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197話
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私の言葉を聞いたレオンハルト様とジャミン様は、最初こそ
「いや.....だが.....」
となんとかしようと考えたみたいですが、どうすることも出来ず、最終的に私の
「早く行かないと私が我儘を言っているみたいに思われてしまいますわ」
という言葉にハッとしたのか、出来るだけ早く戻ることを約束してその場を後にしました。
まぁ、最後の言葉に関してはそうでも言わないと2人とも私に気を遣って動いてくれないでしょうからね。
本当にそう思っている訳ではありませんし、出来ることならレオンハルト様だけでも隣にいて欲しいですわよ?
ですが、状況が状況なので仕方がありませんわ。
そんなことを思いながら、とりあえず人目につかないように、と壁にピッタリと背中をつける形で端の方に移動しました。
うーん......こうやって見ると、この国の令嬢たちは皆似たようなデザインのドレスを着ているんですのね。
流石に色は違いますが、スカートの形やリボンのついている位置、刺繍の位置なんかも同じですわ。
何か決まっていることとかがあるんでしょうか?
なんて思いながら令嬢たちの観察をしていると、
「公爵子息と第二王子にすり寄るなんて、何様のつもりなのかしら!?」
という甲高い声が耳に入ってきましたわ。
公爵子息と第二王子......そんな2人と一緒にいたのは私しかいない、ということで、絶対に私に話しかけてきていますわよね。
そう思って声のした方を見ると、そこには会場に入る前にわざわざ馬車までやってきたアーリナ様が私のことを睨みつけていて、その後ろにはしっかりと取り巻きの令嬢3人ほどを連れてきていますわ。
まぁ、誰かしら絡んでくるとは思っていましたが、まさか一度来た人がまた来るとは思ってもいなかったので、思わず
「アーリナ様、ですか」
とため息をついてしまいましたわよ。
すると、そんな私の言葉を聞いて
「あら?私は貴方なんかに名乗った記憶がありませんわよ?」
キョトンとした顔で首を傾げていますが、
「当然、レオンハルト様から聞いたに決まっているではありませんか」
と私が言うと、納得したような、嫉妬したような、複雑そうな顔をして顔を引きつらせていましたわ。
そんなアーリナ様を横目に、私は、というとずっと話をしたかった人がせっかく近くに来たので
「カティ様、お久しぶりですわね。まさかこのような形で再会してしまうとは思ってもいませんでしたわ」
と声を掛けましたの。
やっぱり、最後に挨拶が出来なかった、ということもありますし、私としてもカティ様に聞きたいことがあったので話がしたいと思っていましたのよ。
さて、急に声を掛けられたカティ様は、というと、当然ですが都合の悪そうな顔をして
「そ、それは.......」
と言葉を詰まらせていますわね。
アーリナ様はいわゆる私の敵、みたいなものですからね。
都合が悪いのは当然ですし、どんな顔をしたらいいのかもわかりませんわよね。
なんて思っていると、私とカティ様が会話をしているのを見て
「あら?カティ様はレオンハルト様を誑かしたこの女と元々のお知り合いでしたの?」
とアーリナ様が驚いた顔をしていますわ。
あら?私が伯爵家で家庭教師をしている、という話は既に伝わっていると思っていましたが.....思った以上に広まっていませんでしたのね。
「いや.....だが.....」
となんとかしようと考えたみたいですが、どうすることも出来ず、最終的に私の
「早く行かないと私が我儘を言っているみたいに思われてしまいますわ」
という言葉にハッとしたのか、出来るだけ早く戻ることを約束してその場を後にしました。
まぁ、最後の言葉に関してはそうでも言わないと2人とも私に気を遣って動いてくれないでしょうからね。
本当にそう思っている訳ではありませんし、出来ることならレオンハルト様だけでも隣にいて欲しいですわよ?
ですが、状況が状況なので仕方がありませんわ。
そんなことを思いながら、とりあえず人目につかないように、と壁にピッタリと背中をつける形で端の方に移動しました。
うーん......こうやって見ると、この国の令嬢たちは皆似たようなデザインのドレスを着ているんですのね。
流石に色は違いますが、スカートの形やリボンのついている位置、刺繍の位置なんかも同じですわ。
何か決まっていることとかがあるんでしょうか?
なんて思いながら令嬢たちの観察をしていると、
「公爵子息と第二王子にすり寄るなんて、何様のつもりなのかしら!?」
という甲高い声が耳に入ってきましたわ。
公爵子息と第二王子......そんな2人と一緒にいたのは私しかいない、ということで、絶対に私に話しかけてきていますわよね。
そう思って声のした方を見ると、そこには会場に入る前にわざわざ馬車までやってきたアーリナ様が私のことを睨みつけていて、その後ろにはしっかりと取り巻きの令嬢3人ほどを連れてきていますわ。
まぁ、誰かしら絡んでくるとは思っていましたが、まさか一度来た人がまた来るとは思ってもいなかったので、思わず
「アーリナ様、ですか」
とため息をついてしまいましたわよ。
すると、そんな私の言葉を聞いて
「あら?私は貴方なんかに名乗った記憶がありませんわよ?」
キョトンとした顔で首を傾げていますが、
「当然、レオンハルト様から聞いたに決まっているではありませんか」
と私が言うと、納得したような、嫉妬したような、複雑そうな顔をして顔を引きつらせていましたわ。
そんなアーリナ様を横目に、私は、というとずっと話をしたかった人がせっかく近くに来たので
「カティ様、お久しぶりですわね。まさかこのような形で再会してしまうとは思ってもいませんでしたわ」
と声を掛けましたの。
やっぱり、最後に挨拶が出来なかった、ということもありますし、私としてもカティ様に聞きたいことがあったので話がしたいと思っていましたのよ。
さて、急に声を掛けられたカティ様は、というと、当然ですが都合の悪そうな顔をして
「そ、それは.......」
と言葉を詰まらせていますわね。
アーリナ様はいわゆる私の敵、みたいなものですからね。
都合が悪いのは当然ですし、どんな顔をしたらいいのかもわかりませんわよね。
なんて思っていると、私とカティ様が会話をしているのを見て
「あら?カティ様はレオンハルト様を誑かしたこの女と元々のお知り合いでしたの?」
とアーリナ様が驚いた顔をしていますわ。
あら?私が伯爵家で家庭教師をしている、という話は既に伝わっていると思っていましたが.....思った以上に広まっていませんでしたのね。
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