どうせパッとしないなら異世界転生なんて必要ない！

第一章「普通すぎる転生」

最初からクライマックス！

「あれは多すぎやしないか。」
レイトは目の前に見えるバンプーを見ると、苦笑しながらそう言葉をこぼした。
「いいじゃないかレイト。これだけ数があれば報酬金で今日はご馳走だな。」
ガルドは大勢のバンブーを目の前に呑気に笑顔で3人に話していた。
「あんたよくそんな陽気でいられるわね。」
アルカがガルドに嫌味のように言うと、ガルドは「まぁね。」と他人事のように2の返事をした。
「私だってそれくらいの余裕はあるわよ。」
フレデリカはその2人の会話に割り込んで自分の落ち着き様を2人に見せつけた。その時点で落ち着いてはないが。とレイトは少し遠いところなら見つめていた。
「さて、まぁあの技があれば一掃できるかもな。」
レイトは自信満々でゴットマシンガンをバンブー達に向けた。
「ピストルセレクト、レッド！いけ！」
そうレイトが唱えると、ピストルの形をしたゴットマシンガンがライフルのような形に変形した。
「おぉぉ。」
それを真横で見ていたアルカは呆然として思わずそう声を上げた。
ピストルセレクトレッドとは、広範囲の複数の相手でも攻撃可能になるモードで、使用する魔力はさほど多いものでは無い。火力はおいうと、バンブーくらいの魔物なら倒せる時もあるが、広範囲に攻撃するので威力は多少軽減されてしまう。
「攻撃増加！」
するとフレデリカはすかさずレイトのゴッドマシンガンの威力を増加させた。
みるみると赤い色が濃くなっていく。ドドドドドドドと言う大きい音を立て、一気にその魔力をバンブーに向けた。
すふとバンブーは続々と燃えるような衝撃波を受け次々と倒れていく。
「とりあえず周囲のバンブーは片付けたみたいだな。」
レイトはそういうと、あとはアルカに任せることにした。
「あとは頼んだぞ。」
「何言ってるの、言われなくてもやってるわよ。」
そう言うと剣に魔力を込めた。するとアルカが持っていた剣がだんだん伸びていく。「激、斬。」
すると残りの後ろの方にいたバンブーが真っ二つに切れていく。
「思ったより早く終わりそうだな。」
「アルカもみるみると成長していくな。ランクアップもすぐそこかもな。」
「まだ私には全然追いつけないけどね。」
「一言多いぞ。」
そう3人の会話が繰り広げられている中、アルカはどんどんバンブーを片付け、ついに最後の1匹も片付けた。
「ほら見なさい。もう終わったわよ。」
「いや。まだ終わってはないみたいだぞ。」
そうレイトは言うと、目の前を指指した。
目の前にあったのは。いつもより大きく、凶暴で、恐ろしい魔物だった。
「これはボスの登場だな。」
ガルドはポケットに手を突っ込みながら言った。