私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

榎夜

文字の大きさ
153 / 344

153話

しおりを挟む

そんなことを思っているうちにも、陛下が待っている応接室?に到着した.....のは良いですが、当然のようにノックをすることなくバンっ、と大きな音を立てて扉を開きましたわ。

これには流石のレオンハルト様も

「ふ、夫人?ノックくらいは常識的にしないと.....」

と言っていますが、その間にも伯母様はスタスタと部屋の中に入って行ってしまいましたわね。

まぁ、私としてはそんな伯母様の行動が面白くて、いくらでも見ていられる....というのが本音ですが.......陛下達が中に居たら怒られないんでしょうか?

私がもし、カイン様達の前でこのようなことをしたら相当怒られますし、それどころか爵位降格の可能性もありますわよ。

そう思いながら、レオンハルト様にエスコートをされて伯母様の後に続くと、まさかの

「はぁ......結構ここまで遠いのよね」

なんて言いながら、既に椅子に座っていて驚きましたわ。

だって、正面に陛下と王妃もいますのよ?

それなのに、これほどまで礼儀のなっていないことを........。

衝撃のあまり、レオンハルト様に手を引かれているのも忘れて立ち止まってしまいましたわよ。

そんな私の様子にすぐに気付いたレオンハルト様が心配そうな顔をしていましたが.......逆になぜ驚かないのか、と聞きたいですわ。

なんて思っていると、椅子に座っている伯母様が急にこっちを向いたかと思ったら

「セリスティア、レオ、早く座りなさいな」

そう言って、空いている伯母様の隣の席を指さしていますわね。

さも自分の家のような言い方をしていますが.......え?目の前に座っている人のことは見えていないんでしょうか?

それとも、実は陛下達よりも伯母様の方が上か同じくらいの立場で、挨拶のような面倒事は必要ない、ということになったとか?

......いやいや、陛下よりも上の立場なんてあり得ませんし、同等の、とか言われても納得できませんわよね。

本当に何が起こっているのか、状況も把握できませんわ。

そう思いながら、レオンハルト様と2人、陛下達の近くに行くと、伯母様は用意されたお茶を早速飲んでいますわね。

その様子を王妃はニコニコしながら眺めていますし、陛下も慣れているのか全く気にする気配がないですわ。

ですが、私としてはこのまま挨拶もなく座るわけにはいかない、と思って一応

「お、伯母様?もう少し、こう.......挨拶のようなものは.....」

と尋ねると

「そんなの気にしなくていいのよ」

「あぁ、いつものことだし大丈夫だ。2人も挨拶は良いから座ってくれ」

伯母様も陛下も当然のようにそう言って椅子を勧めてくれましたが、いつものことって......。

ま、まぁ......陛下が良いというなら構いませんが.......もしかして、この国の陛下は相当心の広い人、とかなんですの?

そうじゃなかったら、この状況が理解出来ませんわよ?

なんて思いながらも、とりあえず勧められた椅子に腰をかけましたわ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

そんなに妹が好きなら死んであげます。

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。 『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』 フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。 それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。 そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。 イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。 異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。 何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

幼馴染の婚約者を馬鹿にした勘違い女の末路

今川幸乃
恋愛
ローラ・ケレットは幼馴染のクレアとパーティーに参加していた。 すると突然、厄介令嬢として名高いジュリーに絡まれ、ひたすら金持ち自慢をされる。 ローラは黙って堪えていたが、純粋なクレアはついぽろっとジュリーのドレスにケチをつけてしまう。 それを聞いたローラは顔を真っ赤にし、今度はクレアの婚約者を馬鹿にし始める。 そしてジュリー自身は貴公子と名高いアイザックという男と結ばれていると自慢を始めるが、騒ぎを聞きつけたアイザック本人が現れ…… ※短い……はず

夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた

今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。 レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。 不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。 レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。 それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し…… ※短め

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

(完)そんなに妹が大事なの?と彼に言おうとしたら・・・

青空一夏
恋愛
デートのたびに、病弱な妹を優先する彼に文句を言おうとしたけれど・・・

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

処理中です...