旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~

榎夜

文字の大きさ
16 / 50

14話 ギルドマスターです

しおりを挟む
ギルドの奥に案内された私とメイリスは、置いてあるソファーに腰をかけていた。

正面にはさっきの男性と受付のお姉さんが座っている。


「紹介が遅れたな。俺はギルドマスターをしているガルだ」

すると、隣に座っているお姉さんは、はいはーい、と手を挙げて

「私は副ギルドマスターのサーヤって言います!」

と言った。

「えっ!副ギルドマスターでしたの?」

私は驚いて少し失礼なことを言ってしまった。しかし、サーヤは全く気にしていないようで

「副、なんて付いてるけど歴が長いだけで名前だけですよ!受付は私が好きでやってるんです!」

そう言うサーヤは本当に受付が好きなんだろうな、とわかるくらい楽しそうにしていた。

「そうだったんですの」

そんな話をしていると、ガルは

「そんなことより、2人は聖女と愛子のことは知っているか?」

と聞いてきた。隣で、そんなことって何よー!とサーヤが言っているのをガルは聞こえないふりしていた。


「いえ...私もメイリスも急にそんなことを言われて戸惑ってますの」

ねぇ、メイリス。と言うと

「はい。確かに、私もお嬢様も他の人よりは魔力も身体能力も高いですが、これくらいそこら辺にいると思ってましたので」

とメイリスも頷いた。

メイリスの言葉に何か引っかかることがあったのか、ガルは眉をひそめながら

「......少し気になったんだが、2人はどこから来たんだ?お嬢様って呼ばれてるってことは貴族かなんかだろ?」

と聞いてきた。

「私達はナリス国から来ましたの」

「ほぉ、なぜ わざわざ隣国に来て冒険者登録を?ナリスでも出来ただろ?」

...ガルさんは疑ってるのかしら?少し空気がピリついた気がしますわ。

私は、嘘を言ってもしょうがないので理由は言わず、説明した。

「私は昔から冒険者になりたかったんですの。でも両親に反対されたので、諦めていましたが色々あって......国を出て冒険者になろうと思いましたの」

「色々.......か。何とは聞かないが」

そう言うとさっきのピリついた空気がいくらかなくなった。ガルは溜息をついた後、

「聖女というのは国の結界を維持する為に常に魔力を吸い取られる。国を出ることによって魔力が吸い取られなくなる......知っていたか?」

と聞いてきた。もちろん初めて聞く内容だった。

「いえ、聖女だというのも先程知りましたし......あ、だから国を出てから調子が良かったんですのね」

国を出てフォスト達を治療する時に物凄く治癒魔法の調子が良かった。もしかすると、今まで無意識に魔力を消費していたから本来の力が出せなかったのね。

ガルとの話が一区切りついてから

「んじゃ、私からは愛子の説明しますねっ!」

そう言って、サーヤはピョンっとソファーの上に立ち上がった。

「愛子っていうのは、字のままですが精霊に愛されている子、のことを言います!今確認されてる愛子はメイリスさんを合わせて4人です!火が2人、水が1人、風が、メイリスさん貴方です!」

ビシっとメイリスを指差すサーヤは何故かドヤ顔気味になっていた。
一方、メイリスは指を刺されたことに少し戸惑いながらもそれを聞いていた。

「意外と少ないんですね」

とメイリスが言うと

「愛子は自覚さえ芽生えると、精霊とお話することも出来ますし、精霊の力を借りて戦うことも、国を良くすることも出来ます!なので愛子は、誘拐されたりとかもあるので注意して下さいね!!」

お話できるなんて羨ましいです!とサーヤは言うが流石に最後に言ったことをスルー出来なかった。

「さらっと言いましたが、最後のは衝撃的ですわ」

メイリス、気をつけるのよ。と私が言うと

「本当ですね。私が誘拐なんてされたらお嬢様がどうなるんだって話ですよ」

と想像していた言葉と違う言葉が返ってきた。

「いや、そういう意味で言ったわけじゃありませんのよ?」

メイリスがいなくなるのは確かに困りまくりですが、それよりメイリスが危険な目に合う方が嫌なんですが...

