80 / 344
79話
しおりを挟む伯母様に聞きたいことがあるので早速部屋を出ようと扉に向かいましたが、余程伯母様に直接話をして欲しくないんでしょうね。
ユーリもディアも、私が外に出ないように、としっかり扉をガードしていますわ。
はぁ.....流石にドレスを着たままでは2対1の争いは不利だ、と判断した私は伯母様から直接聞きたかったですが
「どういうこと?」
とさっきの言葉について尋ねると、ユーリもディアも顔を見合わせて少しの間の後に、ぽつりぽつり、と話をしてくれましたわ。
すると、どうやら夫人は、自分のお気に入りのドレスを着たいけど年齢的に無理だ、着ることもなく、でも本当に気に入っているので捨てることが出来ない、という状況でクローゼットに眠らせていたドレスがあったんですって。
ですが、流石に数年間もクローゼットの中にあったので、処分しないと.....と思いながらも躊躇していたところに私が来たらしく、その時にふと思いついたのが、せっかく捨てるんだったらリメイクして私....つまりセリスティアにプレゼントをしたらいいんじゃないかしら?と最近思いたんだとか。
このドレスは、数枚あるお気に入りのドレスの中でも一番のお気に入りなんですって。
つまり、夫人のお下がり、と言っても過言ではないドレス、と言うことですわね。
私としてはそれは嬉しいですわよ。
そのようなドレスを貰って嬉しくない人はいない、と思っているくらいには嬉しいです。
ですが、私で良いのかな?と言うのが気になって仕方ありませんわよね。
だって、アルトの婚約者....ティファー様もいますし、別に私じゃなきゃいけない、ということはないじゃないですか。
この家と関りがあると言っても苗字は違うんですし、だったら公爵夫人になるティファー様に渡した方が良いような気がします。
いや、そんな理由なんかよりも、ここまで良くしてもらってお下がりまで貰えるなんて想定外すぎてまだ頭が追い付いていませんわよ。
貴族の中ではドレスやアクセサリーのお下がり、というのは重要な意味があると聞いたことがありますわ。
私は、その意味がどのようなものなのかわかりませんが、きっと夫人だったら意味も理解して私に渡したはずです。
なんて思っていましたが、2人は
「夫人はお嬢様に来てもらうために相当悩んでデザインを直したんです。なので、ぜひ受け取ってください!」
「私からもお願いしますっ!」
と、本当に心の底からのお願いを私にしてきましたわ。
普段から頭を下げて挨拶をするような立場にありますが、今の2人はその時と比べ物にならないくらい真剣な表情で、流石にこのような姿を見て断ることが出来ない、と思った私は
「わ、わかりましたわ。でも、後でお礼にはいきますわよ?」
小さくため息をついた後にそう言うと、2人とも満面の笑みで
「「わかりました!」」
と返事をしていましたわ。
きっとこの2人のことなので、ここまで必死にお願いするのには何かしらの理由があるんでしょうしね。
お下がりのドレスを貰って、嫌だ、というわけではありませんし、喜んで受け取りましょう。
30
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
幼馴染の婚約者を馬鹿にした勘違い女の末路
今川幸乃
恋愛
ローラ・ケレットは幼馴染のクレアとパーティーに参加していた。
すると突然、厄介令嬢として名高いジュリーに絡まれ、ひたすら金持ち自慢をされる。
ローラは黙って堪えていたが、純粋なクレアはついぽろっとジュリーのドレスにケチをつけてしまう。
それを聞いたローラは顔を真っ赤にし、今度はクレアの婚約者を馬鹿にし始める。
そしてジュリー自身は貴公子と名高いアイザックという男と結ばれていると自慢を始めるが、騒ぎを聞きつけたアイザック本人が現れ……
※短い……はず
夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた
今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。
レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。
不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。
レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。
それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し……
※短め
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる