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128 何故此処にいる…
しおりを挟むside.嵯峨憲真
延司さんが泥酔?して寝落ちしてしまったのと眞宮が眠ってしまったことで一旦宴会、はたまた夕食会(夕食会と言ったのは五ツ木君だが)はお開きとなった。
そうして俺は蕗さんに「お風呂沸いたわよ」と言われて入ることにした。
因みに俺、深酒はしていない。
お風呂を沸かすからと言われたのでコップ一杯のビールで止めて置いた。
出て来たら飲む?と、蕗さんに言われたのでお風呂上りに少し飲むつもりだ。
が。
「何故此処にいる…」
「いや~今後のお付き合いを円滑にするため、御背中でも流そうかと~♪」
ニマニマ笑いながら風呂場に入って来た五ツ木君。その手には本当に背中を流そうとしたのか、タオルが握られているし腰にも確りとタオルが装着されている。
「俺水着を着ているので、ご安心下さい」
事故はありえません。
と宣言する五ツ木君。いや、事故とかいらんから。むしろ見たくないから。見たいのは眞宮だけだから。いやほんと他の人は無問題、と言うか本当にいらん。大事なことなので何度も言うが、いらん。
と言うより、水着持って来たのか、もしくは着て来た?
いらん事考えてしまったじゃないか……。
「一体何の安心だ…」
「いや~嵯峨さんの物騒なブツを見た直後に俺の標準プリンセスなブツを見せない配慮です」
「…」
標準は兎も角、プリンセスってもしかしてリトルとか付くのか。
うげ、変な想像が頭を過ってしまったじゃないか。
いらん。
超絶いらぬ想像!
「問答無用で俺の事を風呂場から締め出そうとしないで下さい!あ、ドア閉めないで!やめて寒い!」
「俺達は初対面同士だ。幾ら同じ同姓で男性とは言え色々と危険を感じる。ここは閉めるべきだろう」
「えー?ってか、危険ってないわーって力強い!流石α、変な所で怪力発揮キター!ぬおおぉぉ!」
「諦めろ」
「いやいやいや、旦那!良いネタありまっせ!」
「…」
「無言来たーって、閉めないで~!脱衣所暖房無いから寒いんだよ~!あ、そうだ!眞宮、眞宮の小さい時の話とか聞きたく「よし、話せ」」
「え」とか聞こえたが眞宮の子供の頃の話は貴重だ。
これは何が何でも聞く、否。
聞き出さなくては!
「ふぉぉ、欲望に忠実キタコレ」
「話さないのなら速攻で風呂から脱衣所まで投げ飛ばす」
「ひぃ!」
止めてぇ~とか言いつつニヤニヤと笑いつつ、お邪魔しまーすと風呂場に入って来る闖入者である五ツ木君に呆れつつ。「俺達ってド田舎のご近所だから幼い時からの顔見知りで幼馴染なんだよね」と話し出す声を聞きながら湯船に浸かった。
眞宮と幼馴染とか何それ羨ましい。
俺だって眞宮と小さい頃から知り合って居たら、もっと早くに番になれただろうし、何より眞宮の【運命の番】相手に泣かされるなんてことはさせなかった筈。
どうでも良いが、「嵯峨さんってすげー腹筋!めっちゃ割れている!細身なのに」って言われた。フフフ、そうだろうそうだろう。眞宮の日々作ってくれる美味しいご飯のお陰で大分肉が付いた方なんだぞ。前は我ながらガリガリだったからな…。
***
20231218
一部誤字修正(×使った 〇浸かった
後半文章追加修正。
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