63 / 84
下層攻略の準備編
準備期間の短縮
しおりを挟む
●
準備の第二段階に入ったが、時間を掛けたくないので同時並行する。
具体的に言うと訓練作業の一環として、ダンジョン上層への物資輸送を行うのだ。この間に行った事故対策の経験を活かしてというべきかな?
ホムンクルスへ行う命令と、優先順位付けに作業を利用できることに気が付いたという訳だ。
「ねえ、あんなに積み下ろしをする必要あったの?」
「基本的には二割から三割多いな。念の為の予備というか、親族衆に配る為の支援物資も含んでる。信頼できる事に『なってる』奴に、備蓄から持って行けって伝えてあるよ」
当主候補のエレオノーラも今は作業員でしかない。
とはいえ命令だけを行う作業であり、本来ならば書類だけを見ていれば済む仕事だ。しかし困窮と言うか、災害で物資が減ったことになっている連中に対し、支援物資を自ら手配しているというポーズになっていた。
エレオノーラの指示を早い段階で打ち出したのは、基本的に利益の少ない領地や、本当に災害などで徐々に経営難になった領地だ。援助すること自体に意味はあるだろう。
「領地へ手を入れるのはお互いの信用が出来てからだな」
「今は困窮している事実に目を向け、同時にメンツも大事にする事」
「現実的な視点を持ち、物資を都合出来るだけの手腕を魅せるべきだ」
「領地経営がマズイのか、ダンジョン経営が上手くないのかはこの際後で考えればいい。もし何もかも悪いんだったら、そこは抜本的な改革なり領地替えの手配が必要だろうさ。当然ながら、そんな事を『今』話してくれるはずがない」
エレオノーラは経営を改善したいが、取り上げたいわけではない。
しかしメンツを気にしていたり、領地を没収されるのではないかと不安を抱えている親族衆は多いはずだ。もちろん『年長である俺の言う事を聞け』なんていう馬鹿は放っておいてよいが、体制的には整えて行く必要がある。領地経営はサッパリなんで、俺としてはダンジョン経営で補える収入しか口出しできんがな。
とにかく今は信用を得て、指示さえしてくれるならば、領地を取り上げないし物資を手配する。ただし際限なく渡す訳ではないという塩梅が重要なのである。
「不要なほどの物資があるからこれから一カ月は籠れる。もちろんそんな時間は掛けねえから、理由を付けて物資を提供するってことにすれば良い。予備のホムンクルスは一度他の領地まで持って行って、そこで引継ぎだな」
「私がする必要は……ううん。そっちこそ私の仕事ね」
「そういうこった。せいぜい信用と威厳を稼いでおいてくれ」
正直、ここで政治的取引をする理由は全くない。
だが、物資を降ろしたり輸送する時に行う命令と言うのは案外経験になるのだ。エレオノーラの経験にもなるし、命令を積み上げていく過程で、優先順位の処理を行える。マニュアルとも言うべき書類を作り、何をして良いのか、何が駄目なのか、矛盾する時は何を重視するべきかを用意する事も出来た。
そして何より、並行作業を行う事で訓練期間・移動時間・物資手配が同時にこなせるのが良い。ダンジョンで使わない物資だったら、間違いなくここまで用意しなかっただろうな。
「リシャール。ポーションの方の出来はどうだ?」
「マリ達が定期的に作っててくれてますけど、まだ初級の回復薬までですね。ボクが中級の序盤で毒消しまで、ブーさんが中級を一通りですけど今までは別の所におられましたのであんまり……」
ホムンクルス最大の長所であり欠点は、薬が効く事だ。
だからエルフ達に薬草からのポーション作成を教えている。森で採れる薬草から作れることを教えて、資金を稼いだ利物々交換の種にすることを勧めたわけだ。もちろんエルフ族全体が残っているならばそんな事をしなくても生きていけるが、三人しか生き残って居ないので重要な稼ぎになっていた。
とはいえリシャールもまだ若いし、マリ達が目覚めたのも、覚えて生活の糧にすることを認めたのもこの間だ。生産性は良くないし、俺達としても市場より安価に手に入るという程度に過ぎなかった。
「そこは仕方がないさ。どうしても必要なのは買ってるしな」
「だが自分達で作れるようになれば生活が安定する」
「弓なんかの上達も合わせれば、森に余計な人間を入れずに済む」
「逆にそっちから売り込むことで、必要な物を手に入れることができるし、他のエルフたちを招き入れるならばその旅費にもできるだろうさ。もちろん、無理して造らなくていいぞ。その辺りはお前さんたちの自主性に任せる」
俺も命令されたいわけではないから、強制はしていない。
エルフ達が狩りと採集だけで暮らせる自信があれば何もしなくて良い。だが三人だけでは限界があるし、お互いの為に進めたって感じだな。まあ、巨星じゃないけど、利益を考えたらそうなる様に誘導しているとも言うが。
ともあれホムンクルスの傷は基本的に薬で治す。
