商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

文字の大きさ
上 下
60 / 138

58 敵わない

しおりを挟む
 主人公視点に戻ります。

 ※


「ふはぁ~…」


 本日の朝食時間の店内は何だか滅茶苦茶疲れた。
 それもこれも、全部俺が言った言葉が…だったわけで。
 幾らぼんやりと嵯峨さんにどうやって告白しようと悩んでいたからとは言え、『ミサオ』を『操』、つまり操作することと思いこんでしまって…普通こんな事思わないよな。
 ボケすぎだろう、情けない。

 俺、どうかしまくっていました、トホホ。

 そんなこんなで現在、我が店である『小林茶坊』の店内は朝食を提供する時間は終了。
 今は清掃しながら極々普通のお茶屋さんとして営業中。
 煎茶に玄米茶、ほうじ茶に茎茶、各地の産地(例えば伊勢とか掛川や八女等)の名前があるお茶。それにお使いに来る女子高生達が言っていた紅茶等も仕入れて棚に置いている。
 ハーブティー等は不破さんの店『喫茶ロイン』の方が種類豊富で専門的に扱っているので此方はあえて手を出していないけど、日本茶なら何でも御座れ。
 尚最近は趣味で台湾茶やウーロン茶も少しだけ仕入れている。茶器も少しだけ。
 ただこれに関しては専門家では無い為、お客様に詳しく聞かれても現在勉強中とだけお茶を濁している。いや~奥が深いからね、お茶って。

 それでもカウンター等の席は置いてあるから時折お茶の試飲等をしているお客様も来たりするのだけど、本日は店内に珍しく愚痴を零している末明さんが一人居るだけ。


「もーさー小林さん聞いてよ~」


 プチ不機嫌らしい。

 心当たりがあるとすれば先程のクラウディオさんの件かな。そのクラウディオさん、急に本国――イタリアへ仕事で帰国するのだと言う。

 うーんクラウディオさんの仕事って俺は余りよく知らないのだけど、頻繁に不破さんと組んで居るから輸入系とかの関係かな?その割には厳ついメンバーが多いけど。
 そもそも不破さんの仕事って喫茶ロインの店主で、ネットで珈琲やハーブティーの販売もしているらしいけど、それ以外は知らない。
 その割には不破さんと末明さんの双子のお子さんを二人のベビーシッターさんに預けたり、お手伝いさんも雇っていたりと人経費掛かりそう。

 この茶屋とは必要経費とか諸々違っているから正確にはわからないけど、儲かって居るってことなのだろうな。そう言えばあの不破さんの店って持ち家だって聞いたから…。
 流石イケてるメンズの不破さんだよなぁ。


「クラウディオってば、急すぎるっ」


 やっぱり急に帰国するのが不満らしい。
 普段は末明さんの旦那さんである不破さんに近寄ると不機嫌そうにするのに、今回は帰国することに拗ねている。

 そうそう、末明さんの双子のお子様達は只今お昼寝中の時間。
 シッターさんが預かって居るから結構気軽に出歩ける様になったと、時折こうやって店に息抜きに来る。
 そう言えば双子ちゃん、俺は見分けが付かないけれど、長男は晃明(こうめい)君で長女は雪羽(ゆう)ちゃん。
 一度この手で抱っこをさせて貰ったけれど、首が座って居なくて怖かった…!
 まだまだ1歳にもなって居ない赤ちゃんだから肌がつやつやで髪の毛もサラサラだったけど、赤ちゃんって牛乳みたいなお乳の匂いがして体温が高く、ふにゃふにゃ。

 可愛かったなぁ~。

 でも次に抱き上げるのは首が座ってからがいい。
 あれ、本当に怖かった!
 そう言えばもう首が座っただろうか。赤ちゃんの首が座るのって3~4ヶ月と言うから、時期的に座っている頃。

 だから日帰り旅行に行くのかな?
しおりを挟む
◇◆◇◆◇ 更新中のお話 ◇◆◇◆◇
新作 BL ※ 商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/192520360

BL ※ ある日突然Ωになってしまったけど、僕の人生はハッピーエンドになれるでしょうか
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/488408600

NL ※ 今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/571182846

宜しかったら見て頂けると嬉しいです(*´ω`*)

あなたにおすすめの小説

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

【BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】

彩華
BL
 俺の名前は水野圭。年は25。 自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで) だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。 凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!  凄い! 店員もイケメン! と、実は穴場? な店を見つけたわけで。 (今度からこの店で弁当を買おう) 浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……? 「胃袋掴みたいなぁ」 その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。 ****** そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています お気軽にコメント頂けると嬉しいです ■表紙お借りしました

悩める文官のひとりごと

きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。 そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。 エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。 ムーンライト様にも掲載しております。 

弟が生まれて両親に売られたけど、売られた先で溺愛されました

にがり
BL
貴族の家に生まれたが、弟が生まれたことによって両親に売られた少年が、自分を溺愛している人と出会う話です

兄弟がイケメンな件について。

どらやき
BL
平凡な俺とは違い、周りからの視線を集めまくる兄弟達。 「関わりたくないな」なんて、俺が一方的に思っても"一緒に居る"という選択肢しかない。 イケメン兄弟達に俺は今日も翻弄されます。

今世はメシウマ召喚獣

片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。 最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。 ※女の子もゴリゴリ出てきます。 ※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。 ※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。 ※なるべくさくさく更新したい。

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

セカンドライフは魔皇の花嫁

仁蕾
BL
星呂康泰、十八歳。 ある日の夕方、家に帰れば知らない男がそこに居た。 黒を纏った男。さらりとした黒髪。血のように赤い双眸。雪のように白い肌。 黒髪をかき分けて存在を主張するのは、後方に捻れて伸びるムフロンのような一対の角。 本来なら白いはずの目玉は黒い。 「お帰りなさいませ、皇妃閣下」 男は美しく微笑んだ。 ---------------------------------------- ▽なろうさんでもこっそり公開中▽ https://ncode.syosetu.com/n3184fb/

処理中です...