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171話
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令嬢が話をしてきた内容というのは、愛を育んだというよりはレオンハルト様に言われたいことを並べたかのような内容ばかりで、例えば
「沢山いる令嬢の中から私ではない令嬢をダンスの相手に選んでいましたが、私への愛が強すぎて周りに気付かれないように気を遣ってくれていた」
とのことですが、レオンハルト様が首を横に振って
「いやいや.....他の令嬢に次のパーティーで、と言ってしまったからそっちを優先しただけで、何も考えていないよ」
と私にだけ聞こえるくらいの声の大きさで説明してくれましたわ。
他にも、学園で私にだけ熱い視線をー.....とか、パーティーで令嬢に囲まれているのは私に嫉妬をさせるためでー.....など、誰がどう聞いてもあり得ないとわかるようなことを並べては、自信満々の顔をしていましたわ。
まぁ、レオンハルト様が1つ1つに否定をしていってくれたので、たまに
「え?これは.....」
という怪しいものを聞いても勘違いせずに済みましたわ。
うーん.....ここまで勘違いが激しいと何を言っても自分の良い様に考えてしまうので相当厄介ですわね。
どうにかして、レオンハルト様は令嬢に何の感情も持っていないし、全て勘違いだ、と伝えられたらいいんですが.....。
そんなことを思っている間にも、令嬢はレオンハルト様の話を終えたみたいで
「これだけ聞いたら私がどれほどレオンハルト様に愛されているか、わかったんじゃありませんか?」
とドヤ顔をして私の方を見ていますわね。
どれだけ愛されているのか、ですか.......。
正直、わかったことはこの令嬢が想像力が高い、ということだけでしたわ。
レオンハルト様もドヤ顔ウィしている令嬢に鋭い視線を向けながら
「何度も言うけど、全て勘違いだし妄想だからね」
と私にしっかりと、今言っていることが全て嘘だ、と言っていますしね。
これには私も
「えぇ、わかっていますわ」
とは頷きましたが.....どうしましょう?
ここは無視をして馬車の中に乗り込む、というのが一番だったり........いや、ですが、そんなことをしてもこの令嬢の様子を見ていると馬車のドアをこじ開けてでも中に入ってきそうですわよね。
となれば、私とレオンハルト様がこの令嬢よりも親密の関係だ、ということを思い知らせるのが一番なんでしょうか?
そう思った私は、チラッとレオンハルト様を見ると、どうやら同じことを考えていたみたいで、しっかりと目が合いました。
当然ですが私とレオンハルト様が親密の仲だと証明するものは少ないですわ。
だって、まだ出会ってから期間が短いんですもの。
ただ、1つ違うのはこの令嬢とは違って妄想なんかではなく全て本当のことを言えますのよね。
例えば、週に2回、レオンハルト様は公爵家に来て私と2人きりでお茶を楽しんでいる、という、妄想ではなく本当にあったことの話を令嬢に聞かせるだけでショックを受けてくれると思いますのよね。
なぜなら、この令嬢はレオンハルト様と2人きりでお茶をしたことがないから。
そう考えると、この令嬢に対してマウントを取るような形になってしまいますが、どうにか言い返すことは出来そうですわね。
「沢山いる令嬢の中から私ではない令嬢をダンスの相手に選んでいましたが、私への愛が強すぎて周りに気付かれないように気を遣ってくれていた」
とのことですが、レオンハルト様が首を横に振って
「いやいや.....他の令嬢に次のパーティーで、と言ってしまったからそっちを優先しただけで、何も考えていないよ」
と私にだけ聞こえるくらいの声の大きさで説明してくれましたわ。
他にも、学園で私にだけ熱い視線をー.....とか、パーティーで令嬢に囲まれているのは私に嫉妬をさせるためでー.....など、誰がどう聞いてもあり得ないとわかるようなことを並べては、自信満々の顔をしていましたわ。
まぁ、レオンハルト様が1つ1つに否定をしていってくれたので、たまに
「え?これは.....」
という怪しいものを聞いても勘違いせずに済みましたわ。
うーん.....ここまで勘違いが激しいと何を言っても自分の良い様に考えてしまうので相当厄介ですわね。
どうにかして、レオンハルト様は令嬢に何の感情も持っていないし、全て勘違いだ、と伝えられたらいいんですが.....。
そんなことを思っている間にも、令嬢はレオンハルト様の話を終えたみたいで
「これだけ聞いたら私がどれほどレオンハルト様に愛されているか、わかったんじゃありませんか?」
とドヤ顔をして私の方を見ていますわね。
どれだけ愛されているのか、ですか.......。
正直、わかったことはこの令嬢が想像力が高い、ということだけでしたわ。
レオンハルト様もドヤ顔ウィしている令嬢に鋭い視線を向けながら
「何度も言うけど、全て勘違いだし妄想だからね」
と私にしっかりと、今言っていることが全て嘘だ、と言っていますしね。
これには私も
「えぇ、わかっていますわ」
とは頷きましたが.....どうしましょう?
ここは無視をして馬車の中に乗り込む、というのが一番だったり........いや、ですが、そんなことをしてもこの令嬢の様子を見ていると馬車のドアをこじ開けてでも中に入ってきそうですわよね。
となれば、私とレオンハルト様がこの令嬢よりも親密の関係だ、ということを思い知らせるのが一番なんでしょうか?
そう思った私は、チラッとレオンハルト様を見ると、どうやら同じことを考えていたみたいで、しっかりと目が合いました。
当然ですが私とレオンハルト様が親密の仲だと証明するものは少ないですわ。
だって、まだ出会ってから期間が短いんですもの。
ただ、1つ違うのはこの令嬢とは違って妄想なんかではなく全て本当のことを言えますのよね。
例えば、週に2回、レオンハルト様は公爵家に来て私と2人きりでお茶を楽しんでいる、という、妄想ではなく本当にあったことの話を令嬢に聞かせるだけでショックを受けてくれると思いますのよね。
なぜなら、この令嬢はレオンハルト様と2人きりでお茶をしたことがないから。
そう考えると、この令嬢に対してマウントを取るような形になってしまいますが、どうにか言い返すことは出来そうですわね。
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