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第一章「普通すぎる転生」

フレデリカの魔法

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「こいつはどうしたものか。」
レイトは少し悩んだ顔をしながらあまり困っていない言い方で戯言を吐くと、
「あんたよくそんな面白そうに言えるわね。」
レイトが大して困っていないことを直ぐに察したアルカはため息をしながらレイトに言った。
「任せて。ここは私に。」
自信を持ったフレデリカがどんと前に出た。
「フレデリカの技を見るのは初めてだな。」
「確かにそうね。」
「また俺の出番は今回も無さそうだな。」
ガルドはある意味ほっとしたらしい。
「まぁ。もしもフレデリカになにかあったらのために備えておくか。ゴットマシンガン。」
そう言いながらレイトはゴットマシンガンを変形させ準備している。
「あらレイト。残念ながらその必要はないわ。いくわ。スクラッチボム!」
そう言いながらフレデリカは身長の半分くらいのステッキを出すと、赤い丸のシャボン玉のような物がバンブーのボスに着いた。
「グォォォォォォ?!」
バンブーのボスは戸惑っている様子を見せながらそのバブルを破壊しようとしている。
「あれはとてつもない魔法な気がするわ。レイト。」
「え?あぁ。そうだな。」
いつの間にかオハラという呼び名からレイトに変わっていることに違和感を感じたレイトだったが、そこはあまり触れることは無かった。
そしてアルカとレイトがそんな話をしている最中、フレデリカがこう唱えた。
「じゃぁね。」
そう言いながら少し笑顔になったフレデリカはステッキを上に掲げると、バンブーに付着していたバブルが一気に爆発した。
まるで辺りが一掃され跡形もなく無くなってしまうのかと思ってしまう程。
「レイトあとは回収よろしく。」
「やっぱそこはやらなきゃいけないのか。」
「当たり前でしょ?このパーティーのリーダーは誰だったかしら。」
「はいはい。」
そう言いながらもレイトは自身の2つ目のスキル[フットワーク]を活かしそこらを飛び回った。
「雑魚スキルに見えて便利なものよね。」
「戦う時とかジャンプ力は必要だからな。」
フレデリカとガルドはそう会話を続けている中、アルカだけはレイトをじっと見つめているばかりであった。
「終わったよ。帰るか。」
「そうだな。」
「えぇ。」
「うん。」
4人はそう言うとそこを後にしギルドへと戻って行った。


「お疲れ様でした!こちらが報酬金になります。」
「ありがとうございます。」
レイトさ はギルドのカウンターから報酬金を受け取ると、エデルに話しかけられた。
「おうレイト!意外と早い帰りだったな。」
「あぁ。優秀なメンバーのおかげだよ。」
「バンブーは魔界の中だとほぼ最下層のモンスターだが、最下層とはいえなかなか手強い相手だから心配していたが、その心配は余計なお節介だったようだな。」
「そんなことないさ。」
「あの。オハラレイトさん。あなたのパーティにこちらのクエストをお願いしたいのですが。」
「え?あ、どんな内容ですか?」
「はい。こちらです。」
緊急
アルバトロスの撤退または討伐
必要ランク
B+以上またはパーティメンバーの1人以上のメンバーがA

「これを。僕らにですか?」
「はい。バンブーでの活躍を見てた協会があなたのパーティへ。と。」
「こいつはまた大変なクエストだな。」
ガルドはそうつぶやきながらレイトをみつめていた。


次回第二章「待ち構える悲劇」

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