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ひと夏の思い出編
118色 呪いの森の分かれ道
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ロビーの入り口を抜けてさっさと行ってしまったマモを追いかけて、わたしたちはなにも言わないマモの後ろをついていった。 コンクリートで舗装された道を抜けて、砂浜に続く階段を下りていく。
砂浜にマモの足跡が刻まれ、その後ろにわたしたちの足跡も刻まれていく。
「どこにむかってるの?」
「…………」
リーンの質問には答えず、ただひたすらどこかに向かっている感じだった。
「もう! ムシしないでよ」
「き、きっと、マモくんにも考えがあるんだよ」
「ああいうタイプは話をするだけムダよ」
マモにムシをされて不機嫌になってしまったリーンをクロロンとスミレがフォローする。
数分ぐらい砂浜を歩いているとマモはある『モノ?』の前で歩みを止めた。
「これだ」
「これって……」
わたしたちの前にあるのはとてもフシギなモノだった。 例えるなら、空間が裂けてる? 開いてる? ような場所にナニかの棒のようなモノで固定してあった。
「これって……つっぱり棒? なんで?」
リーンはその固定されてる棒をみて目を点にさせる。 シアンはそれをみて答えた。
「……たぶん……ねえの魔導具……それと、あれも」
「え!? あっちゃんの?」
シアンはその棒と空間の裂け目の下に置いてある水晶玉みたいなモノを指さしていう。
「ということは! シーニたちはこの中にいるってこと?」
「いくぞ」
わたしが棒と玉を交互にみながら考えていると、マモは空間の中に入っていった。
「えっ!? まさかの警戒心ゼロ!?」
「で、でもおいかけないわけにはいかないよね?」
すたすたと行ってしまうマモにリーンは驚くけど、あてのないわたしたちはついていくしかなかった。
空間の中に入ると森のような場所が広がっていた。 マモから離れないようについていくと、マモが歩みを止めたのでわたしたちも止まる。 そこは三つの分かれ道になっていた。
「……考えるまでもなくワナだな」
マモは腕を組み考えるとわたしたちに向き直り聞いてくる。
「さて、キサマラはどうする?」
わたしたちは突然質問をされて互いの顔を見合わす。
「どれっていわれても……」
「神様のいう通りに進んでみるとか?」
「それか、ワナがあるかどうかが分かればいいんじゃないかな?」
クロロンは足元に落ちてた石ころを数個拾うと三方向にそれぞれ一個ずつ投げいれた。 ……しかし、なにもおこらなかった。
「あ、あれ?」
なにもおこらずクロロンは頭にハテナを浮かべる。
「そんな古典的な方法で分かったら苦労しないわよ」
「ご、ごめん」
スミレにいわれクロロンはしゅんとしてしまう。
「そういうキサマは何か分かるのか?」
「…………」
マモはスミレに問いかけるけど、スミレはムシをする。
「なんだ? 口だけか?」
「……うるさい……その顔と声でしゃべらないで」
スミレはマモをひと睨みすると、マモの横を抜けて分かれ道の前に立ちそれぞれの道をじっくりとみていた。
「…………」
真ん中を確認し終えて、左側の道の前に立った瞬間、草木が揺れる音がした。
「むらさきさん! あぶない!!」
「!?」
音がするのと同時にスミレの立っていた場所に無数のツルが襲いかかった。 それにいち早く気づいたクロロンがスミレを突き飛ばし、そのまま左側の道へと押し入れた。 クロロンも一緒に左側の道に倒れ滑り込んでいった。 そして、二人の入っていった道の入り口が植物の壁で塞がれてしまった。
「クロロン!! スミレ!!」
「クウくん!! スミちゃん!!」
「色野様! 守目様! 行ってはなりません!」
「……! ……みんな、とまれ!」
わたしとリーンは突然のことに二人のところへ走りだしてしまい、イブキくんとシアンが慌てて止めようとしたけど遅かった。 わたしとリーンに向かって植物が襲ってきて、イブキくんがわたしとリーンの手を引いて真ん中の道に転がるように滑り込んだ。 そして、左の道と同じように入り口を塞がれてしまった。
「シアン! マモ!」
わたしは倒れながら分断されてしまった二人を呼ぶと冷静なマモの声が聞こえてきた。
「分断されてしまったなら仕方ないな、キサマラはそのままその道を進め、そして、自分の身は自分で守れ」
マモは淡々と言葉を繋いでいく。 そんなマモにリーンは怒りを露わにしながら返す。
「なに!? 手伝ってくれるんじゃなかったの!? 無責任にも程があるよ!」
「『手を貸してやる』とは云ったが『守ってやる』なんて一言もいってないぞ」
「なっ!?」
冷たくいうマモの言葉にリーンは唖然とする。
「もう!! いいよ! わたしたちでなんとかするから! いくよ! あかりん、イブキくん」
「かしこまりました」
「あっ! まってよ!」
怒ったリーンはさっさと道の先に進んで行ってしまった。 それをイブキくんは落ち着いた様子でついていく。