フーが闘気を渡すことで回復も出来るらしいが……正直割りが合わないんだよな。エレオノーラの呪文は効率が悪いし、俺が使う場合は生命力を満たす結界なので……一日で幾らと言うペースだったりする。まあ、そういう意味でポーションはありがたい。
「ブー。何時ものはどれだけ用意している?」
「流石に一か月分は無いネ。でも、貰っている薬草の分だけは少なくとも用意しているアルヨ」
ブーは他人に魔力を渡せる賦活の術が使える。
彼はオーク族の特徴として、粗悪な素材の薬でも回復が十分に機能する。そこで魔力や気力を快復するポーションを作るのに使用する、割りと希少な薬草を吸っていた。彼が偶に大事そうに吸う葉巻は活性化薬の成分があり、低品質な薬草を使って自分を回復。自分の気力や魔力を他者に分け与えているのだ。
そして今回はダンジョンの魔力を流用できることが最初から分かっている。そこで魔力はそちらから融通し、気力重視で総数を用意してもらっている。もちろんダンジョンの魔力が絶たれることもあるので過信は禁物だが。
「それはありがたい。ジャンとフーが戻ってきたら中層まで行こう」
「そこで鼠やらゴブリンの様子を確認したらいよいよ下層だ」
「前も言った通り強行する気はないが、情報収集には気を付けてくれ」
「まずは俺達の安全、そして連中のキーになる情報の順番だ。分からない場合でも部分的に情報を得てくれたら、貢献度に応じて色を付けるから安心してくれ」
ブーは渡した薬草に混ぜ物をし、横流しするくらいには金に汚い。
だが、ちゃんと契約を結べばキッチリと話の筋は通してくれる。なので情報の重要さを予め何度も伝え、部分的な情報であろうとも、攻略に役立てば報酬を払うと言っておいた。もしかしたら洞穴エルフの人相も暗記するかもしれんと思うくらいには期待ができる。
後は現地で調査を行い、少しずつ情報を集めて、できれば下層攻略のキーとなる情報を早い内に確保したいものである。そうすれば完全攻略に目途が立つからな。
準備の第二段階に入ったが、時間を掛けたくないので同時並行する。
具体的に言うと訓練作業の一環として、ダンジョン上層への物資輸送を行うのだ。この間に行った事故対策の経験を活かしてというべきかな?
ホムンクルスへ行う命令と、優先順位付けに作業を利用できることに気が付いたという訳だ。
「ねえ、あんなに積み下ろしをする必要あったの?」
「基本的には二割から三割多いな。念の為の予備というか、親族衆に配る為の支援物資も含んでる。信頼できる事に『なってる』奴に、備蓄から持って行けって伝えてあるよ」
当主候補のエレオノーラも今は作業員でしかない。
とはいえ命令だけを行う作業であり、本来ならば書類だけを見ていれば済む仕事だ。しかし困窮と言うか、災害で物資が減ったことになっている連中に対し、支援物資を自ら手配しているというポーズになっていた。
エレオノーラの指示を早い段階で打ち出したのは、基本的に利益の少ない領地や、本当に災害などで徐々に経営難になった領地だ。援助すること自体に意味はあるだろう。
「領地へ手を入れるのはお互いの信用が出来てからだな」
「今は困窮している事実に目を向け、同時にメンツも大事にする事」
「現実的な視点を持ち、物資を都合出来るだけの手腕を魅せるべきだ」
「領地経営がマズイのか、ダンジョン経営が上手くないのかはこの際後で考えればいい。もし何もかも悪いんだったら、そこは抜本的な改革なり領地替えの手配が必要だろうさ。当然ながら、そんな事を『今』話してくれるはずがない」
エレオノーラは経営を改善したいが、取り上げたいわけではない。
しかしメンツを気にしていたり、領地を没収されるのではないかと不安を抱えている親族衆は多いはずだ。もちろん『年長である俺の言う事を聞け』なんていう馬鹿は放っておいてよいが、体制的には整えて行く必要がある。領地経営はサッパリなんで、俺としてはダンジョン経営で補える収入しか口出しできんがな。
とにかく今は信用を得て、指示さえしてくれるならば、領地を取り上げないし物資を手配する。ただし際限なく渡す訳ではないという塩梅が重要なのである。
「不要なほどの物資があるからこれから一カ月は籠れる。もちろんそんな時間は掛けねえから、理由を付けて物資を提供するってことにすれば良い。予備のホムンクルスは一度他の領地まで持って行って、そこで引継ぎだな」
「私がする必要は……ううん。そっちこそ私の仕事ね」
「そういうこった。せいぜい信用と威厳を稼いでおいてくれ」
正直、ここで政治的取引をする理由は全くない。
だが、物資を降ろしたり輸送する時に行う命令と言うのは案外経験になるのだ。エレオノーラの経験にもなるし、命令を積み上げていく過程で、優先順位の処理を行える。マニュアルとも言うべき書類を作り、何をして良いのか、何が駄目なのか、矛盾する時は何を重視するべきかを用意する事も出来た。