そんなことを思っていると、少し気になることがあった。

「あら?愛子はそういうことがあるのに、聖女は誘拐みたいな危険はないんですの?」

と聞くとガルが答えてくれた。

「あぁ、聖女も無いとは言えんが前に聖女を誘拐した国が潰れかけたことがあってな。それから皆やらなくなった、ってとこだ」

なるほど...聖女に何かあったら国自体に影響があるんですね。.........あれ?ということは今のナリス国は結構ヤバい状態なのでは?



メイリスを見ると同じことを考えていたみたいで、少し顔が強ばっていた。

...何も起こってなければいいのですが。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幼馴染の王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。

藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。 何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。 同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。 もうやめる。 カイン様との婚約は解消する。 でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。 愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません! 一度完結したのですが、続編を書くことにしました。読んでいただけると嬉しいです。 いつもありがとうございます。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。

殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。

和泉鷹央
恋愛
 雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。  女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。  聖女の健康が、その犠牲となっていた。    そんな生活をして十年近く。  カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。  その理由はカトリーナを救うためだという。  だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。  他の投稿サイトでも投稿しています。

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

私のことは愛さなくても結構です

ありがとうございました。さようなら
恋愛
サブリナは、聖騎士ジークムントからの婚約の打診の手紙をもらって有頂天になった。 一緒になって喜ぶ父親の姿を見た瞬間に前世の記憶が蘇った。 彼女は、自分が本の世界の中に生まれ変わったことに気がついた。 サブリナは、ジークムントと愛のない結婚をした後に、彼の愛する聖女アルネを嫉妬心の末に殺害しようとする。 いわゆる悪女だった。 サブリナは、ジークムントに首を切り落とされて、彼女の家族は全員死刑となった。 全ての記憶を思い出した後、サブリナは熱を出して寝込んでしまった。 そして、サブリナの妹クラリスが代打としてジークムントの婚約者になってしまう。 主役は、いわゆる悪役の妹です

婚約者が妹と婚約したいと言い出しましたが、わたしに妹はいないのですが?

柚木ゆず
恋愛
婚約者であるアスユト子爵家の嫡男マティウス様が、わたしとの関係を解消して妹のルナと婚約をしたいと言い出しました。 わたしには、妹なんていないのに。  

【長編版】この戦いが終わったら一緒になろうと約束していた勇者は、私の目の前で皇女様との結婚を選んだ

・めぐめぐ・
恋愛
神官アウラは、勇者で幼馴染であるダグと将来を誓い合った仲だったが、彼は魔王討伐の褒美としてイリス皇女との結婚を打診され、それをアウラの目の前で快諾する。 アウラと交わした結婚の約束は、神聖魔法の使い手である彼女を魔王討伐パーティーに引き入れるためにダグがついた嘘だったのだ。 『お前みたいな、ヤれば魔法を使えなくなる女となんて、誰が結婚するんだよ。神聖魔法を使うことしか取り柄のない役立たずのくせに』 そう書かれた手紙によって捨てらたアウラ。 傷心する彼女に、同じパーティー仲間の盾役マーヴィが、自分の故郷にやってこないかと声をかける。 アウラは心の傷を癒すため、マーヴィとともに彼の故郷へと向かうのだった。 捨てられた主人公がパーティー仲間の盾役と幸せになる、ちょいざまぁありの恋愛ファンタジー長編版。 --注意-- こちらは、以前アップした同タイトル短編作品の長編版です。 一部設定が変更になっていますが、短編版の文章を流用してる部分が多分にあります。 二人の関わりを短編版よりも増しましたので(当社比)、ご興味あれば是非♪ ※色々とガバガバです。頭空っぽにしてお読みください。 ※力があれば平民が皇帝になれるような世界観です。

婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました

日下奈緒
恋愛
アーリンは皇太子・クリフと婚約をし幸せな生活をしていた。 だがある日、クリフが妹のセシリーと結婚したいと言ってきた。 もしかして、婚約破棄⁉

何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります

Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。 自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。 彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。 そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。 大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…

処理中です...