「と、とにかく、わかったよ! シアンとマモ、クロロンとスミレも気をつけてね!」
わたしの言葉が届いたかは分からなかったけど、そう一言だけ伝えて、わたしは二人の後を追いかけた。
砂浜にマモの足跡が刻まれ、その後ろにわたしたちの足跡も刻まれていく。
「どこにむかってるの?」
「…………」
リーンの質問には答えず、ただひたすらどこかに向かっている感じだった。
「もう! ムシしないでよ」
「き、きっと、マモくんにも考えがあるんだよ」
「ああいうタイプは話をするだけムダよ」
マモにムシをされて不機嫌になってしまったリーンをクロロンとスミレがフォローする。
数分ぐらい砂浜を歩いているとマモはある『モノ?』の前で歩みを止めた。
「これだ」
「これって……」
わたしたちの前にあるのはとてもフシギなモノだった。 例えるなら、空間が裂けてる? 開いてる? ような場所にナニかの棒のようなモノで固定してあった。
「これって……つっぱり棒? なんで?」
リーンはその固定されてる棒をみて目を点にさせる。 シアンはそれをみて答えた。
「……たぶん……ねえの魔導具……それと、あれも」
「え!? あっちゃんの?」
シアンはその棒と空間の裂け目の下に置いてある水晶玉みたいなモノを指さしていう。
「ということは! シーニたちはこの中にいるってこと?」
「いくぞ」
わたしが棒と玉を交互にみながら考えていると、マモは空間の中に入っていった。
「えっ!? まさかの警戒心ゼロ!?」
「で、でもおいかけないわけにはいかないよね?」
すたすたと行ってしまうマモにリーンは驚くけど、あてのないわたしたちはついていくしかなかった。
空間の中に入ると森のような場所が広がっていた。 マモから離れないようについていくと、マモが歩みを止めたのでわたしたちも止まる。 そこは三つの分かれ道になっていた。
「……考えるまでもなくワナだな」
マモは腕を組み考えるとわたしたちに向き直り聞いてくる。
「さて、キサマラはどうする?」
わたしたちは突然質問をされて互いの顔を見合わす。
「どれっていわれても……」
「神様のいう通りに進んでみるとか?」
「それか、ワナがあるかどうかが分かればいいんじゃないかな?」
クロロンは足元に落ちてた石ころを数個拾うと三方向にそれぞれ一個ずつ投げいれた。 ……しかし、なにもおこらなかった。
「あ、あれ?」
なにもおこらずクロロンは頭にハテナを浮かべる。
「そんな古典的な方法で分かったら苦労しないわよ」
「ご、ごめん」
スミレにいわれクロロンはしゅんとしてしまう。
「そういうキサマは何か分かるのか?」
「…………」
マモはスミレに問いかけるけど、スミレはムシをする。
「なんだ? 口だけか?」
「……うるさい……その顔と声でしゃべらないで」
スミレはマモをひと睨みすると、マモの横を抜けて分かれ道の前に立ちそれぞれの道をじっくりとみていた。
「…………」
真ん中を確認し終えて、左側の道の前に立った瞬間、草木が揺れる音がした。
「むらさきさん! あぶない!!」
「!?」
音がするのと同時にスミレの立っていた場所に無数のツルが襲いかかった。 それにいち早く気づいたクロロンがスミレを突き飛ばし、そのまま左側の道へと押し入れた。 クロロンも一緒に左側の道に倒れ滑り込んでいった。 そして、二人の入っていった道の入り口が植物の壁で塞がれてしまった。
「クロロン!! スミレ!!」
「クウくん!! スミちゃん!!」
「色野様! 守目様! 行ってはなりません!」
「……! ……みんな、とまれ!」
わたしとリーンは突然のことに二人のところへ走りだしてしまい、イブキくんとシアンが慌てて止めようとしたけど遅かった。 わたしとリーンに向かって植物が襲ってきて、イブキくんがわたしとリーンの手を引いて真ん中の道に転がるように滑り込んだ。 そして、左の道と同じように入り口を塞がれてしまった。
「シアン! マモ!」
わたしは倒れながら分断されてしまった二人を呼ぶと冷静なマモの声が聞こえてきた。
「分断されてしまったなら仕方ないな、キサマラはそのままその道を進め、そして、自分の身は自分で守れ」
マモは淡々と言葉を繋いでいく。 そんなマモにリーンは怒りを露わにしながら返す。
「なに!? 手伝ってくれるんじゃなかったの!? 無責任にも程があるよ!」
「『手を貸してやる』とは云ったが『守ってやる』なんて一言もいってないぞ」
「なっ!?」
冷たくいうマモの言葉にリーンは唖然とする。
「もう!! いいよ! わたしたちでなんとかするから! いくよ! あかりん、イブキくん」
「かしこまりました」
「あっ! まってよ!」
怒ったリーンはさっさと道の先に進んで行ってしまった。 それをイブキくんは落ち着いた様子でついていく。
「と、とにかく、わかったよ! シアンとマモ、クロロンとスミレも気をつけてね!」
わたしの言葉が届いたかは分からなかったけど、そう一言だけ伝えて、わたしは二人の後を追いかけた。
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