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第五章
『冒険者ギルドを作る為の道のり』
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結局、あの話にはゴーサインが出た。
ヨセフ伯辺りがゴネたら最終的にポーセスへの打通は頓挫するかもしれないが、計画を利用して途中の地域を平和にするという大義名分は利用できるからだ。ありがたいことにバルガス側流域に領地を持つバルガス伯爵家とお隣のキーエル伯爵家の両家が協力的で、彼らには河川流域工事のサービス付きで援護を申し出てくれたらしい。要するに上の談合に俺が巻き込まれたというか、出汁にされた感じである。
ただ、ここで問題が生じることになる。
バルガス伯爵家からの許可も出たというのに、肝心のバルガス同胞団が難色を示したのだ。よりただしくは傭兵契約には首を振るが、冒険者になる話の方に……であるが。
「何でそんな事をしなくちゃいけないんだい!?」
「報告は報酬を上げる為に必須の追加条件だ。兵士や騎士たちにも習慣付けるには、まず先例が必要だからな。単純に近くの魔物を倒しました……で済ませるなら、適切な額を払う」
バルガス同胞団は大きな傭兵団なので王都にも事務所がある。
担当は先代の娘であった(過去形)のおばさんで、四十がらみの大女だ。有望な戦士を婿に迎えて今代の団長に据え、彼女は王都近郊で戦いつつ、貴族たちとも折衝していたらしい。だからこちらが貴族だからと言って退きはしない。
こじれたのは常識的な額を提示し、その上で報酬を上乗せするために、冒険者導入の為の草案を追加した時である。
「報告の義務は良いさ。だが討伐証明または同行する兵が必要ってのは、あたしらを信用してないってことだろ!」
「あんたらは良いさ。しかし他はどうかな? だが、この条件であんたらが吞んでくれれば、次の仕事でも同じ条件を付け易くなる。追加条件の方は相場より高めだから、悪くないとは思うんだがね」
反論の為の反論。そんな感じでいちいち文句を言って来る。
地頭は悪くないし、もし父親の代から同じ場所で折衝を手伝っていたなら、教養だって身に着ける機会はあったはずだ。少なくとも貴族と会話するのに共通する話題は便利だし、『所詮は傭兵』と思っていても、他と比べてしまうのが人間だ。教養ある人間を上に置き、無学卑賤な人間は下だと(巡り巡って自分たちはもっと偉いと)マウントを付けたがるのは良くある話である。
さて、この態度はワザとか。それとも本心だろうか?
「姐さん。この条件は悪くねえんじゃないですかい? 額だけなら大したもんでさ」
「……あたしらは良いさ。だけど、こいつは引き抜こうとしてるんだ。しかも使える奴だけ抜いて、後はポイってね。じゃなきゃ、こんなに詳細な決まりを作る必要はない。これは腹に逸物持った男のやる事だよ」
(へえ。その辺を見抜いてるのか)
流石に王都勤めは文字くらいは読めるらしい。
脇に居た奴がちょこちょこと、ついでに入れておいた薬草の買い取りや毛皮の買い取りなどに目を付けた。アルバイトで人足としての仕事も付けているのにチラっと目線を馳せたのは、おそらく飛びつくほどじゃないが、同胞団の中にはそれくらいしか出来ない者も居るからだろう。
その上で、この大女は流れを判って居て口にしている。
あるいは、彼女自身が傭兵団の運営に頭を悩ませているからかもしれない。
(察してるならどこまで話すかな?)
(自分で冒険者ギルドみたいなことを言い出すとは思えない)
(つまり、隣の男が思った事を彼女も初見で思い、その先を考慮した)
(行きつく先は別の傭兵団として、町の便利屋も兼ねた新形態に行きつくと思ったんだろうな。そうなると使える人間から引き抜かれ、残るは戦うしかできないのに達人でもないそこそこの人間。そして何もできない食い詰め者の連中だ。まあ警戒はするし、身内を抱えた戦争する任侠者みたいなもんだから仕方がないが)
俺はこのおばさんにどこまで話すかを迷った。
まずは様子見で親しく成り、お互いの性質を理解するまで待つ方法。その場合は長丁場の依頼に加えて、二度・三度と追加の仕事を頼むことで信用を積み上げる感じだ。そしてもう一つはこの場で腹を割って話すことになる。
時間は惜しいが、この女がどこまで信用できるのか分からない。
人品を疑ってはいない。戦歴の長い手下が女の顔を立てている段階でそれなりの人物だろう。問題なのは、同胞団が任侠者みたいなところがある事。つまり、必要なら身内を守るためにマフィアじみてあの手この手で交渉してくる可能性だった。
「……せっかくだ。腹を割って話そう。俺が考えているのは半官の傭兵というよりは、護衛や辺境探索の集団だ。これから傭兵団の大半が抱えている連中を放り出すことになる。その受け皿としてな。ただ、『魔物退治をやっておきました』で済ませて、実際は何もしてないならず者の集まり成ったら困るんだよ」
「あんた。あたしの前でぬけぬけと商売敵だって言う気かい。良い度胸だね」
「腹をくくってる女に誤魔化すのは時間の無駄だ。俺の経験だがね」
俺は短い魔法学院時代に友人だった女の事を思い出していた。
ゴーレムを研究する魔術師としてのライバルであり、そして自国の王子様に命じられて俺たちの研究を売り渡した女。その罪で奴隷落ちした馬鹿な女であり、その後は……いや、その話は止そう。ラーンにあったそいつの国はとっくに滅んでいるし、魔王軍を滅ぼして自由の身になっている筈だからな。
ともあれ、良く知っている女は家族の商売を守るために魂を売り渡していた。あの時の思い詰めた目によく似ているから……違和感を感じたあの時にもっと腹を割ってよく話して居ればと思った経験から、俺は素直に話すことにしたのだ。
「なら猶更この話は受けられないと言ったらどうする?」
「それこそあんたの商売敵を雇うさ。同じ条件で雇いたい連中は他にも居る。だが、俺たちはバルガス河流域を通るからな。同じ条件なら地元民の案内がある分だけ信用が置ける。魔物退治にしたって、地元を守って戦えるあんたらの方が背中を任せられるってもんだ。いずれ全部の団に話を持って行くが、幹部どころか支部を任せても良いと思えるような連中は流石に少ないがね」
俺は言葉を飾らずに話すことにした。
こいつらの反骨精神自体は尊重するとして、丁稚奉公させたいわけじゃない。信用のおける第三者として確保したいのであって、手下に組み入れて人格を矯正したいわけじゃないんだ。お互いによろしくやって行き、もし協力体制を築けたらラッキー。それこそ冒険者ギルドの運営自体を任せても良いのである。
とはいえ、彼女たちにとって商売敵に成るのは確かだ。
小さな商人は雇わないが、大きな商人たちは傭兵団を雇って必要なだけの小隊を派遣してもらっている。戦争する時の様に丸抱えと言う程ではないにせよ、それなりに高額になる。彼女たちは底での利鞘で使えない手下にも食わせているからである。
「答えに成ってないね。食っていけない連中はどうすんのさ? 薬草取りや猟師は良いだろうけどね。夢だけ見て使えないって判ってから放り出すのかい? いいや、猟師だって怪我をしたらおんなじだろうに」
「それこそ怪我人が増えたら食えなくなるのは同じだろう? まあ、もちろん保証なんかないし、高額な分だけ自分で治療費を貯めて置けって話だな。それはそれとして半官だと言ったぞ?」
俺は彼女の論法に付き合う事にした。
ここで中途半端と言うのは良くない。だからとことんまで話すとして、彼女自身が頭を抱えている『食えない連中』に関しての協議である。
「バルガス伯爵家とキーエル伯爵家には協力へ礼を行う」
「その一つがバルガス河流域の魔物退治であり、流域調査だな」
「一部の区画を護岸工事して、あるいは用水路を作って水を抜く」
