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070 カオスな場
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さて色々あったけど。
結局は何も解決していない。
フォルネウスも王太子との会話で領主を許したが、許しただけだ。
険悪っぽい雰囲気には変わりがない。
どうしたものか……。
「じゃあ、あるじぃ。探しに行くね」
「うん。じゃなくて! ちょっと待って!」
「なに?」
だから発見して持ってきても大丈夫なのか?って疑問を解決してないじゃん!
もうちょっと俺の心情に優しくなってくれないかな?
「見つけて持ってくるだけだよ?」
「そこに不安があるって話なんだよ……」
「そんなに不安なのか~。じゃあ他の悪魔も呼んでおこうよ!
で、ここに待機させておこう!」
「そうする理由は?」
「何かあっても対処出来るでしょ。
それに不安が高まりすぎて、あるじぃに不快な思いをさせるようなら殲滅出来るし!」
「おいっ! それを口に出して言うかな?!」
「黙ってるよりも効果的だよ?」
「黙ってた方が良い事もあるだろ?」
「あるじぃ……。
あるじぃくらいの力を持つ者なら、黙ってるよりも口に出した方が効果的だから。
秘密もだよ。黙って隠すなら話した方が良いよ」
「秘密は隠すよ!」
「いやいや、隠すのヘタだから。
あるじぃが必死に隠すよりも、相手にバラして公然の秘密にした方が良いから。
そうするとね、あるじぃは話して楽になれるし、相手は秘密を広めないようにしないといけないから苦労する。
そこで仲間意識が生まれるからね!」
一理ある話だけど……考え方が悪魔寄りに思える。
ほら、周囲の人達全員の顔が引きつっているのが、その証拠だ。
そして白いイルカに教えられて、少し落ち込んでいる俺。
なに、このカオスな場は。
喜んでいるのは白イルカだけ。さすが悪魔だ。
そう言えばアンドロマリウスからも言われた気がする。
悪魔内では共通認識?!
「じゃ、探してくる~!」
「ちょ!!」
今度は止める間もなく、行ってしまった。
この状況……辛いです。
そんな中、声を出したのは領主さんだった。
「……貴方は悪魔を複数召喚出来ると?」
「あ、はい。知りませんでしたか?」
「ええ。そのような事は聞いていませんでした」
前に複数召喚してたけどなぁ。
その辺は噂になっていないのだろうか?
「そして、その悪魔さえ居れば、私達を殲滅する事も容易いと?
それと先程の悪魔の行動ですが、貴方が完全に制御している訳ではないと?」
「……え~と、それは判りません。詳しくはグラン……王太子殿下に聞いて下さい」
どう答えれば判らなかったので、丸投げしておいた。
きっと上手く説明してくれるだろう。
ほら、姫様も助太刀して! ガンバレ!
離れた所で、領主さんが王太子と姫様を相手に会話をしている。
いや、会話と言うよりも会議だね。
中からは、たまに「人類」とか「驚異」とかの単語が聞こえてくるが無視だ。
気にはなるが、絶対に良い話ではないだろう。聞こえてないフリをするが吉。
ヒマになったので、海を眺めている。
この世界の魚ってどんなのだろうか? 美味しいのかな?
やっぱり刺し身では食べないのか? 魔法で寄生虫を殺したりする?
そんな事をぼんやりと考えていたらフォルネウスが戻ってきた。
口にはカードを咥えている。
「ふぉっふぇふぃはほ~~」
「咥えながら喋らなくて良いぞ~」
そう言うと、俺の手にカードを渡してくれた。
「取ってきたよ~」
「ありがとう。ご苦労さん」
フォルネウスを撫ぜて褒めながら手元のカードを見る。
そこに書かれていたのは、悪魔カードの「デカラビア」だった。
結局は何も解決していない。
フォルネウスも王太子との会話で領主を許したが、許しただけだ。
険悪っぽい雰囲気には変わりがない。
どうしたものか……。
「じゃあ、あるじぃ。探しに行くね」
「うん。じゃなくて! ちょっと待って!」
「なに?」
だから発見して持ってきても大丈夫なのか?って疑問を解決してないじゃん!
もうちょっと俺の心情に優しくなってくれないかな?
「見つけて持ってくるだけだよ?」
「そこに不安があるって話なんだよ……」
「そんなに不安なのか~。じゃあ他の悪魔も呼んでおこうよ!
で、ここに待機させておこう!」
「そうする理由は?」
「何かあっても対処出来るでしょ。
それに不安が高まりすぎて、あるじぃに不快な思いをさせるようなら殲滅出来るし!」
「おいっ! それを口に出して言うかな?!」
「黙ってるよりも効果的だよ?」
「黙ってた方が良い事もあるだろ?」
「あるじぃ……。
あるじぃくらいの力を持つ者なら、黙ってるよりも口に出した方が効果的だから。
秘密もだよ。黙って隠すなら話した方が良いよ」
「秘密は隠すよ!」
「いやいや、隠すのヘタだから。
あるじぃが必死に隠すよりも、相手にバラして公然の秘密にした方が良いから。
そうするとね、あるじぃは話して楽になれるし、相手は秘密を広めないようにしないといけないから苦労する。
そこで仲間意識が生まれるからね!」
一理ある話だけど……考え方が悪魔寄りに思える。
ほら、周囲の人達全員の顔が引きつっているのが、その証拠だ。
そして白いイルカに教えられて、少し落ち込んでいる俺。
なに、このカオスな場は。
喜んでいるのは白イルカだけ。さすが悪魔だ。
そう言えばアンドロマリウスからも言われた気がする。
悪魔内では共通認識?!
「じゃ、探してくる~!」
「ちょ!!」
今度は止める間もなく、行ってしまった。
この状況……辛いです。
そんな中、声を出したのは領主さんだった。
「……貴方は悪魔を複数召喚出来ると?」
「あ、はい。知りませんでしたか?」
「ええ。そのような事は聞いていませんでした」
前に複数召喚してたけどなぁ。
その辺は噂になっていないのだろうか?
「そして、その悪魔さえ居れば、私達を殲滅する事も容易いと?
それと先程の悪魔の行動ですが、貴方が完全に制御している訳ではないと?」
「……え~と、それは判りません。詳しくはグラン……王太子殿下に聞いて下さい」
どう答えれば判らなかったので、丸投げしておいた。
きっと上手く説明してくれるだろう。
ほら、姫様も助太刀して! ガンバレ!
離れた所で、領主さんが王太子と姫様を相手に会話をしている。
いや、会話と言うよりも会議だね。
中からは、たまに「人類」とか「驚異」とかの単語が聞こえてくるが無視だ。
気にはなるが、絶対に良い話ではないだろう。聞こえてないフリをするが吉。
ヒマになったので、海を眺めている。
この世界の魚ってどんなのだろうか? 美味しいのかな?
やっぱり刺し身では食べないのか? 魔法で寄生虫を殺したりする?
そんな事をぼんやりと考えていたらフォルネウスが戻ってきた。
口にはカードを咥えている。
「ふぉっふぇふぃはほ~~」
「咥えながら喋らなくて良いぞ~」
そう言うと、俺の手にカードを渡してくれた。
「取ってきたよ~」
「ありがとう。ご苦労さん」
フォルネウスを撫ぜて褒めながら手元のカードを見る。
そこに書かれていたのは、悪魔カードの「デカラビア」だった。
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