」
イル・カナンの使節を接待するのは良いのだが、機密を見せられても困る。
おだてられて自慢がしたかったのか、それとも裏で金を積まれて見せたのかは分からない。だが、彼がやったのはイル・カナン海軍が政府と話を付けてスパイを送り込み、数年かけて秘密を探り出す労力をこちらから渡してやっただけである。国家に永遠の友好などありえないし、実際にイル・カナン国は他人の褌で相撲を取り、まんまと領地を増やす行為をを平然とやっている。その癖にこちらには領地を切り取らせないし、時間稼ぎをして不快にさせているのだ。
そんな奴らを利して、自分はお前の代わりに友好関係を築いてやったとか、他の貴族が認める筈もなかった。
「もう良い。ワシはゴルビー伯に裁可を出して居る。それに……今後に期待して、賞罰を相殺してやるのだろう? 命懸けて領地と家門を守れば良いではないか。なんなら今その首を差し出すなら、お前の家には何も無いとワシが保証してやっても良い」
「なっ……ヨセフ伯。それはあまりにも……」
「酒がまずくなる。連れていけ」
「「はっ!!」」
中世のコンプライアンスなんてこんな物でしかない。
だが、そこで注意喚起をしておかないと、魔族を倒した後の話で困るのだ。イル・カナンは無能な味方ではなく、潜在的な敵として行動しているし、こちらに付いている国家もいつ敵にあるか判らない。パワーバランスでこちらが上で、同じ大国でもイル・カナンよりも友好的な姿勢をとっているから協力してくれているだけなのだ。
とりあえず、罰則その他に関してはここまでで終了としよう。
「茶番は此処までだ。本題に移れ」
「はい。現段階で投入戦力の半分が集結しつつあり、現地で後衛以外の全軍が集結します。現地の情報は一番近い島から見える範囲と、水棲種族経由で購入した情報が幾らか。それと過去の交易や協力要請の話から手前が湿原であり、島の何処かに火山ないし鉱山があると判って居ます」
表現的に微妙だが、ここでは投入戦力と称する。
全軍を連れて行くわけでもないし、船の問題でそんな余裕はない。基本的には精鋭部隊主体で、有力諸侯が対面もあって連れて行く歩兵が大半だ。その殆どが諸島群に集まっており、筏型であり雲梯にもなるゴーレム船三隻と大小の三胴艦で上陸することになる。残念ながら海洋船は移動力の問題で、大陸側の締めに必要だった精鋭部隊を後から連れて行く役目である。
この時点で勇者軍の三分の一の規模で、戦闘力としては十分の一。主に勇者たちが居ない事が、総合的な戦闘力を下げている(だから魔将が居るとヤバイ)。
「湿原か。通常ならば面倒だな、特に中洲の城で守られると」
「はい。筏型ゴーレムは雲梯にもなりますので、その辺りは無力化できます。リザードマンと蛙や鰐型の魔物レベルの集団ならばそう苦労はしないでしょう」
筏型ゴーレムは百足列車の発展形なので、勝手に歩く。
あまり人数は乗せられないが、適正人数なら戦場ごと移動できるので、湿地だと土台に向こうから上がって来るところを迎え討てるのだ。その上で雲梯として城壁に寄り掛かれるので、基本的には湿原地帯での戦闘には困らない。よって、現段階で見えている困難はないと言えるだろう。
むしろ潜在的な問題としては、これまでは雑魚しかなかった魔物のレベルが上がる事である。
「リザードマンはゴブリンより一回り二回り強いですが、所詮は敗者です」
「追い立てられ中央部から辺境に、更に島からも追い出された存在です」
「オーガやトロルと戦えて普通、雑魚専門でもゴブリンの集落を壊滅できる」
「そのくらいの能力を持っていると見るべきでしょう。もちろん、不利と成れば逃げ出して洞穴や森の中に隠れる程には名誉に固執することはありません。戦いそのものが厄介、掃討戦も厄介と見えるべきでしょう」
この段階で『話が違う』とか言うアホどもは放置しておこう。
魔族の島に渡るのだからそのくらいは当然見ておくべきだ。もちろんそんな奴らが沢山いるわけではないだろうが、主力としてメイン火力に位置していると見えるべきだろう。後は本来ならば数にも入れられない有象無象共が、かつての住人たちの代わりに敗者復活戦をしてくる可能性はある。例えばこの間出会ったスライムもどきのように。
もちろん戦争だから被害が出るのは当然で、想定していなかったアホどもが馬鹿なだけである。
「対策はあるのだろうな?」
「まずはストーンゴーレムを囮にジュガス2やソブレメンヌイを相性に合わせて投入します。それで情報がハッキリしたところで、諸侯の抱える騎士たちに魔法の品を戦う事になるでしょう。危険は命の無いゴーレムが負うべきなのですから。当然ながら洞窟や林などの危険に合わせるのもゴーレムの仕事です」
当たり前ながらこれまでの戦術が変わるはずもない。
戦闘用のストーンゴーレムを出せば楽勝だったものが、いつ破壊されておかしくないレベルに戦況が悪化するだけの話である。各方面軍に持たせたマジックアイテムはこの日の為であり、各地での掃討戦で使うべきではなかったと言える。もし玩具を使うつもりであそんだのであればそいつの程度が知れると同時に、信じて送り出した俺が馬鹿なだけであろう。
ともあれ、基本戦術に変わりない事は諸侯を安心させた。
「ここから先、重要なのは情報です。魔族も先ほど述べた一人前は希少になっているでしょう。相手の能力を持ち帰り、どんな厄介だったのかという情報には功績と呼ぶべき価値があります。逆に優位だからと言って、本部の制止も聞かずに突撃する様な連中は痛い目に合うでしょうね」
「よろしい。では魔族の島を攻めるとしようではないか」
こうして最終作戦が発動された。
諸侯が望むにしろ望まないにしろ、ここからは戦死ありきのちゃんとした戦争である。
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