ゲームの世界に転移したら美形王子に溺愛されてるんですが!?

krm

文字の大きさ
13 / 49

13.外堀を埋められてるんですが!?

しおりを挟む
姫が帰って2人きりになったところで、王子を尋問する。
「王子、どういうことだよ!」
「ん?何がだい?」
「婚約者がいるのに俺と付き合うとか、そんなのダメじゃないか!」
「ミノル、落ち着いてくれ」
「落ち着けるはずないだろ!俺のせいで、リュネット姫との婚約が破棄になったと思うと……」
俺が興奮気味に話すと、王子は抱きしめてきた。
「ミノル……。君は可愛いなぁ」
「うぐっ……」
俺は言葉が出なくなってしまう。
「私が君以外の女性と結婚するとでも思ったのか?」
「だって、婚約者がいるのに俺みたいな奴と付き合ってもいいものなのかと……」
「ははは、安心してくれ。私には君だけだ。愛しているよ、ミノル……」
王子はそう言うと、唇を重ねてくる。
「むぅ……」
俺はまた言葉を発せなくなってしまった。
「さっきも姫が言っていたが、国同士が勝手に決めた婚約だったんだ。だから、私と姫の間には何の感情もなかったんだよ」
「そうなんだね……」
「もし決められたままに私と姫が結婚したとしても、お互いに幸せになれなかっただろう。だから、ミノルに出会えて本当によかったと思っているよ」
王子はそう言いながら俺の手を握る。俺はその手を握り返した。
「そう言ってくれて嬉しいよ……。でも、婚約破棄は申し訳ないよ……。俺なんかのせいで国の関係が悪くなったりしたら……」
「そのことなら心配ないよ。実は、我が国とフラン国で同盟を結ぶことが決まったんだ」
「えぇ!?」
確か、ゲームの時はそんな話はなかったはずだ。本編には関係ないから特にシナリオになかっただけの可能性もあるが……。
「別に婚姻を結ばなくても、同盟を結べば問題ないからね。ちょうど魔物の動きが活発になってきたこともあって、国同士が手を取り合うことにしたのさ」
「なるほど……確かにそうだよね……」
「今後は両国で協力し合い、魔物を倒していこうということになったんだよ」
「そうだったのか……」
それは確かに良いことなのかもしれない。しかし、やはり俺のせいでゲームとどんどん違う展開になっている気がする……。

そして、もう一つ気になることがある。
「でも、そんなに色々いつの間に……?姫は俺のことまで知っていたよね?」
「ああ、それは今朝私が父上と相談して決めたんだ。フラン国にはすぐに伝達したから、姫にも伝わったんだろう」
「なるほど……。って、待って、それって、国王に俺と付き合ってるって伝えたってこと……?」
「もちろん。これ以上は隠しておけないからね」
「マジか……」
俺は恥ずかしくなって俯いてしまった。
「いけなかったかい?」
「いや、いけないことはないんだけど……。でも、まだお試し期間だし……」
「ミノルは、まだ私のことが好きじゃないのか……?」
王子が捨てられた子犬のような目で見てくる。
「いや、好きだけど……」
「じゃあ、いずれ正式な恋人になるから問題ないね」
「えええ……」
なんだか外堀を埋められているような気がする……。

「さあ、それじゃあ、仕事の続きを手伝ってくれるかい?婚約破棄に同盟で手続きが満載なんだ」
「それであんなに書類が山積みだったのか……」
半分は俺のせいだった……。これは責任を感じてしまう。
それから2人で執務室に戻り、文字通り山積みの仕事を片付けた。

「はあー!疲れたー!」
仕事を終え、俺は部屋のベッドにダイブした。
元の世界で過酷な業務には慣れていたが、勝手が違いすぎる世界での仕事はまた別の辛さだ。
「ふふ、ミノル、今日は頑張っていたね」
王子はそう言いながら隣に座る。
俺は責任を感じていたため、かなり必死で仕事を進めていたのだ。
「うん……、でも、まだ終わらなかったね……」
「確かにそうだが、今日のところはここまででいいんじゃないかな?あまり根詰めると、身体を壊してしまうよ」
「ありがとう……。王子は優しいね」
「愛する人を大切にしたいだけだよ」
恥ずかしいことをさらっと言うんだよなぁ……。

「いやーそれにしても慣れない仕事でヘトヘトだ~」
俺は照れ隠しのため、話題を変えた。
「では、私がマッサージをしてあげよう」
「えっ……?い、いや、大丈夫だって……」
「遠慮しないでくれ。今日はミノルのおかげで仕事が捗ったからね。恩返しさせてくれ」
「う~ん……、じゃあ、お願いしようかな」
「ああ、任せておくれ」
王子は自信満々の様子だ。せっかくなので、俺は王子の厚意に甘えることにした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

魔王に転生したら幼馴染が勇者になって僕を倒しに来ました。

なつか
BL
ある日、目を開けると魔王になっていた。 この世界の魔王は必ずいつか勇者に倒されるらしい。でも、争いごとは嫌いだし、平和に暮らしたい! そう思って魔界作りをがんばっていたのに、突然やってきた勇者にあっさりと敗北。 死ぬ直前に過去を思い出して、勇者が大好きだった幼馴染だったことに気が付いたけど、もうどうしようもない。 次、生まれ変わるとしたらもう魔王は嫌だな、と思いながら再び目を覚ますと、なぜかベッドにつながれていた――。 6話完結の短編です。前半は受けの魔王視点。後半は攻めの勇者視点。 性描写は最終話のみに入ります。 ※注意 ・攻めは過去に女性と関係を持っていますが、詳細な描写はありません。 ・多少の流血表現があるため、「残酷な描写あり」タグを保険としてつけています。

【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる

おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。 知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。

異世界で王子様な先輩に溺愛されちゃってます

野良猫のらん
BL
手違いで異世界に召喚されてしまったマコトは、元の世界に戻ることもできず異世界で就職した。 得た職は冒険者ギルドの職員だった。 金髪翠眼でチャラい先輩フェリックスに苦手意識を抱くが、元の世界でマコトを散々に扱ったブラック企業の上司とは違い、彼は優しく接してくれた。 マコトはフェリックスを先輩と呼び慕うようになり、お昼を食べるにも何をするにも一緒に行動するようになった。 夜はオススメの飲食店を紹介してもらって一緒に食べにいき、お祭りにも一緒にいき、秋になったらハイキングを……ってあれ、これデートじゃない!? しかもしかも先輩は、実は王子様で……。 以前投稿した『冒険者ギルドで働いてたら親切な先輩に恋しちゃいました』の長編バージョンです。

異世界で勇者をやったら執着系騎士に愛された

よしゆき
BL
平凡な高校生の受けが異世界の勇者に選ばれた。女神に美少年へと顔を変えられ勇者になった受けは、一緒に旅をする騎士に告白される。返事を先伸ばしにして受けは攻めの前から姿を消し、そのまま攻めの告白をうやむやにしようとする。

魔力ゼロの無能オメガのはずが嫁ぎ先の氷狼騎士団長に執着溺愛されて逃げられません!

松原硝子
BL
これは魔法とバース性のある異世界でのおはなし――。 15歳の魔力&バース判定で、神官から「魔力のほとんどないオメガ」と言い渡されたエリス・ラムズデール。 その途端、それまで可愛がってくれた両親や兄弟から「無能」「家の恥」と罵られて使用人のように扱われ、虐げられる生活を送ることに。 そんな中、エリスが21歳を迎える年に隣国の軍事大国ベリンガム帝国のヴァンダービルト公爵家の令息とアイルズベリー王国のラムズデール家の婚姻の話が持ち上がる。 だがヴァンダービルト公爵家の令息レヴィはベリンガム帝国の軍事のトップにしてその冷酷さと恐ろしいほどの頭脳から常勝の氷の狼と恐れられる騎士団長。しかもレヴィは戦場や公的な場でも常に顔をマスクで覆っているため、「傷で顔が崩れている」「二目と見ることができないほど醜い」という恐ろしい噂の持ち主だった。 そんな恐ろしい相手に子どもを嫁がせるわけにはいかない。ラムズデール公爵夫妻は無能のオメガであるエリスを差し出すことに決める。 「自分の使い道があるなら嬉しい」と考え、婚姻を大人しく受け入れたエリスだが、ベリンガム帝国へ嫁ぐ1週間前に階段から転げ落ち、前世――23年前に大陸の大戦で命を落とした帝国の第五王子、アラン・ベリンガムとしての記憶――を取り戻す。 前世では戦いに明け暮れ、今世では虐げられて生きてきたエリスは前世の祖国で平和でのんびりした幸せな人生を手に入れることを目標にする。 だが結婚相手のレヴィには驚きの秘密があった――!? 「きみとの結婚は数年で解消する。俺には心に決めた人がいるから」 初めて顔を合わせた日にレヴィにそう言い渡されたエリスは彼の「心に決めた人」を知り、自分の正体を知られてはいけないと誓うのだが……!? 銀髪×碧眼(33歳)の超絶美形の執着騎士団長に気が強いけど鈍感なピンク髪×蜂蜜色の目(20歳)が執着されて溺愛されるお話です。

転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?

米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。 ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。 隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。 「愛してるよ、私のユリタン」 そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。 “最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。 成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。 怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか? ……え、違う?

異世界転移しました。元天才魔術師との優雅なお茶会が仕事です。

渡辺 佐倉
BL
榊 俊哉はつまらないサラリーマンだった。 それがある日異世界に召喚されてしまった。 勇者を召喚するためのものだったらしいが榊はハズレだったらしい。 元の世界には帰れないと言われた榊が与えられた仕事が、事故で使い物にならなくなった元天才魔法使いの家庭教師という仕事だった。 家庭教師と言っても教えられることはなさそうだけれど、どうやら元天才に異世界の話をしてイマジネーションを復活させてほしいという事らしい。 知らない世界で、独りぼっち。他に仕事もなさそうな榊はその仕事をうけることにした。 (元)天才魔術師×転生者のお話です。 小説家になろうにも掲載しています

【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました

ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。 タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。

処理中です...