旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~

榎夜

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9話 陛下と父母と元旦那

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少しだけ、シエラ達にお付き合い下さい((。´・ω・)。´_ _))ペコリン



✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


あの後、フォスト達を引き連れた私達は何も問題がなく目的地へと進んでいた。

馬車の中には私とメイリスが座っている。


フォストにも馬車に乗ってほしい、と頼んだが頑なにそれを断った。

「リザードマンには及ばなかったけど、そこそこ腕が立つ方だから皆と一緒に守らせて欲しい」

だそうだ。

ありがたいお話ですが、今から到着する国の王子を護衛にするのはやっぱり気が引けますわ。

石でも投げ込まれるんじゃないか、と考えていると目的地が見えてきた。

「メイリス!ハルエット国が見えてきたわ!」

「嬉しそうですね。お嬢様」

とメイリスは微笑んだ。

「えぇ!だって、今まで国の領地内からあまり出れなかったんですもの!」

討伐は、一応許されてはいたが1日で終わらない遠征があるものは却下されていた。
そのため、国からここまで離れたのは今回が初めてだった。

メイリスと2人で話をしていると外からフォストが

「少しだけ待っててもらっても良いですか?検問があるので」

と声をかけてきた。



私は、これからが楽しみで心躍らせていた。






✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


~ ナリス国 王城にて ~


シエラが国を出ていった次の日、ユーグとラミエ
、マージェン夫妻のネモロとツェン、それからマノンの5人は 陛下と話をするため、王城を訪れていた。

黒の間に通され、陛下の正面にマージェン家、左右にハーヴェスト夫妻が座っていた。


「して、なぜシエラ嬢は国を出ていったのだ?」

と陛下はマノンを睨みつけた。

「先日、ハーヴェスト家にアバズリー男爵令嬢、リリー・アバズリーが来客し、マノンとの子供が出来たから離婚しろ、と言いに来たようです」

そうユーグが説明するとマノンは顔を真っ青にさせた。だが、それだけの理由でなぜ陛下にまで報告するのか理解出来なかった。

「シエラは大変ショックを受け、離婚したいと言っております。出ていったのは、本人の中では傷心旅行、という感覚なんだと思います。」

と続けてユーグが説明する。

「つまり、結婚していながらも浮気をしていた、ということか?婿養子に入っている時点で愛人を持てないことは伝えたはずだが?」

「それは......っ」

陛下に冷たい目で見られ、マノンは言葉を失った。

「のう、マージェン夫妻よ。私はシエラ嬢とお主の息子では無理だ、と言ったのだが、それを押し切って、大丈夫だと言ったのは誰だったかのぉ?」

ネモロとツェンを睨むと、ツェンは顔を真っ青にさせて震えてネモロは

「もっ、申し訳ございません!」

と椅子から降りて土下座をした。

「儂は結婚する前に説明したよな?シエラ嬢は我が国の聖女、出て行かれては困ると」

そう言うとマノンは

「しっ、シエラが聖女!?」

信じられない、という顔をしていた。

「貴様には、聖女だとは伝えなかったが出て行かれては困ると説明したはずだが?」

「そんな...っ、でも......聖女だと知ってたら...俺は......」



ナリス国の聖女は国に存在するだけで結界を維持することが出来るし、国の作物も育ちやすくなる。その代わり、体から常に少しずつ魔力が吸い取られている為、本当の力は発揮することが出来ない。

ただ、元々シエラは他の人の何倍にも魔力が高かったからそんなに気にならなかっただけだ。


マノンの言葉に対して、陛下は

「それは嘘だな」

と言うとマノンはキョトンとした顔をしていた。

「貴様は学生の頃からあの男爵令嬢を懇意にしておったではないか。事情を聞いていても同じことをすると思ったから儂は反対したのだ」

そう言うとマノンは項垂れてしまった。

「私も陛下と同じことを思ったので、何回も拒否させてもらいました。でも、何度も何度も頼まれ、そこまで言うなら、と許可したのに、こんなことに...いちばん最悪な結果だ」

とユーグはマノンを睨みつけた。

「のう、ユーグよ。お前は割と男を見る目がないぞ?此奴らの前の者達もダメだったではないか」

陛下は顎髭を触りながら呆れた、といった顔をしながら言うと

確かにその通りですとユーグは目を伏せた。


「陛下、シエラのことはどうしましょう?連れ戻さなければこの国は終わってしまいます」

今まで口を閉ざしていたラミエは尋ねた。

内心では、可愛がっていた我が子がいなくなった原因が目の前にいるのだ。ぶん殴ってやりたいが、後からにしよう...そう思って気持ちを抑えていた。

すると陛下は

「ここに適任者がいるではないか。のう、マノン」

とニヤリと笑うと、マノンはまさか、と顔を真っ青にした。

「原因をつくった者が誠心誠意、頭を下げて連れ戻すのは当たり前のこと、儂はそう思うが?」

「.........つまり、マノンにシエラを追いかけさせるんですね?」

とラミエが言うと、陛下は頷き、その通りだ、と言うとツェンは泣き崩れてしまった。

「聖女が居なくなった今、結界がいつ消えてもおかしくない。そんな中でうちの兵士を捜索に使うのは得策とは言えん」

確かに、結界が無くなると外から魔物たちが入ってきてしまう。兵士が少なくなる、ということは戦う人数も減ってしまうということだ。

するとマノンは震えながら

「どこに行ったのかもわからないシエラを俺が探しに行くんですか...?」

と尋ねたが

「誰のせいでいなくなったと思っているのだ?」

陛下にそう言われ睨まれた。

「ユーグは一時的に、ハーヴェスト家の当主に戻れ。マージェン夫妻はシエラが見つかるまで、領地から出るな。マノンは今すぐにシエラ嬢を追いかけろ」

以上だ。そう締めくくると急いで部屋から出ていった。



◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌



ユーグは持ってきていた離婚届を取り出すと

「今すぐ書け。そして二度とハーヴェスト家の領地に入ることは許さん」

と告げた。

マノンは震えながら離婚届にサインするとユーグに渡した。

ユーグは受け取ると、ラミエに何かを告げてすぐに部屋を出ていってしまった。

すると、「ぐはぁっ!」......と声が上がりマノンが吹き飛んだ。

見るとラミエが拳を握りしめて微笑んでいた。

「ねぇ、うちの可愛いシエラを無下に扱ってくれてありがとう。......もし、連れて帰ってこなかったら命はないと思いなさい?」

そう言うと、ラミエは痛がっているマノンを一瞥し、部屋を後にした。



残されたマージェン家の者たちは自分達はこれからどうなるのかと恐怖に震えていた。





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