私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

榎夜

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255話

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色々とわからない事ばかりですし、このような状況は当然初めてなので状況を理解するので精一杯ですが、そうは言っていられませんわ。

なんとか撒く方法がないか、と色々試しましたが全く意味がなかった、というのを考えたら多分その道の人とか、そんな感じでしょう。

だとすると、行動を間違えたら大変なことになってしまいますわよね。

そう思いながら眉間に皺を寄せていると、ネイトも私と同じことを思ったんでしょう。

「どうしますか?門を出ると一旦人通りの少ない道になってしまうので、何かしら行動してくる可能性がありますよ」

と声をかけてきましたわね。

確かに、この門を出ると

「そうは言っても、道を変えることも出来ないし、撒くことも出来ないでしょう?」

と言うと、実際に色々試した後だったので、ネイトがため息交じりで

「まぁ......そうですね」

と返事をしてきましたわね。

そんなネイトを見ていると、なんだか可哀そうと言いますか.......申し訳ない気持ちになってきますが、馬車の操縦が出来る人が限られているれているので仕方がありませんわ。

ここでヘタに馬車を止めた方が危険ですし、頑張ってもらうしかありません。

心の中でネイトに謝罪をしながら、皆に気付かれないように小さくため息をついていると、私とネイトが話をしている間にも、ユーリ達は

「門のところで一旦止まるじゃないですか。その時に、門番さん達にお願いして足止めしてもらうとかどうでしょう?」

「あぁ、それか順番を変えてもらう、とか?」

「検問の順番を入れ替えたとしても途中で待っていたら同じだから......その2択だと足止めが良いんじゃないかしら?」

と、どうにか後ろの馬車を撒くために話し合いをしていますわね。

ただ、検問の時に馬車を撒く、ですか.......。

上手く事が進んでくれたらいいですが、少し難しいような気がしますわよね。

だって、門番だって検問以外の仕事がありますし、足止めして欲しい、といっても精々10分かそこら辺が限界でしょう。

まぁ、この国に居た時と同じ門番の人だったら、私がお母様の娘だ、ということで、なんとかしてくれる可能性はありますが........そんなに都合のいいことがあるものなのか。

そう思いながら、ユーリ達の話に耳を傾けている間にも、門に近付いていますわよね。

うーん......もう考えてもどうしようも出来ない、というのが答えのような気がしますわ。

だって、最悪なことに私たちの中で襲われても戦えるような人は1人もいませんし、逃げる以外の方法はありませんもの。

「仕方がないわ。とりあえず、そのまま門に向かって、門番に事情を軽く話してみましょう」

そう言うと、ネイトはそれだとやっぱり不安な部分があるらしく

「で、ですがそう都合のいい話なんてあるわけが......」

とさっきまでの私の考えと同じようなことを言ってきましたわね。

なので、ネイトの気持ちは物凄くわかりますし、思わず頷きたくもなりますわ。

ですが、こうなってしまった以上、もうどうしようも出来ません。

「何もしないよりかはマシよ。もし無理だったら、また後で考えるしかありませんわ」

ハッキリとした口調でそう言う私に、ネイトも覚悟を決めたんでしょう。

「わかりました」

と頷くと、ゆっくりと馬車を門に向けて走らせましたわ。
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