32 / 118
第一幕 悪役公爵令嬢(闇魔法使い8歳)王宮書庫殺人事件
31. マッサージ
しおりを挟む
闇の身体強化魔法に睡眠効果があることを知った私は、これでお父様の睡眠不足を解消できると思ったが、実は闇の身体強化魔法には副作用があった。
このままでは、お父様に闇魔法を使うわけにはいかないと、断念しようとしたが、よく考えたら、髪の毛が黒くなる副作用なら、元々黒髪のお父様には全く問題がなかった。
と、いうわけで、今日の夕食後、私はお父様に闇の身体強化魔法をかけることにした。
「お父様、相変わらずお仕事がお忙しいようですわね」
「マリー、そうなんだ、もう、くたくただよ」
「でしたら、私がマッサージをして差し上げますわ」
「マリーがか? それはありがたいが、できるのか?」
「任せてくださいな。さあ、さあ、寝室のベッドに行きますわよ」
「ベッドの上でするのか! 本格的だな」
「私にマッサージは特別ですからね。すぐに眠くなりますわ」
「そうか、そうまでいうならそうするか」
私とお父様が一緒に寝室に向かうと、お母様も興味をそそられたのか一緒に付いてきた。
もちろん、マッサージというのは口実で、闇の身体強化魔法をお父様にかけるためだから、できればお母様には見られたくなかった。だが、マッサージを行う振りをしていれば闇魔法を使ったことはわからないだろう。
家庭教師のクロード先生に闇魔法の使用を止められている以上、私が闇魔法を使えることは、サラには話したが、まだ、お父様たちには内緒だ。
お母様に気付かれないか心配ではあるが、心配ばかりしていては何もできない。
寝室に着くと、早速、お父様にはベッドでうつ伏せになってもらった。
「これでいいのか?」
「バッチリですわ。それではいきますわ」
私は、お父様に馬乗りになると背中に両手を当てた。
「おお、これはいいな。コリがほぐれる感じがするぞ」
まだ、闇の魔力を流していないのに、押すだけで気持ちよさそうだ。
どれだけ凝っているのだよ。という話である。
「これは序の口、これからが本番ですわ」
私は、お父様の背中を押しながら、徐々に闇の魔力を送り込んでいく。
「んーん。何かヌメーっとした感じがするが、何か薬でも塗ったのか?」
「いえ、何も塗っていませんわ」
「そうか……、フアー。なんだかとても眠くなってきて……」
「そのまま寝ていて構いませんわ」
「グゥー、グゥー、グゥー」
お父様はそのまま寝入ってしまった。
「マリー、今のはなに?」
少し離れた所で様子を見ていたお母様が私に尋ねてきた。
まさか、闇魔法がばれたのだろうか?
私は少し焦るが、そんなことはお首に出さず、落ち着いて返事をする。
「マッサージですが」
「ただのマッサージには見えなかったけど?」
これは気付かれたか?
どうやって誤魔化そう……。
このままでは、お父様に闇魔法を使うわけにはいかないと、断念しようとしたが、よく考えたら、髪の毛が黒くなる副作用なら、元々黒髪のお父様には全く問題がなかった。
と、いうわけで、今日の夕食後、私はお父様に闇の身体強化魔法をかけることにした。
「お父様、相変わらずお仕事がお忙しいようですわね」
「マリー、そうなんだ、もう、くたくただよ」
「でしたら、私がマッサージをして差し上げますわ」
「マリーがか? それはありがたいが、できるのか?」
「任せてくださいな。さあ、さあ、寝室のベッドに行きますわよ」
「ベッドの上でするのか! 本格的だな」
「私にマッサージは特別ですからね。すぐに眠くなりますわ」
「そうか、そうまでいうならそうするか」
私とお父様が一緒に寝室に向かうと、お母様も興味をそそられたのか一緒に付いてきた。
もちろん、マッサージというのは口実で、闇の身体強化魔法をお父様にかけるためだから、できればお母様には見られたくなかった。だが、マッサージを行う振りをしていれば闇魔法を使ったことはわからないだろう。
家庭教師のクロード先生に闇魔法の使用を止められている以上、私が闇魔法を使えることは、サラには話したが、まだ、お父様たちには内緒だ。
お母様に気付かれないか心配ではあるが、心配ばかりしていては何もできない。
寝室に着くと、早速、お父様にはベッドでうつ伏せになってもらった。
「これでいいのか?」
「バッチリですわ。それではいきますわ」
私は、お父様に馬乗りになると背中に両手を当てた。
「おお、これはいいな。コリがほぐれる感じがするぞ」
まだ、闇の魔力を流していないのに、押すだけで気持ちよさそうだ。
どれだけ凝っているのだよ。という話である。
「これは序の口、これからが本番ですわ」
私は、お父様の背中を押しながら、徐々に闇の魔力を送り込んでいく。
「んーん。何かヌメーっとした感じがするが、何か薬でも塗ったのか?」
「いえ、何も塗っていませんわ」
「そうか……、フアー。なんだかとても眠くなってきて……」
「そのまま寝ていて構いませんわ」
「グゥー、グゥー、グゥー」
お父様はそのまま寝入ってしまった。
「マリー、今のはなに?」
少し離れた所で様子を見ていたお母様が私に尋ねてきた。
まさか、闇魔法がばれたのだろうか?
私は少し焦るが、そんなことはお首に出さず、落ち着いて返事をする。
「マッサージですが」
「ただのマッサージには見えなかったけど?」
これは気付かれたか?
どうやって誤魔化そう……。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
なりゆきで、君の体を調教中
星野しずく
恋愛
教師を目指す真が、ひょんなことからメイド喫茶で働く現役女子高生の優菜の特異体質を治す羽目に。毎夜行われるマッサージに悶える優菜と、自分の理性と戦う真面目な真の葛藤の日々が続く。やがて二人の心境には、徐々に変化が訪れ…。
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる