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27話 お世話になりました
しおりを挟む私とメイリスが王宮に到着すると、ギルドから話を聞いていたのか、すぐに陛下との謁見が用意されていた。
謁見の間に入るともう陛下が座っていたので2人で頭を下げると
「頭を下げなくてもいい。私とシエラ嬢とメイリスの仲ではないか」
と言った。
陛下は相変わらず豪快な笑い声を響かせていたが、急に真面目な顔になった。
結構長い間、王宮にいるけどこんなに真面目な顔を見るのは初めてだった。
「シエラ嬢、メイリスよ、ワイバーンの討伐ご苦労だった。ハルエット国の代表として礼を言う」
やっぱりギルドから連絡があったんだと思いながらも、恐縮です、と返すと
「国へ戻ると聞いた。だが、正直な話まだ居て欲しい。......なんなら王宮に住んでもいい。実力的も、爵位をあげてもいいくらいだ。だから永住することを考えてくれないか?」
私としては凄くありがたい話だった。
正直、まだ戻りたくはないし、やっと掴んだ自由だ。今の私の生活は、憧れていた生活そのものだったから。
.........でも
「申し訳ございません。これ以上家を空けて、父上に迷惑をかけれませんし、それに......」
これは言ってもいいものか、と護衛の人から聞いた話を言うか悩んだ。
隣のメイリスを見ると、同じことを思ったのか何か考え事をしているみたいだった。
すると、
「............ナリス国の作物の不作、兵力の低下がシエラ嬢の責任だと思っているのだな?」
と陛下が言った。
まさか、他国にまで伝わっているとは思っていなかったから、少し動揺してしまった。
「なぜそれを...」
「実はシエラ嬢が聖女だったと聞いてから、ナリス国のことを調べたのだ」
「そうだったんですね...」
「あんな扱いをした旦那のところに戻るのか?」
陛下は心配そうな顔をして聞いてきた。
でも......
「私はあの人のために戻るのではありません。ナリス国の人達のためにもどるのです」
ちゃんと離婚しましたし、と苦笑すると、陛下は深いため息をついた後に
「ここまで言っても戻ると決めたのなら仕方ない。だが、たまにでいいから我が国にも顔を出してはくれぬか?」
と言った。
そんなこと、返事は考えなくても決まっている。
「勿論です!......あ、父とナリス国の陛下に聞いてからになりますけど...」
「ふははは!それは勿論だとも!」
ハルエット国の陛下の豪快な笑いが結構好きだった。ナリス国とは違って素で話してくれている気がして...。
私とメイリスは、陛下にお礼を告げてから謁見の間をあとにした。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
シエラとメイリスが謁見の間を出た後、フォストが凄い勢いで扉を開けて入ってきた。
「父上!!シエラが国に帰るって本当ですか!?」
「フォストか。今2人と挨拶が終わったところだ」
「そうですか......」
あからさまに寂しがるフォストを見て陛下は苦笑していたが、少ししてからフォストがなにか思いついたように顔を上げた。
なんだか嫌な予感がする...。と思っていると
「そうだ!父上!俺、シエラについて行ってもいいですか?」
......やっぱり、うちの息子は突拍子もないことばかり言ってくる。
そんなに目を輝かせて聞かれるとダメとは言えないだろう。
「はぁ......止めても聞かないだろう?好きにしろ」
やった!と小さくガッツポーズをしてから準備をするらしく、フォストは急いで謁見の間を後にした。
「......息子の恋か。応援してやりたいが、難しい話だな」
相手は隣国の令嬢。しかも、聖女だ。ナリス国からしたら国内の子息と結婚させたいだろう。
まぁ、その結婚相手選びに失敗して、今回の馬鹿げた家出事件が起こってしまったのだが...。
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