商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

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48 輸入雑貨店とワイン

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 嵯峨さんはスーパーダーリンでした。
 俺のダーリンでは無いけど。
 等と前回も言ったな。



 いや~…輸入雑貨店、堪能したわー!
 面白くて色々なハーブティーとか各種ハーブとか、辛い海苔とか嬉しくて沢山見まくって。更には海外の見たことが無いフルボディ、ミディアムボディワインを幾つか購入。
 普段飲まない癖についつい大興奮しちゃって。
 そのせいで気が付いたら買い物カゴが重くてうぐぐぐぐと持ち上げ…うん、出来ない。どうしようかと思っていたら、嵯峨さんが買い物カゴをひょいと持ち上げてくれた。
 うぐぅ、何これこの男前感。


「有り難う」

「いえいえ、それにしても結構選びましたね」

「あ~…つい、ね。そのまま飲むのも良いけどワインのレシピを幾つか考えてしまって、それなら自宅でも作ってみたいなって思ってみたんだよな~…」

「ワインを使った料理レシピですか。美味しそうですね」

「流石に店でワインは原価が高いし、値段を上げないと出せないからだから無理だけどね」


 それ以前に朝から支度するとなると時間が足りない。早朝早くから作るか、前日から作る方法か…もしくは簡単煮込み料理位かな。赤ワインのシチュー位ならば原価も抑えられるけれど、出る商品になるかどうかは分からない。
 何せうちの店は朝食しか出ないからな。朝から重いメニューは中々出ないだろうと予想が出来るし、冬場ならまだしも朝、日差しが強くなって来る季節が迫っているからうちの店では中々出ないだろう。
 そう考えるとワインゼリーとかならまぁ、でもどう考えても朝に食うデザートでは無いよなぁ。白ワインを使ったコンポートなら辛うじてかも知れないが、やはり原価とか時間とかが足りないだろうな。


「良いですね、食べてみたいです。因みにどんなメニューです?」

「えーとワインのジュレ、シチューにワインゼリー、コンポートに赤ワインの牛肉煮込み、レンズ豆の白ワイン煮込み、牛タンシチュー赤ワイン煮込み、赤ワインの煮込みハンバーグ、ホットワイン、帆立稚貝の白ワイン蒸し、白身魚の白ワインバターソース、白ワインのムニエル…どう考えても洋風ばかりになるな」

「そもそもワインが外国のですし」

「だよな。あーでも白ワインと白味噌の白身魚の味噌汁なんてものもあるな」

「変わった料理ですね、美味しそうです」

「水の代わりに白ワインを半分入れるから贅沢だぞ。とは言え実家の母のレシピしか知らないから、ワインのアルコールは飛んでしまうのだけど」


 中学でΩになってしまい、高校は田舎から出て都会のバース性の学園に入学すると決まった時。母から幾つか「覚えておいて損はないと思うわよ」と、教え込まれた料理の中にあった実家のレシピ。色々あって結局実家に居た時ぐらいしか食べていなかったなと思い出す。


「う~んお店では出せないなぁ」


 白ワインと白身魚の味噌汁、夕飯で作って久しぶりに食べたい。
 具は白身魚と葱なのだけど、他にも何か入っていたような。あ、そうだ。


「嵯峨さんって唐辛子大丈夫ですか?」

「うん?平気だが」


 藪から棒にどうした?と言った顔をして此方を見て来る嵯峨さん。


「白ワインと白身魚の味噌汁、少し唐辛子を刻んだものを入れるとピリッとして旨かったなって思って」


 じっと此方を見詰めて来る嵯峨さん。
 そんな姿もちょっと良いなぁって思ってしまう俺の心臓は現在、ドキドキして来る。
 恥ずかしいとか断られたらどうしようとか、色々思ってプチパニック状態だ。


「小林さん」


 小林さんの指先が俺の頬に伸びて来て、すっと撫でられる。
 うう、頬が熱い。もしかして今俺の頬は赤く色付いて居るのだろうか。


「今日のお礼に夕飯、俺の家に食いに来ませんか」

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