「用水路の為に堀った土や、足りなければ山を崩して湿地の埋め立てを行って畑を作るんだ。今ならば人足としての仕事もある上に、入植するなら整えた場所を優先的に渡すぞ? 俺としては団として管理して、みんなで耕すことを進めるがね」
封建社会にインサイダーなどと言う言葉はない。
土地を開発して利便性を良くした場所を安く譲り、そこに出来た土地の収益を税金として末永くいただく。そう言う事が官営にはありがちだし、賄賂で破格の値段で売るのが問題に成ったりする。だが、今回は魔物対策という理由があるので問題ない。傭兵たちもまた余るので、いずれ増える盗賊対策も含めるとしたらコストとしては易いくらいである。
何が良いかって、上はコストが多大であると思っているから安く抑えたい。しかし、それらの費用は民間からすれば高額なのである。適切に当たって予算を配分すれば、利権こそないがお互いに助かるだろう。この時代だけならまだ離籍はお互いにある。これが時代を降ると中抜きが増えて下はまるで食えなくなってくるわけだが。
「その条件をだされちまったら、あたりらとしては頷くしかないじゃないか。だけどね、あんた正直過ぎないかい? 普通はもっともったいつけるもんだよ」
「それであんたらの不評を買ったら意味が無いさ。今は信用を稼ぐ時だからな。もちろん安全も」
「そりゃそうだけどね。でも、まだ信用したわけじゃないからね」
「当然だな。ひとまず国内だけでもよろしく頼む」
握手してひとまずの会談を終わらせる。
ここで上が台無しにしてくる可能性も無くはないが、その場合はお話を聞いた駄賃を渡して終了だ。少なくとも彼女がメンバーを呼び集めるのに使った費用と、急ぎじゃない仕事を後回しにした分だけの補填まではする。それで次回へ繋いで様子見に成るだろう。
もちろんそんな流れに成る事はなく、ひとまず期日を合わせ、バルガス側流域の探索から始めることに成った。同胞団はその先駆けとして、地元のモンスター調査に向かう。
結局、あの話にはゴーサインが出た。
ヨセフ伯辺りがゴネたら最終的にポーセスへの打通は頓挫するかもしれないが、計画を利用して途中の地域を平和にするという大義名分は利用できるからだ。ありがたいことにバルガス側流域に領地を持つバルガス伯爵家とお隣のキーエル伯爵家の両家が協力的で、彼らには河川流域工事のサービス付きで援護を申し出てくれたらしい。要するに上の談合に俺が巻き込まれたというか、出汁にされた感じである。
ただ、ここで問題が生じることになる。
バルガス伯爵家からの許可も出たというのに、肝心のバルガス同胞団が難色を示したのだ。よりただしくは傭兵契約には首を振るが、冒険者になる話の方に……であるが。
「何でそんな事をしなくちゃいけないんだい!?」
「報告は報酬を上げる為に必須の追加条件だ。兵士や騎士たちにも習慣付けるには、まず先例が必要だからな。単純に近くの魔物を倒しました……で済ませるなら、適切な額を払う」
バルガス同胞団は大きな傭兵団なので王都にも事務所がある。
担当は先代の娘であった(過去形)のおばさんで、四十がらみの大女だ。有望な戦士を婿に迎えて今代の団長に据え、彼女は王都近郊で戦いつつ、貴族たちとも折衝していたらしい。だからこちらが貴族だからと言って退きはしない。
こじれたのは常識的な額を提示し、その上で報酬を上乗せするために、冒険者導入の為の草案を追加した時である。
「報告の義務は良いさ。だが討伐証明または同行する兵が必要ってのは、あたしらを信用してないってことだろ!」
「あんたらは良いさ。しかし他はどうかな? だが、この条件であんたらが吞んでくれれば、次の仕事でも同じ条件を付け易くなる。追加条件の方は相場より高めだから、悪くないとは思うんだがね」
反論の為の反論。そんな感じでいちいち文句を言って来る。
地頭は悪くないし、もし父親の代から同じ場所で折衝を手伝っていたなら、教養だって身に着ける機会はあったはずだ。少なくとも貴族と会話するのに共通する話題は便利だし、『所詮は傭兵』と思っていても、他と比べてしまうのが人間だ。教養ある人間を上に置き、無学卑賤な人間は下だと(巡り巡って自分たちはもっと偉いと)マウントを付けたがるのは良くある話である。
さて、この態度はワザとか。それとも本心だろうか?
