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10話 マノン
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~ マージェン家にて 『マノンside』~
王宮で話が終わった後、マージェン夫妻とマノンは一旦、家に帰ってきていた。
馬車の中では終始無言で重たい空気が流れていたが家に着くなり、父上に怒鳴られた。
「貴様は...大変なことをしてくれたな!」
「そんな...っ!父上こそ、シエラのことを知っていたのだったら教えてくれても良かったじゃありませんか!」
と俺は顔を真っ赤にさせて叫んだ。
そんなに大事な事だったらなぜ教えてくれてくれなかったんだ。知っていたら、俺だってそれなりにシエラを大切にしたのに...。
「はぁ...陛下に教えるな、と言われたんだ。知らなくとも、お前が結婚を承諾した時点でシエラ嬢を大事にしなければならないのはわかりきってることだろう!?」
「だって、リリーが俺のところに来てくれたんですよ!?断れるわけないじゃないですか!」
そうだ。1回断られたがリリーは戻ってきてくれた。やっぱり俺のことが好きだから戻ってきたんだろう。
父上は呆れた、という表情をしてから
「だってとかではない!大体、あの女はお前の他にも男なんて沢山いるし、誰の子供かなんてわかったものじゃない!」
と言った。
それは衝撃な事実だった。リリーは俺の他にも男がいたのか?俺はリリーしかいなかったのに...。あんなに毎日会っていたのにいつ?いや、そんな訳ない。
そんなことを考えていると
「貴様とは縁を切る!まさか、こんなにも愚かだったとは...自分の息子ながらも情けないわ!」
そう言って父上は立ち去ろうとした。
俺は咄嗟に
「待ってください!父上!」
と呼び止めた。だが、そんな俺を冷たい目で見つめ、
「貴様が仕出かしたせいで、いくら違約金がかかるかわかっているのか?儂らに払うような金はない!」
そう言われた。
「それは...兄上に頼んで...」
「嫌だよ」
と後ろから父上とは違う声が聞こえた。
振り返るとそこには兄上が立っていた。
兄上は冷たい目で俺を見つめていた。なぜ兄上までそんな目で俺を見るんだ...。
「なぜ、俺がお前の仕出かした違約金を払わなきゃいけないの?」
なぜって...実の弟だぞ?兄上は俺がどうなってもいいっていうのか......?
「なぜです!兄上は俺を助けてくれないんですか!?」
と俺は兄上に詰め寄った。
「ねぇ、マノン。俺はお前に何回も言ったよね?リリー・アバズリーに付きまとうのはやめろって。それを聞かなかったのは誰?」
「それは......」
「シエラ様と結婚するならあの男爵令嬢に二度と会うなって言ったよね?」
「お、俺から会いに行った訳ではありません!」
そうだ。あっちから会いに来たんだ。俺はリリーを諦めてシエラと結婚するって決めたのに。
兄上はそういえば、と何かを思い出したように
「外交を手伝っていた時、アバズリー男爵のところにも挨拶に行ったんじゃない?」
と聞いてきた。
「.........行きました」
「お前、外交での話を持ち帰ることなく、大体の事はその場で判断しているみたいだな。そのせいで当主がお前になった、とかいう変な噂が出回っていた」
「そんな...」
それはシエラが万が一のことを考えて何パターンものやり取りを想定した資料をマノンに渡しているからで、
何かあったらすぐに側近に連絡を頼んでいたからマノンが判断してる訳では無い。
でも、周りから見たら全てマノンが判断しているように見えたに違いない。
兄上はふっ、と鼻で笑って
「そうじゃなきゃ、お前ごときに愛人にしてくれなんて言うわけがないよな」
そう言ってきた。
「兄上までリリーを侮辱するんですか!リリーはそんな子じゃない!」
リリーはそんな損得を考えるような子じゃない!そう言うと兄上は驚いた顔をした。
「お前はあの女の噂を知っていてそんなことを言っているのか?」
「噂...?」
「地位の高い男にばっかり媚びを売りまくって、全て玉砕していると色んなところで言われているぞ」
とクスクスと笑って、あんな娼婦に引っかかるのはバカだけだ。と続けた。
俺は反論しようと思ったがそれは父上によって遮られた。
「シエラ嬢を探しに行くんだろう?早く行かないと、どんどん離れていくんではないか?もし、連れ帰れたら、離縁の話は考えてやろう」
早く出ていけと言われているみたいで俺は逃げるように家から出た。
月一で貰っていた給料も全部リリーに使っていたから、今の俺は一文無しだ。お金が無いから馬車は使えない。全て徒歩で移動しなければ。
そう考えながら、ふらふらとマージェン家を後にした。
...とりあえず、隣国へ向かおう。ハルエット国かサニエル国のどちらかだろう。
王宮で話が終わった後、マージェン夫妻とマノンは一旦、家に帰ってきていた。
馬車の中では終始無言で重たい空気が流れていたが家に着くなり、父上に怒鳴られた。
「貴様は...大変なことをしてくれたな!」
「そんな...っ!父上こそ、シエラのことを知っていたのだったら教えてくれても良かったじゃありませんか!」
と俺は顔を真っ赤にさせて叫んだ。
そんなに大事な事だったらなぜ教えてくれてくれなかったんだ。知っていたら、俺だってそれなりにシエラを大切にしたのに...。
「はぁ...陛下に教えるな、と言われたんだ。知らなくとも、お前が結婚を承諾した時点でシエラ嬢を大事にしなければならないのはわかりきってることだろう!?」
「だって、リリーが俺のところに来てくれたんですよ!?断れるわけないじゃないですか!」
そうだ。1回断られたがリリーは戻ってきてくれた。やっぱり俺のことが好きだから戻ってきたんだろう。
父上は呆れた、という表情をしてから
「だってとかではない!大体、あの女はお前の他にも男なんて沢山いるし、誰の子供かなんてわかったものじゃない!」
と言った。
それは衝撃な事実だった。リリーは俺の他にも男がいたのか?俺はリリーしかいなかったのに...。あんなに毎日会っていたのにいつ?いや、そんな訳ない。
そんなことを考えていると
「貴様とは縁を切る!まさか、こんなにも愚かだったとは...自分の息子ながらも情けないわ!」
そう言って父上は立ち去ろうとした。
俺は咄嗟に
「待ってください!父上!」
と呼び止めた。だが、そんな俺を冷たい目で見つめ、
「貴様が仕出かしたせいで、いくら違約金がかかるかわかっているのか?儂らに払うような金はない!」
そう言われた。
「それは...兄上に頼んで...」
「嫌だよ」
と後ろから父上とは違う声が聞こえた。
振り返るとそこには兄上が立っていた。
兄上は冷たい目で俺を見つめていた。なぜ兄上までそんな目で俺を見るんだ...。
「なぜ、俺がお前の仕出かした違約金を払わなきゃいけないの?」
なぜって...実の弟だぞ?兄上は俺がどうなってもいいっていうのか......?
「なぜです!兄上は俺を助けてくれないんですか!?」
と俺は兄上に詰め寄った。
「ねぇ、マノン。俺はお前に何回も言ったよね?リリー・アバズリーに付きまとうのはやめろって。それを聞かなかったのは誰?」
「それは......」
「シエラ様と結婚するならあの男爵令嬢に二度と会うなって言ったよね?」
「お、俺から会いに行った訳ではありません!」
そうだ。あっちから会いに来たんだ。俺はリリーを諦めてシエラと結婚するって決めたのに。
兄上はそういえば、と何かを思い出したように
「外交を手伝っていた時、アバズリー男爵のところにも挨拶に行ったんじゃない?」
と聞いてきた。
「.........行きました」
「お前、外交での話を持ち帰ることなく、大体の事はその場で判断しているみたいだな。そのせいで当主がお前になった、とかいう変な噂が出回っていた」
「そんな...」
それはシエラが万が一のことを考えて何パターンものやり取りを想定した資料をマノンに渡しているからで、
何かあったらすぐに側近に連絡を頼んでいたからマノンが判断してる訳では無い。
でも、周りから見たら全てマノンが判断しているように見えたに違いない。
兄上はふっ、と鼻で笑って
「そうじゃなきゃ、お前ごときに愛人にしてくれなんて言うわけがないよな」
そう言ってきた。
「兄上までリリーを侮辱するんですか!リリーはそんな子じゃない!」
リリーはそんな損得を考えるような子じゃない!そう言うと兄上は驚いた顔をした。
「お前はあの女の噂を知っていてそんなことを言っているのか?」
「噂...?」
「地位の高い男にばっかり媚びを売りまくって、全て玉砕していると色んなところで言われているぞ」
とクスクスと笑って、あんな娼婦に引っかかるのはバカだけだ。と続けた。
俺は反論しようと思ったがそれは父上によって遮られた。
「シエラ嬢を探しに行くんだろう?早く行かないと、どんどん離れていくんではないか?もし、連れ帰れたら、離縁の話は考えてやろう」
早く出ていけと言われているみたいで俺は逃げるように家から出た。
月一で貰っていた給料も全部リリーに使っていたから、今の俺は一文無しだ。お金が無いから馬車は使えない。全て徒歩で移動しなければ。
そう考えながら、ふらふらとマージェン家を後にした。
...とりあえず、隣国へ向かおう。ハルエット国かサニエル国のどちらかだろう。
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