私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

榎夜

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172話

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とりあえず、この令嬢には悪いですがここまで喧嘩を売られたんです。

無視するのも可哀そうだ、ということで、マウントを取っても構いませんわよね?

そう思ってレオンハルト様を見ると、私の考えが伝わっているのか、それともどのような行動をとっても良い、ということなのか。

私の方を見て小さく頷いてくれましたわ。

なので、多分どうなっても大丈夫、ですわよね。

なんて思いながら、大きく息を吸った私は、いまだにドヤ顔をして私のことを見ている令嬢にこう言いましたわ。

「あら?貴方はたかがそれだけでレオンハルト様を愛を育んだと思っていますの?」

まぁ、当然ですがこんなことを言われて黙っているわけがありませんわよね。

令嬢は、眉をピクッと上にあげたかと思ったら、ニッコリと笑いながら

「どういうことですの?」

と聞かれましたわ。

もちろん、口は笑っていますが、目は笑っていませんわよ。

そんな令嬢に、私はしっかりと満面の笑みを浮かべて

「だって、先ほどから聞いている限り、全てレオンハルト様が言ったことではないみたいですし........」

と言って、あえてジロジロと令嬢の来ているドレスを見ましたわ。

あぁ、変だから見ている、とかではありませんわよ?

赤いドレスにラメが入っていて凄く綺麗なドレスですし、布を見ても明らかに高そうな物を使っていると思いますわ。

きっと爵位の高い令嬢なんでしょうね。

なんて思いながら、私のことを睨みつけている令嬢に

「あぁ、ちなみに私はレオンハルト様としっかり愛を育んでいますわよ。その証拠にこのドレスも伯母様とレオンハルト様が連日悩んでデザインしてくれたものですし、今日もお揃いの布を使っていますの」

そう言って、見せつける様にスカートを靡かせると令嬢の表情が一気に変わったのがわかりましたわね。

「な、なんですって......?」

と小さな声で呟いてから私とレオンハルト様を交互に見ていますが.....きっと言われるまで気付いていなかったんでしょうね。

何度も何度も確認をして、私の言っていることが本当なんだ、と気付くと

「なんで貴方がレオンハルト様とお揃いの布のドレスを着ていますの!?私でもまだなのに!」

と叫んでいるではありませんか。

いやいや.....私でもまだなのに、というのは理解が出来ませんわね。

だって、この令嬢とレオンハルト様は何も関りがないんですのよ?

それなのに、なぜここまで自信満々なのか......。

ここまでハッキリと私の存在を見せつけているのに、レオンハルト様と両思いだと思っている時点でおかしいんですのよね。

そう思いながら、わざとらしくため息をついた私は

「あら?なぜ婚約者でもない貴方とレオンハルト様がお揃いの物を着れると思っていますのよ。ありえませんわよ」

とバッサリと令嬢に言って差し上げましたわ。

すると、流石にこれには何も言い返すことが出来ないのか、令嬢は下を向いて黙り込みましたわね。

なんだか急に黙り込んだので驚きましたが......これで令嬢の主張は終わり、ということでいいんですのよね?


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