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天からの使い
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借りた着物は祖母が返しておいてくれることになり、その後はみんなドタバタと帰り支度を始める。
「雪翔、航平、南にはこんのか?」
「冬休みに行くよ。島のおじいちゃんにも航平ちゃん会わせたいんだけど」
「冬は波が荒れるから、爺さんもその時だけは家に帰ってるよ。渋々だけどね、その時に来るといい」
「またあの魚食べたい!冬でもあるの?」
「あれは年中捕れるから、用意しておくよ」
「侑弥ちゃんも連れてきてね。いっぱい可愛いお洋服……」
「侑弥は男だぞ?」
「那智ったら、赤ちゃんはいつまでも可愛いからいいのよ」
「良くない。兄貴は?」
「来る予定だったんだけどね、どうしても仕事が抜けられなかったみたいで。パパがお仕事休むから!」
「そうか……冬に行く。爺さん来たら教えてくれ」
そう言って、みんなのところに行き、全員が泥棒?って思うような、大きな風呂敷を肩に担いでたので、頼むからやめてくれとお願いする。
楽なのにとみんなが手に持ち替え、蘭も同じ場所から移動すると言って、社の前に集まる。
「蘭さん、本当にありがとうございました」
「妾はちょっと手助けしただけじゃ。何かあったら何時でも来ると良い」
「ですが、そちらも危険ではありませんか?あの男の拠点が近いとなると……」
「冬弥殿、あれは拠点ではない。多分、一時的にあ奴が乗っ取ったに過ぎぬ。元々代替わりであの社に狐はおらなんだし、宮司たちの気配はそのままであったから、もう移動しておるじゃろ。妾の事よりも、この子供たちのことを一番に考えてやらねばの」
「そうします。こちらにもいつでも遊びに来てください。しがない下宿屋ですが」
「下宿屋?宿をしておるのかえ?」
「子供たちを預かって住ませてるんです。朝と晩にご飯を作って食べさせて、学校に送り出すのが仕事ですねぇ」
「また酔狂な。じゃが、興味はある。また寄らせてもらおう」
元気でねと握手をし、先に戻って行った姿に見惚れる玲。
「いい女だったよなー」
「兄貴は美人に弱いからな」
「俺もあんな嫁ならもらってもいいかも」
「無理無理、兄貴に振り向いてくれると思ってんの?」
「それを言うな秋!」
皆さん行きますよーとの声に、お爺ちゃん達にも挨拶をして、門を潜ると、ついた先は東風神社だった。
「あれ?」
「買い物して帰ろうと思いましてねぇ。ここからだとみなさんも社に戻りやすいので」
「じゃあ航平、たまには帰ってこいよ」
「分かってます。あ、バイトいつからですか?それよりこのカード……」
「それは好きに使え。いちいち参考書だの買う時に金を渡すのは面倒くさいし、お前なら無駄遣いはしないだろ?」
「しませんよ。元々貧乏学生なんですから」
「とにかく学業優先な。彼女が出来たら連れてこい」
そう言ってさっさと那智が帰ってしまい、秋彪たちも「またな」と言って帰ってしまった。
「その荷物どうするの?」
「水狐に運んでおいてもらいます。さてと、行きましょうか」
「雪翔、航平、南にはこんのか?」
「冬休みに行くよ。島のおじいちゃんにも航平ちゃん会わせたいんだけど」
「冬は波が荒れるから、爺さんもその時だけは家に帰ってるよ。渋々だけどね、その時に来るといい」
「またあの魚食べたい!冬でもあるの?」
「あれは年中捕れるから、用意しておくよ」
「侑弥ちゃんも連れてきてね。いっぱい可愛いお洋服……」
「侑弥は男だぞ?」
「那智ったら、赤ちゃんはいつまでも可愛いからいいのよ」
「良くない。兄貴は?」
「来る予定だったんだけどね、どうしても仕事が抜けられなかったみたいで。パパがお仕事休むから!」
「そうか……冬に行く。爺さん来たら教えてくれ」
そう言って、みんなのところに行き、全員が泥棒?って思うような、大きな風呂敷を肩に担いでたので、頼むからやめてくれとお願いする。
楽なのにとみんなが手に持ち替え、蘭も同じ場所から移動すると言って、社の前に集まる。
「蘭さん、本当にありがとうございました」
「妾はちょっと手助けしただけじゃ。何かあったら何時でも来ると良い」
「ですが、そちらも危険ではありませんか?あの男の拠点が近いとなると……」
「冬弥殿、あれは拠点ではない。多分、一時的にあ奴が乗っ取ったに過ぎぬ。元々代替わりであの社に狐はおらなんだし、宮司たちの気配はそのままであったから、もう移動しておるじゃろ。妾の事よりも、この子供たちのことを一番に考えてやらねばの」
「そうします。こちらにもいつでも遊びに来てください。しがない下宿屋ですが」
「下宿屋?宿をしておるのかえ?」
「子供たちを預かって住ませてるんです。朝と晩にご飯を作って食べさせて、学校に送り出すのが仕事ですねぇ」
「また酔狂な。じゃが、興味はある。また寄らせてもらおう」
元気でねと握手をし、先に戻って行った姿に見惚れる玲。
「いい女だったよなー」
「兄貴は美人に弱いからな」
「俺もあんな嫁ならもらってもいいかも」
「無理無理、兄貴に振り向いてくれると思ってんの?」
「それを言うな秋!」
皆さん行きますよーとの声に、お爺ちゃん達にも挨拶をして、門を潜ると、ついた先は東風神社だった。
「あれ?」
「買い物して帰ろうと思いましてねぇ。ここからだとみなさんも社に戻りやすいので」
「じゃあ航平、たまには帰ってこいよ」
「分かってます。あ、バイトいつからですか?それよりこのカード……」
「それは好きに使え。いちいち参考書だの買う時に金を渡すのは面倒くさいし、お前なら無駄遣いはしないだろ?」
「しませんよ。元々貧乏学生なんですから」
「とにかく学業優先な。彼女が出来たら連れてこい」
そう言ってさっさと那智が帰ってしまい、秋彪たちも「またな」と言って帰ってしまった。
「その荷物どうするの?」
「水狐に運んでおいてもらいます。さてと、行きましょうか」
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