「姐さん。この条件は悪くねえんじゃないですかい? 額だけなら大したもんでさ」
「……あたしらは良いさ。だけど、こいつは引き抜こうとしてるんだ。しかも使える奴だけ抜いて、後はポイってね。じゃなきゃ、こんなに詳細な決まりを作る必要はない。これは腹に逸物持った男のやる事だよ」
(へえ。その辺を見抜いてるのか)
流石に王都勤めは文字くらいは読めるらしい。
脇に居た奴がちょこちょこと、ついでに入れておいた薬草の買い取りや毛皮の買い取りなどに目を付けた。アルバイトで人足としての仕事も付けているのにチラっと目線を馳せたのは、おそらく飛びつくほどじゃないが、同胞団の中にはそれくらいしか出来ない者も居るからだろう。
その上で、この大女は流れを判って居て口にしている。
あるいは、彼女自身が傭兵団の運営に頭を悩ませているからかもしれない。
(察してるならどこまで話すかな?)
(自分で冒険者ギルドみたいなことを言い出すとは思えない)
(つまり、隣の男が思った事を彼女も初見で思い、その先を考慮した)
(行きつく先は別の傭兵団として、町の便利屋も兼ねた新形態に行きつくと思ったんだろうな。そうなると使える人間から引き抜かれ、残るは戦うしかできないのに達人でもないそこそこの人間。そして何もできない食い詰め者の連中だ。まあ警戒はするし、身内を抱えた戦争する任侠者みたいなもんだから仕方がないが)
俺はこのおばさんにどこまで話すかを迷った。
まずは様子見で親しく成り、お互いの性質を理解するまで待つ方法。その場合は長丁場の依頼に加えて、二度・三度と追加の仕事を頼むことで信用を積み上げる感じだ。そしてもう一つはこの場で腹を割って話すことになる。
時間は惜しいが、この女がどこまで信用できるのか分からない。
人品を疑ってはいない。戦歴の長い手下が女の顔を立てている段階でそれなりの人物だろう。問題なのは、同胞団が任侠者みたいなところがある事。つまり、必要なら身内を守るためにマフィアじみてあの手この手で交渉してくる可能性だった。
「……せっかくだ。腹を割って話そう。俺が考えているのは半官の傭兵というよりは、護衛や辺境探索の集団だ。これから傭兵団の大半が抱えている連中を放り出すことになる。その受け皿としてな。ただ、『魔物退治をやっておきました』で済ませて、実際は何もしてないならず者の集まり成ったら困るんだよ」
「あんた。あたしの前でぬけぬけと商売敵だって言う気かい。良い度胸だね」
「腹をくくってる女に誤魔化すのは時間の無駄だ。俺の経験だがね」
俺は短い魔法学院時代に友人だった女の事を思い出していた。
ゴーレムを研究する魔術師としてのライバルであり、そして自国の王子様に命じられて俺たちの研究を売り渡した女。その罪で奴隷落ちした馬鹿な女であり、その後は……いや、その話は止そう。ラーンにあったそいつの国はとっくに滅んでいるし、魔王軍を滅ぼして自由の身になっている筈だからな。
ともあれ、良く知っている女は家族の商売を守るために魂を売り渡していた。あの時の思い詰めた目によく似ているから……違和感を感じたあの時にもっと腹を割ってよく話して居ればと思った経験から、俺は素直に話すことにしたのだ。
「なら猶更この話は受けられないと言ったらどうする?」
「それこそあんたの商売敵を雇うさ。同じ条件で雇いたい連中は他にも居る。だが、俺たちはバルガス河流域を通るからな。同じ条件なら地元民の案内がある分だけ信用が置ける。魔物退治にしたって、地元を守って戦えるあんたらの方が背中を任せられるってもんだ。いずれ全部の団に話を持って行くが、幹部どころか支部を任せても良いと思えるような連中は流石に少ないがね」
俺は言葉を飾らずに話すことにした。
こいつらの反骨精神自体は尊重するとして、丁稚奉公させたいわけじゃない。信用のおける第三者として確保したいのであって、手下に組み入れて人格を矯正したいわけじゃないんだ。お互いによろしくやって行き、もし協力体制を築けたらラッキー。それこそ冒険者ギルドの運営自体を任せても良いのである。
とはいえ、彼女たちにとって商売敵に成るのは確かだ。
小さな商人は雇わないが、大きな商人たちは傭兵団を雇って必要なだけの小隊を派遣してもらっている。戦争する時の様に丸抱えと言う程ではないにせよ、それなりに高額になる。彼女たちは底での利鞘で使えない手下にも食わせているからである。
「答えに成ってないね。食っていけない連中はどうすんのさ? 薬草取りや猟師は良いだろうけどね。夢だけ見て使えないって判ってから放り出すのかい? いいや、猟師だって怪我をしたらおんなじだろうに」
「それこそ怪我人が増えたら食えなくなるのは同じだろう? まあ、もちろん保証なんかないし、高額な分だけ自分で治療費を貯めて置けって話だな。それはそれとして半官だと言ったぞ?」
俺は彼女の論法に付き合う事にした。
ここで中途半端と言うのは良くない。だからとことんまで話すとして、彼女自身が頭を抱えている『食えない連中』に関しての協議である。
「バルガス伯爵家とキーエル伯爵家には協力へ礼を行う」
「その一つがバルガス河流域の魔物退治であり、流域調査だな」
「一部の区画を護岸工事して、あるいは用水路を作って水を抜く」
「用水路の為に堀った土や、足りなければ山を崩して湿地の埋め立てを行って畑を作るんだ。今ならば人足としての仕事もある上に、入植するなら整えた場所を優先的に渡すぞ? 俺としては団として管理して、みんなで耕すことを進めるがね」
封建社会にインサイダーなどと言う言葉はない。
土地を開発して利便性を良くした場所を安く譲り、そこに出来た土地の収益を税金として末永くいただく。そう言う事が官営にはありがちだし、賄賂で破格の値段で売るのが問題に成ったりする。だが、今回は魔物対策という理由があるので問題ない。傭兵たちもまた余るので、いずれ増える盗賊対策も含めるとしたらコストとしては易いくらいである。
何が良いかって、上はコストが多大であると思っているから安く抑えたい。しかし、それらの費用は民間からすれば高額なのである。適切に当たって予算を配分すれば、利権こそないがお互いに助かるだろう。この時代だけならまだ離籍はお互いにある。これが時代を降ると中抜きが増えて下はまるで食えなくなってくるわけだが。
「その条件をだされちまったら、あたりらとしては頷くしかないじゃないか。だけどね、あんた正直過ぎないかい? 普通はもっともったいつけるもんだよ」
「それであんたらの不評を買ったら意味が無いさ。今は信用を稼ぐ時だからな。もちろん安全も」
「そりゃそうだけどね。でも、まだ信用したわけじゃないからね」
「当然だな。ひとまず国内だけでもよろしく頼む」
握手してひとまずの会談を終わらせる。
ここで上が台無しにしてくる可能性も無くはないが、その場合はお話を聞いた駄賃を渡して終了だ。少なくとも彼女がメンバーを呼び集めるのに使った費用と、急ぎじゃない仕事を後回しにした分だけの補填まではする。それで次回へ繋いで様子見に成るだろう。
もちろんそんな流れに成る事はなく、ひとまず期日を合わせ、バルガス側流域の探索から始めることに成った。同胞団はその先駆けとして、地元のモンスター調査に向かう。
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