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17 王都で先生になりました。
17ー12 二人で協力して
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17ー12 二人で協力して
シーラさんがわめいた。
「実際に王国の総人口は、今は、若者も多いですがこれから徐々に高齢化していく可能性が高いんですよ!」
「なぜ、そう思うんだね?」
「それは、トガー先生の『メルクリウス商会』のせいです!」
シーラさんが突然、言い放った。
「『メルクリウス商会』の造り出した義肢のために延命率がのびてきています。ということは、高齢化していくということです。このままいけば人間だってエルフと同じ道をたどることになるかもしれません」
「だそうだが、どう思うね?トガー先生」
フィリップさんに訊ねられてわたしは、考え込んだ。
「確かに、これから寿命はだんだん延びていくことでしょうね。ですが、いきなり少子高齢化はないんじゃないでしょうか?」
「でも!」
シーラさんが頬を紅潮させている。
「エルフは、なりましたよ!」
確かに、な。
わたしは頷いた。
「でも、それは、エルフの出生率がひくかったからでは?」
フィリップさんがきくとシーラさんは答えた。
「それはもちろんあります。でも、人間だって近年の出生率はそれほど高くなくなっています」
「それは本当ですか?」
わたしは、シーラさんに訊ねた。
シーラさんは、こくりと頷いた。
「間違いありません」
「それはまずいと思いますよ」
わたしは、フィリップさんに告げた。
「あきらかに高齢化が見られてからでは対処ができません。今のうちに少子化を防ぐべきです」
「しかし」
フィリップさんが渋っているのでわたしはきいた。
「少子化の原因はなんなんですかね?」
「それは、人頭税が高いせいと出産時の母子の死亡率の高さのせいです!」
シーラさんが説明した。
「王国の人頭税は高すぎます。そのせいで市民はなかなか子供を増やすことができません。そして、医療が行き渡っていないせいで出産時に死亡する母子が多いことも問題です」
「なるほど」
フィリップさんが頷いた。
「では、人頭税を下げるようにアルノルド王に提言してみよう。医療についてはトガー先生」
「はい?」
「あなたにプランを立ててもらいたい。どうすれば出産時の死亡率が下がるのか」
なんですと?
わたしは、ぱくぱくと口を動かしていたがしばらく言葉がでなかった。
無茶振りもいいとこだっちゅうの!
「わ、わたしには、それは」
「いいと思います!」
シーラさんがわたしの手をとった。
「私も協力しますから、ね?トガー先生、二人でがんばって母親と子供たちを救いましょう!」
マジでかよ?
シーラさんがわめいた。
「実際に王国の総人口は、今は、若者も多いですがこれから徐々に高齢化していく可能性が高いんですよ!」
「なぜ、そう思うんだね?」
「それは、トガー先生の『メルクリウス商会』のせいです!」
シーラさんが突然、言い放った。
「『メルクリウス商会』の造り出した義肢のために延命率がのびてきています。ということは、高齢化していくということです。このままいけば人間だってエルフと同じ道をたどることになるかもしれません」
「だそうだが、どう思うね?トガー先生」
フィリップさんに訊ねられてわたしは、考え込んだ。
「確かに、これから寿命はだんだん延びていくことでしょうね。ですが、いきなり少子高齢化はないんじゃないでしょうか?」
「でも!」
シーラさんが頬を紅潮させている。
「エルフは、なりましたよ!」
確かに、な。
わたしは頷いた。
「でも、それは、エルフの出生率がひくかったからでは?」
フィリップさんがきくとシーラさんは答えた。
「それはもちろんあります。でも、人間だって近年の出生率はそれほど高くなくなっています」
「それは本当ですか?」
わたしは、シーラさんに訊ねた。
シーラさんは、こくりと頷いた。
「間違いありません」
「それはまずいと思いますよ」
わたしは、フィリップさんに告げた。
「あきらかに高齢化が見られてからでは対処ができません。今のうちに少子化を防ぐべきです」
「しかし」
フィリップさんが渋っているのでわたしはきいた。
「少子化の原因はなんなんですかね?」
「それは、人頭税が高いせいと出産時の母子の死亡率の高さのせいです!」
シーラさんが説明した。
「王国の人頭税は高すぎます。そのせいで市民はなかなか子供を増やすことができません。そして、医療が行き渡っていないせいで出産時に死亡する母子が多いことも問題です」
「なるほど」
フィリップさんが頷いた。
「では、人頭税を下げるようにアルノルド王に提言してみよう。医療についてはトガー先生」
「はい?」
「あなたにプランを立ててもらいたい。どうすれば出産時の死亡率が下がるのか」
なんですと?
わたしは、ぱくぱくと口を動かしていたがしばらく言葉がでなかった。
無茶振りもいいとこだっちゅうの!
「わ、わたしには、それは」
「いいと思います!」
シーラさんがわたしの手をとった。
「私も協力しますから、ね?トガー先生、二人でがんばって母親と子供たちを救いましょう!」
マジでかよ?
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