そして何より、並行作業を行う事で訓練期間・移動時間・物資手配が同時にこなせるのが良い。ダンジョンで使わない物資だったら、間違いなくここまで用意しなかっただろうな。
「リシャール。ポーションの方の出来はどうだ?」
「マリ達が定期的に作っててくれてますけど、まだ初級の回復薬までですね。ボクが中級の序盤で毒消しまで、ブーさんが中級を一通りですけど今までは別の所におられましたのであんまり……」
ホムンクルス最大の長所であり欠点は、薬が効く事だ。
だからエルフ達に薬草からのポーション作成を教えている。森で採れる薬草から作れることを教えて、資金を稼いだ利物々交換の種にすることを勧めたわけだ。もちろんエルフ族全体が残っているならばそんな事をしなくても生きていけるが、三人しか生き残って居ないので重要な稼ぎになっていた。
とはいえリシャールもまだ若いし、マリ達が目覚めたのも、覚えて生活の糧にすることを認めたのもこの間だ。生産性は良くないし、俺達としても市場より安価に手に入るという程度に過ぎなかった。
「そこは仕方がないさ。どうしても必要なのは買ってるしな」
「だが自分達で作れるようになれば生活が安定する」
「弓なんかの上達も合わせれば、森に余計な人間を入れずに済む」
「逆にそっちから売り込むことで、必要な物を手に入れることができるし、他のエルフたちを招き入れるならばその旅費にもできるだろうさ。もちろん、無理して造らなくていいぞ。その辺りはお前さんたちの自主性に任せる」
俺も命令されたいわけではないから、強制はしていない。
エルフ達が狩りと採集だけで暮らせる自信があれば何もしなくて良い。だが三人だけでは限界があるし、お互いの為に進めたって感じだな。まあ、巨星じゃないけど、利益を考えたらそうなる様に誘導しているとも言うが。
ともあれホムンクルスの傷は基本的に薬で治す。
フーが闘気を渡すことで回復も出来るらしいが……正直割りが合わないんだよな。エレオノーラの呪文は効率が悪いし、俺が使う場合は生命力を満たす結界なので……一日で幾らと言うペースだったりする。まあ、そういう意味でポーションはありがたい。
「ブー。何時ものはどれだけ用意している?」
「流石に一か月分は無いネ。でも、貰っている薬草の分だけは少なくとも用意しているアルヨ」
ブーは他人に魔力を渡せる賦活の術が使える。
彼はオーク族の特徴として、粗悪な素材の薬でも回復が十分に機能する。そこで魔力や気力を快復するポーションを作るのに使用する、割りと希少な薬草を吸っていた。彼が偶に大事そうに吸う葉巻は活性化薬の成分があり、低品質な薬草を使って自分を回復。自分の気力や魔力を他者に分け与えているのだ。
そして今回はダンジョンの魔力を流用できることが最初から分かっている。そこで魔力はそちらから融通し、気力重視で総数を用意してもらっている。もちろんダンジョンの魔力が絶たれることもあるので過信は禁物だが。
「それはありがたい。ジャンとフーが戻ってきたら中層まで行こう」
「そこで鼠やらゴブリンの様子を確認したらいよいよ下層だ」
「前も言った通り強行する気はないが、情報収集には気を付けてくれ」
「まずは俺達の安全、そして連中のキーになる情報の順番だ。分からない場合でも部分的に情報を得てくれたら、貢献度に応じて色を付けるから安心してくれ」
ブーは渡した薬草に混ぜ物をし、横流しするくらいには金に汚い。
だが、ちゃんと契約を結べばキッチリと話の筋は通してくれる。なので情報の重要さを予め何度も伝え、部分的な情報であろうとも、攻略に役立てば報酬を払うと言っておいた。もしかしたら洞穴エルフの人相も暗記するかもしれんと思うくらいには期待ができる。
後は現地で調査を行い、少しずつ情報を集めて、できれば下層攻略のキーとなる情報を早い内に確保したいものである。そうすれば完全攻略に目途が立つからな。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
スラム育ちの死霊魔術師と宮廷育ちのわがまま王女
内海 裕心
ファンタジー
スラム暮らしのザックは、貧乏で最低限の生活ながら、ささやかな暮らしを家族と共にすごしていた。母は病弱で、弟のジョシュアはまだピュアで幼く、妹のノアは魔術師に憧れる少女だった。しかしスラム育ちの彼らに待っていた現実はとても残酷なものだった。ある時王族のエリザベス王女が、ザックの父親に目をつけて、芸を披露させる。そこで、ザックの父親、エイブラハムの腹踊りを気に入ったエリザベス王女は、エイブラハムを宮廷へ招くが...悲劇が。
そこから主人公の生活は激変し、エリザベス王女なども関わってくる。家族と最低限でいいから幸せに暮らしたいと願ったザック少年の夢が復讐に変わるダークファンタジー。
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる