122 / 138
120 お茶を吹き出さなかった俺、エライと思います
しおりを挟む「お弁当~?どうりで良い匂いさせていると思った~!」
と言う元気一杯な京夏君の声。
その間に俺は冷蔵庫のチェック。
むむむ…色々あって一週間程留守にしていた。不破さんの家にお邪魔していた時は一泊。嵯峨さ…憲真の所に居たのはほぼ一週間だったから、残念。生鮮食品の幾つか消費期限が切れているなぁ。
期限が切れていても食えそうなものは一人で早々に食べておくとして、お店の方の冷蔵庫も後で見ないと。
生物は全滅だろうな。
うーん。
卵は賞味期限が本日迄なので全部使ってしまおう。
魚は干物以外と冷凍室以外はサクッと廃棄。
肉もハムとか加工品以外は残念だけど、泣く泣く廃棄。
お豆腐は賞味期限ギリギリ、お店で使うつもりで幾つか購入していたから量も多め。困ったな、破棄するには勿体ない。仕方が無いとお豆腐の水分を切り、冷凍保存用のフリーザーバックの中に入れて冷凍庫にイン。凍らせてから解凍し、水気を絞ってから手で一口サイズに千切ってからビニール袋に入れ、唐揚げの元(粉)をまぶしてから揚げると唐揚げになる。
味は少々淡白な感じがするけど意外と美味い。
お店にもこれで出せるけど、賞味期限のこととか考えると怖いから自分達で処理してしまおう。
衛生管理大事。
え?自分達は良いのかって?
店でお客さんに出すのと自分達で消費するのとはまた違うのですって言う言い訳。
深く考えてはイケマセン。
冷凍してから解凍してとなると明日以降なら憲真にも食べさせることが出来る。よしよし、おかずが増えた。ただ憲真にはもうちょっと栄養があるものが欲しいから、もう数品出した方が良いだろう。
葉物野菜は煮て処理し、冷凍庫に入れたモノ以外は勿体無いけど廃棄。
よし、手を加えたもの以外は冷蔵庫の中身はすっからかん。
綺麗に中を拭き掃除して、と。
その間にお待たせしてしまったお客様方…不破さんに末明さん、落合君に京夏君に声を掛けて狭い台所に通す。当然人数分の椅子は無いから椅子の脚を雑巾で拭いて、店から足りない分を補充。
と言っても椅子の脚を拭いてくれたのは憲真と不破さん。
雑巾が二つしか無かったのと、俺はキッチンペーパーで冷蔵庫の掃除。そうして何故か京香君は「お土産~」と言って渡して来たガツンとみかんアイスを落合君と二人で共有して食べて貰っていた。
何故一つのアイスを二人で食うのだろう。
尚、京香君から2袋あるので後で食ってと言われた。
俺と憲真の分だそうだ。不破さんと末明さんには「ごめん、今度なんか奢る~」と言っていたが、いいよと断っていた。うん、大人だね。
そうして台所では憲真が俺の代わりに皆にお茶を入れて配っていた。
あれ、俺ここの家の人だよね?とか何とか思ったが、憲真が「俺がやりますよ」と言ってくれたので遠慮なく頼んだ。お茶がある場所や急須の場所やらカップやらは憲真は知らないので口頭でお伝え。
うん、なんかすまん。
そうして、なんか、何か…んー?
「嵯峨さんの【店長ちゃんの旦那さん】感が絶大的にアップグレードしている件」
「京香、言い方」
「だって~スゲー存在感?んーと、αの存在感?むむん、違うなぁ~αのフェロモン?がアップしていて、何て言うの?今までの何処か、嵯峨さんゴメン言い方悪いけど、ちょっとだけ弱そう?な感じが好転して、語彙力無い言い方だけど嵯峨さんの大人っぽさとか頼りがいとかが上がったと言う感じ」
「京香」
「褒めているもん!」
「言い方」
「むぅ~!」
口を突き出してむっと膨れた顔付きな京香君。
それを諫める落合君。
「…諫めている風を装ってべたべたラブラブしている風にしか見えないけど」
「それ言ったら駄目だよ、末明ちゃん。事実だけど」
そう言いつつ、不破晃洋・末明夫夫のお二人もラブラブしているようにしか見えない。
何だろう。
自宅の狭い台所が密集地になっています。何がって夫夫とかカップルの。
しかも全員ラブラブですよ。お、俺だって負けていないけど!
「まぁ良いか」
唐突にそう言って放置する不破さん。
貴方今面倒だと思って居ません?
「だな」
不破さんの細君である末明さん、同じく放置かーい。
「そんなことより」
おお、言い切った。
尚不破さんと末明さんの視線はチラリと憲真の方を見て、それから此方へと視線を移し、
「「何時結婚式するの?」」
憲真が淹れてくれたお茶を吹き出さなかった俺、エライと思います。
***
遅れました<(_ _)>
11
◇◆◇◆◇ 更新中のお話 ◇◆◇◆◇
新作 BL ※ 商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/192520360
BL ※ ある日突然Ωになってしまったけど、僕の人生はハッピーエンドになれるでしょうか
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/488408600
NL ※ 今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/571182846
宜しかったら見て頂けると嬉しいです(*´ω`*)
新作 BL ※ 商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/192520360
BL ※ ある日突然Ωになってしまったけど、僕の人生はハッピーエンドになれるでしょうか
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/488408600
NL ※ 今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/571182846
宜しかったら見て頂けると嬉しいです(*´ω`*)
お気に入りに追加
473
あなたにおすすめの小説
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。


王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

異世界転生してひっそり薬草売りをしていたのに、チート能力のせいでみんなから溺愛されてます
はるはう
BL
突然の過労死。そして転生。
休む間もなく働き、あっけなく死んでしまった廉(れん)は、気が付くと神を名乗る男と出会う。
転生するなら?そんなの、のんびりした暮らしに決まってる。
そして転生した先では、廉の思い描いたスローライフが待っていた・・・はずだったのに・・・
知らぬ間にチート能力を授けられ、知らぬ間に噂が広まりみんなから溺愛されてしまって・・・!?
有能社長秘書のマンションでテレワークすることになった平社員の俺
高菜あやめ
BL
【マイペース美形社長秘書×平凡新人営業マン】会社の方針で社員全員リモートワークを義務付けられたが、中途入社二年目の営業・野宮は困っていた。なぜならアパートのインターネットは遅すぎて仕事にならないから。なんとか出社を許可して欲しいと上司に直談判したら、社長の呼び出しをくらってしまい、なりゆきで社長秘書・入江のマンションに居候することに。少し冷たそうでマイペースな入江と、ちょっとビビりな野宮はうまく同居できるだろうか? のんびりほのぼのテレワークしてるリーマンのラブコメディです

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる