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069 あだ名付け
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「回収された時点で何も起きないと証明出来ますか?
出来ないのであれば、まず先に場所のみを把握してもらえますか?」
「あるじぃ、誰? 何であるじぃに命令してんの?」
あっ、ヤベェ。
何か険悪な空気が漂い始めたぞ?
「ええっと、こっちはこの街の領主さんだ。
街を守る義務があるから、俺に相談、そう、相談をしているんだよ。命令じゃないからね?」
「ふ~ん。でもあるじぃはさ、神様に頼まれてるんでしょ?
神様よりも偉い人じゃないでしょ? だったら別に相手にしなくても良くない?」
はい、悪魔的な意見を頂きました~。
どう説明したものか。どう言ったら納得してくれるのかなぁ。
「“聖人様”、ここは俺が話をしよう」
王太子が助け舟をだしてくれた。
助かる。こういう交渉は苦手なんだよ。俺、営業職じゃなかったし。
「私はグラン。“聖人様”に同行している者だ」
「知ってるよ。話題になってるもん」
「わ、話題になってる?」
「うん。他の仲間達との間でね。ボクがつけたあだ名『わか』で呼ばれてる人!」
わか?
もしかして『若』かな?
日本でたまに次世代の事をそう呼んでるよね。
ほら、ビキニ鬼娘の話に出てくる暗い所と狭い所が嫌いな人とか。
「『わか』とはどういう意味で付けたのか、聞いてみても良いかな?」
「良いよ~。『分かりにくい事を、あるじぃに説明する人』ってあだ名なの。
長いから頭を取って『わか』。なかなかでしょ」
説明聞いて、王太子の顔が引きつってる。
王太子だもん。こんな扱いを受けた事は少ないんだろうなぁ。
でも、その認識で合ってますよ、フォルネウス。
非常に助かってます。
「ち、ちなみに、他の同行者は?」
「そっちの男が『5A』で、女が『いも』」
「……付けた意味は?」
「男は護衛でしょ?『ゴエー』だから『5A』。
女は単純で『妹』だから『いもうと』、略して『いも』」
聞けば納得だ。
でも、あだ名付けられた全員の顔が少し引きつっている。
ここは俺が何とかしよう。
だから領主さんの対処は頼むよ?
「フォルネウス。あだ名で呼ばれると俺が混乱するから。
だから俺が言ってる略称にしてくれないかな? 控室(?)ではそれで呼んでて良いから」
「控室でも勘弁して欲しいのだが……」
ええぃ、ごちゃごちゃ言わない!
聞こえないから良いでしょ!
「頼むよ」
「あるじぃが言うなら。じゃあグランとザックと『いも』だね!」
「いや、ファーだからね?!」
「え~~。しょうがないなぁ」
どうも未だに悪魔は姫様にキツイように感じる。
改心したらしいから許してやれよ。
「え~~と。交渉しても良いかな?」
「あ、そうだった。グラン、ヨロシク!」
「ああ。
それでだね。君の主である“聖人様”は優しい人なのは知ってるだろ?
その優しさは悪魔にだけでなく、我々のようなこの世界の人間にも向けられている。
だから“聖人様”は悪魔を回収する事で不特定多数の人間が困る事を危惧しているんだ。優しいからね。
勿論、そんな危惧するような事にはならないと判っている。君と“聖人様”ならば可能な事。
でもそれをここを守っている領主は知らないんだよ。なにせ今日合ったばかりだからね?
だから恐れているんだ。未知の力で救えると言われても、人間は未知の事には臆病になる。
そこで、可能な事を判るように説明して欲しい、と言っているんだよ。
説明が足らなかった、配慮が足らなかった、これは私が悪かった。許してくれるか?」
すげぇな。よくも咄嗟にこんなに言葉が出るもんだ。
俺だったら「両者落ち着いて。フォルネウス、説明してくれる?」くらいしか言えない。
そしてきっとそれを言うとフォルネウスが不機嫌になるんだろう。
かと言ってフォルネウスを優先すると領主さんが不満を持つだろう。
「う~ん。わかった。普段からあるじぃを助けてる人だから、許してあげる」
「ありがとう」
「助かったよ。さすが『分かりにくい事を、俺に説明する人』だな」
「それは言うな!」
ご、ごめん。気にしてるのか。
出来ないのであれば、まず先に場所のみを把握してもらえますか?」
「あるじぃ、誰? 何であるじぃに命令してんの?」
あっ、ヤベェ。
何か険悪な空気が漂い始めたぞ?
「ええっと、こっちはこの街の領主さんだ。
街を守る義務があるから、俺に相談、そう、相談をしているんだよ。命令じゃないからね?」
「ふ~ん。でもあるじぃはさ、神様に頼まれてるんでしょ?
神様よりも偉い人じゃないでしょ? だったら別に相手にしなくても良くない?」
はい、悪魔的な意見を頂きました~。
どう説明したものか。どう言ったら納得してくれるのかなぁ。
「“聖人様”、ここは俺が話をしよう」
王太子が助け舟をだしてくれた。
助かる。こういう交渉は苦手なんだよ。俺、営業職じゃなかったし。
「私はグラン。“聖人様”に同行している者だ」
「知ってるよ。話題になってるもん」
「わ、話題になってる?」
「うん。他の仲間達との間でね。ボクがつけたあだ名『わか』で呼ばれてる人!」
わか?
もしかして『若』かな?
日本でたまに次世代の事をそう呼んでるよね。
ほら、ビキニ鬼娘の話に出てくる暗い所と狭い所が嫌いな人とか。
「『わか』とはどういう意味で付けたのか、聞いてみても良いかな?」
「良いよ~。『分かりにくい事を、あるじぃに説明する人』ってあだ名なの。
長いから頭を取って『わか』。なかなかでしょ」
説明聞いて、王太子の顔が引きつってる。
王太子だもん。こんな扱いを受けた事は少ないんだろうなぁ。
でも、その認識で合ってますよ、フォルネウス。
非常に助かってます。
「ち、ちなみに、他の同行者は?」
「そっちの男が『5A』で、女が『いも』」
「……付けた意味は?」
「男は護衛でしょ?『ゴエー』だから『5A』。
女は単純で『妹』だから『いもうと』、略して『いも』」
聞けば納得だ。
でも、あだ名付けられた全員の顔が少し引きつっている。
ここは俺が何とかしよう。
だから領主さんの対処は頼むよ?
「フォルネウス。あだ名で呼ばれると俺が混乱するから。
だから俺が言ってる略称にしてくれないかな? 控室(?)ではそれで呼んでて良いから」
「控室でも勘弁して欲しいのだが……」
ええぃ、ごちゃごちゃ言わない!
聞こえないから良いでしょ!
「頼むよ」
「あるじぃが言うなら。じゃあグランとザックと『いも』だね!」
「いや、ファーだからね?!」
「え~~。しょうがないなぁ」
どうも未だに悪魔は姫様にキツイように感じる。
改心したらしいから許してやれよ。
「え~~と。交渉しても良いかな?」
「あ、そうだった。グラン、ヨロシク!」
「ああ。
それでだね。君の主である“聖人様”は優しい人なのは知ってるだろ?
その優しさは悪魔にだけでなく、我々のようなこの世界の人間にも向けられている。
だから“聖人様”は悪魔を回収する事で不特定多数の人間が困る事を危惧しているんだ。優しいからね。
勿論、そんな危惧するような事にはならないと判っている。君と“聖人様”ならば可能な事。
でもそれをここを守っている領主は知らないんだよ。なにせ今日合ったばかりだからね?
だから恐れているんだ。未知の力で救えると言われても、人間は未知の事には臆病になる。
そこで、可能な事を判るように説明して欲しい、と言っているんだよ。
説明が足らなかった、配慮が足らなかった、これは私が悪かった。許してくれるか?」
すげぇな。よくも咄嗟にこんなに言葉が出るもんだ。
俺だったら「両者落ち着いて。フォルネウス、説明してくれる?」くらいしか言えない。
そしてきっとそれを言うとフォルネウスが不機嫌になるんだろう。
かと言ってフォルネウスを優先すると領主さんが不満を持つだろう。
「う~ん。わかった。普段からあるじぃを助けてる人だから、許してあげる」
「ありがとう」
「助かったよ。さすが『分かりにくい事を、俺に説明する人』だな」
「それは言うな!」
ご、ごめん。気にしてるのか。
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