異世界の勇者に逮捕されました!?

krm

文字の大きさ
19 / 24

19 大きな存在 *

しおりを挟む
長い吐精が終わると、アルクはゆっくりと引き抜いた。その瞬間、中から溢れ出てきた精液を見て、恥ずかしくなる。
「うわっ……」
思わず手で押さえると、アルクは苦笑いを浮かべていた。
「ごめん、中に出しちゃった」
「い、いいよ別に……」
俺だってアルクのものを受け入れたかったし、むしろ嬉しいくらいだ。
「真尋、大丈夫かい?」
心配そうに見つめてくるアルクに、俺は笑顔を向けた。
「うん、平気だよ。それより……」
首を傾げるアルクに向かって、両手を伸ばす。
「アルク、こっちに来て」
「えっ、でも……」
「早く」
躊躇うアルクを急かすと、彼は恐る恐る近付いてきた。そして、俺の腕の中にすっぽりと収まる。
「捕まえた」
ぎゅっと抱き締めて、アルクの匂いを嗅いだ。シャンプーの香りだろうか。同じものを使っているはずなのに、すごく良い香りに感じる。
「アルク……好きだよ」
「僕も……真尋のことが好き」
お互いの気持ちを伝え合うと、どちらともなくキスをした。今度は触れるだけの優しい口付けだった。唇が離れてからも、至近距離で見つめ合って微笑みを交わす。
幸せすぎて胸が苦しい。こんなに幸せな気分になったのは生まれて初めてかもしれない。
「真尋」
名前を呼ばれて顔を上げると、アルクは照れ臭そうな表情をしていた。
「もう一回したいんだけど……」
「えっ……!」
驚いているうちに押し倒されてしまった。しかも、いつの間にかアルクの股間が膨らんでいる。
「ちょ、ちょっと待って、少し休ませて……」
「ごめん、真尋が可愛すぎて我慢できない」
「なっ……」
抵抗するも虚しく、俺はアルクによって組み敷かれてしまった。
「真尋、好き……」
「アルク……」
アルクの瞳には情欲の炎が宿っていた。きっと、もう止められないだろう。それに、俺もアルクが欲しいと思っている。
「アルク……来て……」
それからお互い満足するまで求め合い、気絶するように眠りに落ちた。

***

「んんっ……」
目が覚めると、隣にアルクがいた。その温もりが心地良い。
さっきまであれだけ激しく交わったというのに、今は穏やかな寝息を立てている。無防備な姿は子供みたいだ。
「可愛い……」
アルクの顔を見つめる。普段は凛々しい顔をしているが、眠っている時は幼く見えた。起きている時とのギャップが凄まじい。
「ずっと見ていたいな……」
アルクと一緒に居られるなら、このまま時間が止まっても構わない。そんなことを思ってしまうほど、彼のことを愛しく思っていた。
「アルク……」
頬に触れると、くすぐったそうに身を捩らせた。その姿が何とも言えず可愛い。
「ん……」
すると、突然腕が伸びてきて抱き締められる。起きていたのかと思ったが、どうやら無意識の行動らしい。
「アルク?」
名前を呼ぶと、背中に回っている手に力が込められた。すごく可愛いのだが、これでは動けない。
「アルク、放して、動けないよ」
優しく諭すと、ようやく解放してくれた。
「おはよう、アルク」
「おはよ……」
まだ眠そうだ。あれだけ激しいセックスをすれば当然だろう。俺もかなり疲労感が強い。
昼間異世界から帰って来てから、夜までずっとベッドの上で過ごしていた。その間、何度も身体を重ね合ったのだ。おかげで、全身筋肉痛である。
「いてて……」
腰をさすっていると、アルクが申し訳なさそうに謝ってきた。
「本当にゴメン……止められなかった……」
「いいよ。俺も気持ち良かったし……アルクがあんなに情熱的だとは思ってなくてビックリしたけど」
正直、ここまでとは想像していなかった。まさか最後には気絶してしまうなんて。我ながら恥ずかしい。
「真尋が魅力的だからだよ」
「そ、そんなこと無いよ……」
恥ずかしくて目を逸らすと、アルクがクスッと笑った。
「真尋は自分がどれだけ魅力的な人間なのか自覚した方がいいよ」
「なっ、何言って……あ、そうだ、それよりお腹すいたよな。夕飯作るね」
これ以上言われると羞恥心に耐えられなくなりそうだったので、慌ててベッドから降りる。すると、アルクに引き留められた。
「ねえ、僕にもキッチンの使い方を教えてくれないか」
「えっ、なんで?」
「僕も真尋に料理を作ってあげたくて……」
「えっ、アルクが……!?」
「うん。ダメかな……?」
上目遣いで訊かれてキュンとなる。
「う、うん、いいよ」
「ありがとう」
アルクは嬉しそうに笑うと、俺の手を握った。
「じゃあ、行こう」
アルクに手を引かれて部屋を出る。楽しそうなアルクを見ていると、幸せな気持ちでいっぱいになった。

アルクと過ごせば過ごすほど、彼への感情がますます深くなっていく。彼の存在が俺の中でどれほど大きくなっているのか、俺はまだ自分自身で理解できていなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

聖獣召喚に巻き込まれた俺、モフモフの通訳をしてたら冷徹騎士団長に外堀を埋められました

たら昆布
BL
完璧っぽいエリート騎士×無自覚な愛され系

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

転生エルフの天才エンジニア、静かに暮らしたいのに騎士団長に捕まる〜俺の鉄壁理論は彼の溺愛パッチでバグだらけです〜

たら昆布
BL
転生したらエルフだった社畜エンジニアがのんびり森で暮らす話 騎士団長とのじれったい不器用BL

処理中です...