商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

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120 お茶を吹き出さなかった俺、エライと思います

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「お弁当~?どうりで良い匂いさせていると思った~!」


 と言う元気一杯な京夏君の声。
 その間に俺は冷蔵庫のチェック。
 むむむ…色々あって一週間程留守にしていた。不破さんの家にお邪魔していた時は一泊。嵯峨さ…憲真の所に居たのはほぼ一週間だったから、残念。生鮮食品の幾つか消費期限が切れているなぁ。
 期限が切れていても食えそうなものは一人で早々に食べておくとして、お店の方の冷蔵庫も後で見ないと。
 生物は全滅だろうな。

 うーん。
 卵は賞味期限が本日迄なので全部使ってしまおう。
 魚は干物以外と冷凍室以外はサクッと廃棄。
 肉もハムとか加工品以外は残念だけど、泣く泣く廃棄。

 お豆腐は賞味期限ギリギリ、お店で使うつもりで幾つか購入していたから量も多め。困ったな、破棄するには勿体ない。仕方が無いとお豆腐の水分を切り、冷凍保存用のフリーザーバックの中に入れて冷凍庫にイン。凍らせてから解凍し、水気を絞ってから手で一口サイズに千切ってからビニール袋に入れ、唐揚げの元(粉)をまぶしてから揚げると唐揚げになる。
 味は少々淡白な感じがするけど意外と美味い。
 お店にもこれで出せるけど、賞味期限のこととか考えると怖いから自分達で処理してしまおう。
 衛生管理大事。

 え?自分達は良いのかって?
 店でお客さんに出すのと自分達で消費するのとはまた違うのですって言う言い訳。
 深く考えてはイケマセン。

 冷凍してから解凍してとなると明日以降なら憲真にも食べさせることが出来る。よしよし、おかずが増えた。ただ憲真にはもうちょっと栄養があるものが欲しいから、もう数品出した方が良いだろう。
 葉物野菜は煮て処理し、冷凍庫に入れたモノ以外は勿体無いけど廃棄。

 よし、手を加えたもの以外は冷蔵庫の中身はすっからかん。
 綺麗に中を拭き掃除して、と。
 その間にお待たせしてしまったお客様方…不破さんに末明さん、落合君に京夏君に声を掛けて狭い台所に通す。当然人数分の椅子は無いから椅子の脚を雑巾で拭いて、店から足りない分を補充。
 と言っても椅子の脚を拭いてくれたのは憲真と不破さん。
 雑巾が二つしか無かったのと、俺はキッチンペーパーで冷蔵庫の掃除。そうして何故か京香君は「お土産~」と言って渡して来たガツンとみかんアイスを落合君と二人で共有して食べて貰っていた。
 何故一つのアイスを二人で食うのだろう。

 尚、京香君から2袋あるので後で食ってと言われた。
 俺と憲真の分だそうだ。不破さんと末明さんには「ごめん、今度なんか奢る~」と言っていたが、いいよと断っていた。うん、大人だね。

 そうして台所では憲真が俺の代わりに皆にお茶を入れて配っていた。
 あれ、俺ここの家の人だよね?とか何とか思ったが、憲真が「俺がやりますよ」と言ってくれたので遠慮なく頼んだ。お茶がある場所や急須の場所やらカップやらは憲真は知らないので口頭でお伝え。
 うん、なんかすまん。

 そうして、なんか、何か…んー?


「嵯峨さんの【店長ちゃんの旦那さん】感が絶大的にアップグレードしている件」

「京香、言い方」

「だって~スゲー存在感?んーと、αの存在感?むむん、違うなぁ~αのフェロモン?がアップしていて、何て言うの?今までの何処か、嵯峨さんゴメン言い方悪いけど、ちょっとだけ弱そう?な感じが好転して、語彙力無い言い方だけど嵯峨さんの大人っぽさとか頼りがいとかが上がったと言う感じ」

「京香」

「褒めているもん!」

「言い方」

「むぅ~!」


 口を突き出してむっと膨れた顔付きな京香君。
 それを諫める落合君。


「…諫めている風を装ってべたべたラブラブしている風にしか見えないけど」

「それ言ったら駄目だよ、末明ちゃん。事実だけど」


 そう言いつつ、不破晃洋・末明夫夫のお二人もラブラブしているようにしか見えない。

 何だろう。
 自宅の狭い台所が密集地になっています。何がって夫夫とかカップルの。
 しかも全員ラブラブですよ。お、俺だって負けていないけど!


「まぁ良いか」


 唐突にそう言って放置する不破さん。
 貴方今面倒だと思って居ません?


「だな」


 不破さんの細君である末明さん、同じく放置かーい。


「そんなことより」


 おお、言い切った。
 尚不破さんと末明さんの視線はチラリと憲真の方を見て、それから此方へと視線を移し、


「「何時結婚式するの?」」



 憲真が淹れてくれたお茶を吹き出さなかった俺、エライと思います。


 ***

 遅れました<(_ _)>
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